ナルハワールドへの思いを歌に込めて

──ではPARADISESの「you」はどんな曲ですか？

チャンベイビー　えーと、古い感じ？ レトロ？ 昭和っぽい感じがします。

ヤママチ　補足すると平成初期あたりのちょっとブリブリした王道アイドルみたいな楽曲ですね。振り付けはこれまでと同じようにキャン・GP・マイカが考えてくれたんですけど、今どきじゃない感じのアイドルステップを踏んでいたり、レトロな雰囲気を感じ取ってもらえるような楽曲になっています。

──ヤママチさんはこの歌詞にどんなメッセージを込めたんでしょうか。

ヤママチ　「you」の歌詞は、GO TO THE BEDS在籍時にPARADISESのみんなが歌うと思って書きました。ナルハワールド（学業に専念するため活動休止中）のことを思って書いた歌詞なんです。

──それはナルハさんが活動休止を発表する前に書いたということですよね？

ヤママチ　そうです。まず現GO TO THE BEDSのメンバーと私の関わりなんですけど、キャリアがみんな違って、ユユ、月、ナルハに関してはギャンパレで私とも一緒に活動したメンバーで、中でもユユと月はギャンパレで長く濃い時間を一緒に過ごしたので、どんな人かよくわかっている。キャ・ノンとメイちゃんは一緒にやったことがなかったので、正直どういう子かまったくわからない状態。そういう関係の中、ナルハはWAggから昇格して1年と少しの期間ギャンパレで一緒にやって、なんとなくの人間像はわかっていたんですけど、本当のナルハがどんななのかをわからないままグループが別々になってしまって。そんなことがあったから、私はナルハについて歌詞を書きたいと思ったんです。グループが別々になるとわかったとき、ナルハのことをもっと知りたかったなとすごく思ったし、PARADISESの曲でナルハが作詞した曲の歌詞を読むと、私が知っているナルハじゃないナルハ像が見えることもあった。作詞をするにあたってライブ映像も観たんですけど、「ナルハってこんなにすごかったっけ」と思うところがすごくあったので、ナルハについて書き始めたらすごくスラスラ書けました。

──この歌詞は確かにギャンパレ時代のことを思い浮かべている感じがしました。1つ、ヤママチさんの過去ツイートを見せていいですか？

ヤママチ　あー！ ナルハが泣いちゃったときのやつだ（笑）。

月ノ　この頃、まだナルハはWAggのメンバーで、ミキさんに憧れていたんですよね。

ヤママチ　ライブがあった日にたまたまナルハと楽屋で一緒になって。ナルハが好きだと言ってくれていたのは前から知っていたんですけど、タイミングが合わなくてこのときちゃんと話したんですよね。ツーショットで初めて写真を撮ったら泣いちゃった、という一幕です。

月ノ　うれし泣きだったよね（笑）。特典会終わりに楽屋のドア開けたら目の前でミキさんの横でナルハが号泣していて。「泣かせた!? 大丈夫？」って思ったのめっちゃ覚えています（笑）。

ヤママチ　そんな涙を流してくれるくらい好きって言ってくれる子がおるんか！ しかもこんなかわいくて！とびっくりしましたけど、すごくうれしかったです（笑）。

──ナルハさんはこのツイートの翌年、GANG PARADEに加入して、ヤママチさんと一緒になりました。そしてさらに1年後には別々のグループになって。そんな出会いと別れがこの「you」でも表現されていますね。

ヤママチ　そうですね。いやーホント懐かしいツイートだ（笑）。

メンバーが違えばアレンジも違う「G⇔P」収録曲

──スプリットシングルには新曲のほか、各グループ既発曲の新体制バージョンが4曲収録されています。歌い手がまったく違うので雰囲気も変わったと思いますが、いかがでしょう。

月ノ　けっこう変わっていますね。GO TO THE BEDSは「現状間違いなくGO TO THE BEDS」のセリフっぽいところは、前バージョンのイメージと変わらない感じで最初は録りました。でもキャ・ノンが最後にレコーディングしたとき、松隈ケンタ（サウンドプロデューサー）さんに「やっぱり今までと同じじゃダメだよね」と言われまして。「意味わかんない感じにしてほしい」だっけ？

キャ・ノン　「もっとキモくやって」って（笑）。

月ノ　それだ！（笑） キャ・ノンがそのディレクションのあと、めっちゃいいテイクを出したので「全員録り直し！」と言われまして。セリフだけ最後にみんなで録り直しています。

