ナタリー PowerPush - GRANRODEO
異色ユニットが語るアニソンからロックまで
タイトルが「愛のWarrior」だったから、あいつわかってるなって
──シングルの表題曲「愛のWarrior」はPSPゲーム「アンジェリーク 魔法の六騎士」の主題歌ですけど、制作はどういうふうに進めていったんですか? タイアップの話が先にあったんでしょうか。
e-ZUKA そうですね。まず初めにゲームの資料を読ませてもらいました。ゲームはダークでシリアスな内容だったので、今までのGRANRODEOにあるような重めの曲を作ったんですよ。で、そういう曲は、作品にはすごく合っているけど、僕らにとっては1年ぶりのシングルだし、何か新しい色を出したいと思うようになって。じゃあ、新しさとは何だろう?と。そこで、4つ打ちのアニソンみたいな曲を作ってみたんですよ。それがこの曲ですね。ただ、この方向がいいのか悪いのかわからなくて、ギリギリまで悩んで……あとは歌詞と歌でなんとかしてもらうおうと(笑)。ただ、すかした内容の歌詞が上がってきたらどうしようかなと思ったけど、タイトルを見たら「愛のWarrior」だったから、あいつわかってるなって(笑)。
──まさに「愛のWarrior」という曲名にピッタリの楽曲ですよね。
e-ZUKA これをみんなに聴かせたら大絶賛で。良かったです。僕は、自分はアーティストというより職人だという意識が強いから、望まれる曲を作りたいんですよね。それでも自分のカラーは絶対出るし。で、この曲については、歌を入れたトラックを聴いて、自分でもいい曲だなあと思えて。10月の武道館ライブでやったときも盛り上がりましたからね。
KISHOW 楽曲がわかりやすいアニソンだったから、歌詞もわかりやすくしようと。僕は、意味合いをぼかして歌詞を書くタイプなんですよ。で、作品のテーマが戦うことだったから、連想で戦士=Warriorを思いついて。でも乙女向けのゲームだから、あわせて「愛」というテーマを設定して。ただ、「愛のWarrior」って曲名を自分でひらめいたときに、これはどうなんだろう?とは思いましたけど(笑)。
──あははは(笑)、そうなんですね。
KISHOW 今はしっくりきてます! 後から帳尻が合ってくるんですよね。「戦え」「炎となれ」みたいな命令口調の歌詞は普段なら恥ずかしくて書かないんだけど、この楽曲とタイトルだったら、やっちゃおうと思って。言ってみれば、GRANRODEOの中でははっきりとしたアニソンという位置づけだから、ライブでも盛り上がるし、気に入ってます。何より周りの反応がいいし。愛される曲になるんじゃないかな。
──完全に振り切れた曲だから、気持ちいいんですよね。歌詞も曲調も梶原一騎的な熱さですよ。
e-ZUKA はははは、振り切れた曲調をやろうと思いましたからね。なかなか恥ずかしいんですけど、やっちゃいました(笑)。
──「愛のWarrior」の後半に、ランディ・ローズ(OZZY OZBOURNEの初代ギタリスト)を思わせるきらびやかなギターソロも出てきますね。
e-ZUKA そうですね(笑)。
KISHOW この人、携帯の待ち受けもランディ・ローズですからね。
──楽曲自体攻めているし、ギターソロがすごくいいフックになってます。
e-ZUKA そうですね。大げさなくらいギターがガーン!と鳴ってる感じにしたくて。
──歌詞では「恋はいつも立ち去る者が美しい」という、なかなか口に出せない言い回しもありますが。
KISHOW お酒の力を借りないと、なかなかそこは語れないですね(笑)。大体、歌詞を書くときは自宅でお酒を飲まないと、書けないんですよ。そのテンションも手伝って、泥酔一歩手前のほうが自由に言葉が出てくる(笑)。
GRANRODEOもキミらがいればハッピーだよ
──カップリングの2曲に関してはどうですか?
e-ZUKA 来年にZeppツアーが決まってて、その前に出るのがこのシングルしかなかったから、3曲入りにしようと思って。まず、武道館ライブのリハ中に「HAPPY LIFE」を作ったんですよ。みんなで盛り上がって歌える曲を作ろうと。カップリングでもライブを意識しているから、捨て曲はないですね。だから、トリプルA面的な気持ちはあります。それから「Beat it, Love!」の間奏では、マイケル・ジャクソンの「Beat It」みたいなギターを入れたんですよ。ギターソロは完璧にエディ・ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)が弾いたバージョンにしてみました(笑)。
KISHOW 武道館ライブが終わったあと、すごくハッピーだったなあと思って、その気持ちを「HAPPY LIFE」の歌詞に込めました。GRANRODEOもキミらがいればハッピーだよって。この曲は自分の素直な気持ちが出てますね。
e-ZUKA 「HAPPY LIFE」を聴いたときに、めったにないんだけど、号泣しちゃったんですよ。「キレイ事だと笑って バカなヤツだとなじって ホントは違うと気付いていたんだろう ねえyourself」という歌詞がズキュンと胸にきちゃって。なぜハッピーな曲を書きたかったかというと、やっぱり震災の影響が大きかったんですよね。震災以降、みんな何かしら疲弊してると思うし、僕自身生きるってどういうことだろう?って考えさせられることもあって。だから「HAPPY LIFE」を聴いて、泣けてきたんですよ。
KISHOW 今年は震災から目を背けられないと思うし、それがなければ今回の歌詞も出てこなかったと思う。GRANRODEOをやっている以上は、ぬくもりみたいなものも伝えていけたらいいですね。
──今作は3曲を通して、“愛”について歌ってますもんね。
KISHOW そうなんですよね。“愛3部作”じゃないけど、いろんな形の愛を表現できたと思います。一貫性がなさそうであるというか。このシングルは、自分たち自身も相当好きになるんじゃないかな。自信作ですね。
収録曲
- 愛のWarrior
- Beat it, Love!
- HAPPY LIFE
- 愛のWarrior(instrumental)
- Beat it, Love!(instrumental)
- HAPPY LIFE(instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- 「愛のWarrior」MUSIC CLIP
GRANRODEO TOUR 2012 HAPPY RODEO LIFE
- 2012年1月7日(土)
宮城県 Zepp Sendai
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年1月9日(月)
愛知県 Zepp Nagoya
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年1月21日(土)
福岡県 Zepp Fukuoka
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年1月22日(日)
大阪府 Zepp Osaka
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年2月4日(土)
東京都 Zepp Tokyo
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2012年2月5日(日)
東京都 Zepp Tokyo
OPEN 15:00 / START 16:00 - 2012年2月12日(日)
北海道 Zepp Sapporo
OPEN 16:00 / START 17:00
GRANRODEO(ぐらんろでお)
KISHOW(谷山紀章)とe-ZUKA(飯塚昌明)によるユニット。2005年結成。声優としても活躍するKISHOWの表現力豊かなハイトーンボーカルと、e-ZUKAによるメロディアスな楽曲で人気を博す。2005年11月、1stシングル「Go For It!」でデビュー。コンスタントにリリースを重ね、これまでに15枚のシングルと4枚のアルバムを発表している。2010年5月に東京・日本武道館で結成5周年を記念したライブを行い、2011年10月には2度目の武道館ライブも果たす。2012年1月より全国6会場のZeppを回るツアー「GRANRODEO LIVE TOUR 2012」を開催。