ムソルグスキーが本体
──一方、「アンダンテに恋をして!」のカップリング曲「愛を謳う」も「はめふら」感があると思ったのですが、別に挿入歌などではないんですよね?
KATSU 「はめふら」とは関係ないんです。でも、ダウンロードなりサブスクなりがシェアを広めている今わざわざCDで出すわけだし、やっぱりA面曲とリンクさせたい部分もあって。angelaはデビューして18年になるんですけど、18年前からシングルのB面は“打倒A面”であるべきだと思い続けているんですよ。A面の曲が目当てでCDを買ったのに、帰って聴いてみたらB面のほうが好みだったとかありません?
蒼井 ああ、ありますね。
KATSU もはやA面とB面じゃなくて表題曲とカップリングと言ったほうが通じるんでしょうけど、「今回のangelaのシングル、B面がA面を食っちゃってるね」と言われてもいい。それぐらいインパクトのある曲を常にB面に持ってきたいんですよね。
atsuko 「愛を謳う」も、「アンダンテに恋をして!」でベートーヴェンの「第九」を使ってしまったがゆえに簡単にバレた「このクラシックの曲、聴いたことあるけどなんだっけ?」みたいなラインを目指したんです。そこで私はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」からプロムナードという、たぶん皆さんも聴けば「ああ、あれね」と思う曲をちょっと跳ねたリズムでメロディラインに落とし込んだんですよ。それをアレンジしていたKATSUさんから「この曲、『結婚行進曲』も途中で入れられるからハッピーな歌詞にして」というLINEが送られてきて。
蒼井 へえええ。
atsuko 結果、メンデルスゾーンとワーグナーの2種類の「結婚行進曲」が後半に入っているんですけど、2人の「結婚行進曲」が強すぎてムソルグスキーの「展覧会の絵」に気付いてもらえないという現状があって(笑)。
蒼井 あははは!(笑)
──僕も「結婚行進曲」に食い付いてしまったんですけど、デコイだったんですね。
atsuko そう。実は隠しキャラみたいな感じでムソルグスキーもいて。
KATSU 本体はそっちなんです。
atsuko ともあれ、「アンダンテに恋をして!」とセットで「恋だの愛だのを歌うangelaもたまにはいいよね」というシングルになりました。
──パッケージとしての祝福感がすごいです。
KATSU angelaの名前を出さないほうがいいかもしれない。
atsuko まるでゼクシ……いやなんでもないです(笑)。
蒼井翔太はangelaと一緒に横揺れがしたい
──最後に、この機会にお互いに聞きたいこと、言いたいことなどはありますか?
蒼井 僕は、angelaさんとコラボがしたいです。
atsuko あら、いいですね。翔太くんがタロットカードで我々を占ってくれるとか。
蒼井 そっち!?
KATSU YouTubeの企画とかでね。
蒼井 いや、僕は今回の「give me ♡ me」もangelaさんと一緒に歌ったらすごい盛り上がるだろうなとか考えていたんですけど……。
atsuko じゃあ私たちは後ろでこうやって(「give me ♡ me」MVのバックダンサーの振り付けを真似ながら)。
蒼井 なんでダンサーとしてコラボしようとするんですか!(笑)
atsuko もちろん音楽的にもね、翔太くんだったら「男性だからここまでのレンジかな」みたいなことを考えずに曲を書けるし、それはとても面白そうだなと勝手に想像していました。
蒼井 一緒に横揺れしましょうよ(横揺れしながら)。
KATSU 翔ちゃんはさ、ダンスはどれぐらい時間をかけて覚えるの?
蒼井 僕はどんなダンスでも絶対に、1時間で全部覚えると決めています。
KATSU マジで?
蒼井 「give me ♡ me」のダンスは1時間とちょっとかかっちゃいましたけど。
atsuko 「アンダンテに恋をして!」のMVでは、珍しくKATSUさんにも振りを付けがあるんですよ。でも、ほぼステップだけなのに全然覚えられなくて。撮影現場に移動する車の中でKATSUさんがおもむろにメモを取り出して読み始めたんですけど、そこには簡単な人物の絵とともに「手を叩く」とか、振りが文字で書いてあったんですよ(笑)。
KATSU 「右足を2回上げる」とかね。
蒼井 逆に覚えづらくないですか?
KATSU そういうことはやらない?
蒼井 僕は動画を撮って、それを見ながら練習しています。
KATSU なんか、動画の見方がわからなくて。例えば動画でお手本の先生が右手を上げてたら、俺は左手を上げればいいの? みたいな。
atsuko 鏡に映っているのと同じだからね。KATSUさんに言わせれば「音楽は譜面があればどうにかなる」らしいんですよ。だから振り付けも紙に書くっていう。たぶんそういう作りなんでしょうね、脳が。
KATSU 8時間ぐらいかけて覚えようとして、結果的に覚えられてないからね(笑)。