──「キモくやって」とは具体的にどういうことなんでしょう？

キャ・ノン　「映画に出てくるゾンビみたいなイメージのキモい感じを出して」と言われて。わからないけど、そういう感じでやるしかないって（笑）。

──PARADISESの新体制バージョンはいかがですか？

チャンベイビー　私はPARADISESだと「visions」「cry wanna」「お願い」が好きです。新作に入ってないんですけど、ライブではもう歌っていて。ライブだと「GOOD NIGHT」が楽しくて、「PARADISES RETURN」も好きです。新体制バージョンは……前のと比べて声が違う？

ヤママチ　みんな変な歌い方していたよね。

月ノ　確かに新体制PARADISESの「GOOD NIGHT」を聴いたとき、全然違う曲だなって思いました。

キャ・ノン　音源だとなんか人数が増えている感じ（笑）。メンバー以上に人がいる感じがしました（笑）。

ヤママチ　私たちはGO TO THE BEDSのときに合唱する曲がなかったんですけど、ユニゾンのインパクトはすごいですね。頭から「GOOD BYE GOOD BYE」って全員で歌っている中で、変な歌い方をしているメンバーがいるんです。例えば狂暴なユアが現れたり、ココがおじゃる丸にでてくる喜助っていう黄色い鳥みたいな声で「GOOD BYE GOOD BYE」と歌っていたり、おふざけ感満載の楽しい感じになりました。

月ノ　ライブでもその歌い方しているもんね（笑）。

ヤママチ　音源から乖離しないよう、そこはなるべく忠実に（笑）。ライブだとアウトロで煽りを入れるんですけど、ココがうっかり喜助の声真似したまま「ラストー！」とか言っていて面白かったです（笑）。いろいろ面白くなっているのでぜひライブに来てほしいですね。

──確かにライブが楽しそうなアレンジですね。ちなみにキャ・ノンさんはGO TO THE BEDSで好きな曲は？

キャ・ノン　「SECRET MESSAGE」（ヤママチ作詞）と「Rebirth」（ユア作詞）が好きです。どちらも歌詞がいいんですよ。

ヤママチ　ありがとうございます！

──「SECRET MESSAGE」は歌詞のどんなところがいいんですか？

キャ・ノン　（ヤママチの強い視線を感じて）んー、怖い（笑）。

ヤママチ　怖いって言われた（笑）。

キャ・ノン　でもミキさんの書く歌詞は全部好きです。

ヤママチ　やったー！

キャ・ノン　すごくストレートな表現だし、熱さも優しさも伝わってくる歌詞だと思って。ライブのパフォーマンス曲は「Dear」とかもそうだし、ミキさん作詞の曲が多い。お客さんに届けたい言葉を歌に乗せてくれている感じがするから好きです。

どちらも自分のグループだ！

──GO TO THE BEDSは2021年に年間200本のライブをするという目標を掲げていましたが、その目標はどうなったんですか？

月ノ　残りの本数に関しては、GO TO THE BEDSとPARADISESで一緒に目指していくことになりました。合計200本を目指しましょうと。

──現時点で170本くらいとのことで、残り30本ほどですね。GO TO THE BEDSはコロナ禍ですごい目標を掲げたと思いましたが、なんとか達成できそうですね。

ヤママチ　もうちょいです！

月ノ　前GO TO THE BEDSがほぼほぼがんばっていたから。

ヤママチ　ベビが入ったのが5月でしょ。ベビだって100本以上やっているよね？

チャンベイビー　そうですね、そのくらいはやっています。私はライブがめちゃくちゃ好きなので、200本っていう目標を掲げていたグループに入れてよかったなって思っています。

ヤママチ　うんうん。強い子です！

──最後に素朴な疑問なのですが、今後この2組のトレードはどうなっていくんですか？

ヤママチ　どうなっていくんでしょうか？（笑）

──未知なんですね。ではそれぞれどうしていきたいですか？

ヤママチ　私たちのPARADISESが始まるタイミングで、PARADISESの楽曲をもっと広げていきたい。それに伴って、立てる会場も大きくしたいし、PARADISESで今自分たちが作れるものを作っていきたいです。

キャ・ノン　私たちはGO TO THE BEDSで売れようっていうのも違うと思うし、トレードがあったことによって目標設定が難しいなと思ったんです。「どっちも自分のグループだ！」という気持ちがあって、PARADISESもGO TO THE BEDSも自分のグループだと思っています。グループ全メンバーがトレードって大きい出来事ですよね。この機会に私たちを知らないたくさんの人に知ってもらって、GO TO THE BEDSもPARADISESも観てもらいたい。それで「両方ともいいじゃん」と言ってもらえるようにしたい。今回のトレードで、もっといろんな人に自分たちをもっと知ってもらう機会を与えられたと思っているので、知ってもらえるようにがんばりますし、どちらも注目してもらえたらうれしいです。