ナタリー PowerPush - GRANRODEO

異色ユニットが語るアニソンからロックまで

肩書きはどうでもいい

──GRANRODEOの立ち位置は、普通のロックバンドとは違う異色さがありますよね。

KISHOW こういう形態の人たちは、いないですよね。ミュージシャンですごくアニメが好きな方はいますけど、声優さんですごくこういう音楽が好きな人はあまりいないし……。僕は高校のときに遊びでコピバンもやってたぐらい音楽好きなんです。

──音楽は聴くこともやることも、昔から好きだったんですね。ちなみに無理にカテゴライズするつもりはないんですが、自分たちでは"ロックバンド"をやってる意識はあります?

KISHOW 肩書きはどうでもいいですね。アニソンバンドでもいいし、ロックバンドでもいいし、J-POPとカテゴライズしてもらっても全然構わない(笑)。聴いてくれることに変わりはないから。まあ、やり始めた頃はもっとこだわっていた気がしますけど。

──こだわっていたというのは?

KISHOW 声優が歌を歌っているわけじゃないんだ。半端なレベルでやっているんじゃないんだ、って。その辺のバンドと比べても負けないつもりでやらなきゃ!という意識はありました。今は聴く人の自由だと思うし、どう捉えてもらってもいいかなって。

──e-ZUKAさんはどうですか?

e-ZUKA うん。ライブではサポートを入れて4人でやっているから、バンド然として見えると思うんですよ。僕は元々KISSが好きだったから、バンドっぽいライブをやりたいんですよね。ただ、楽曲を作る際はいろんなことをやりたいから……これが4人組だったら、みんなの個性を考えなきゃいけないし、そうなると制限が出てくると思うんですよ。でも2人ユニットだったら、そういう制限がなくなる。今回のカップリングもそうですけど、ベースを打ち込みで入れてみたり。あとは、この曲ならこのドラマー、この曲ならこのキーボーディストに頼みたいとか、バンドではできないこともいっぱい試せるので。

──ロックバンドだという意識はある一方で、その枠組をも飛び越えたスタンスでいたいんですね。

e-ZUKA エラそうな言い方をすると、GRANRODEOというジャンルみたいな感じですかね。やっぱりボーカルの力が大きくて、KISHOWが歌うとそうなるというか、ヘヴィメタルを歌おうがバラードを歌おうが、GRANRODEOのサウンドになると思うんですよ。

──なるほど。

KISHOW 僕は、どこか尖った部分を持っていなきゃいけないとは思ってますね。

──尖った部分とは?

KISHOW 自己顕示欲であったり……僕は、欲が強いんでしょうね。もっとこうなりたい、もっとこう思ってほしい、という気持ちが強くて。ファンの方がいたからここまで来られたとは思っているんだけど……でも俺らがブレずにここまでやってきたという自負もありますからね。みんなへの感謝の気持ちと、そういう強い我の両輪があるからこそ、飽きないでやれているんだと思います。

──では、GRANRODEOとして、こうなりたい!という未来像はあるんですか?

KISHOW 僕は明確にはイメージしてないんですよ。とりあえず、GRANRODEOを長く続けたいと思ってます。続けていくことで結果がついてきたので。今後ももっと多くの人に知ってほしいから、この先10年は続けていきたいし、もちろんその先もやっていきたいですね。

音楽的に違うテイストが出てくるのが面白い

──昨年に引き続き、今年も武道館公演を成功させてますよね。この数年のバンドの駆け上がり方はすさまじいと思うんですが。

KISHOW まずスタッフが本気になってくれたことが大きいですね。初めは声優とギタリストをくっつけて、B'zみたいに売り出しましょう、みたいな感じだったと思うんですよ(笑)。それ一発で終わる可能性もあったと思うけど、でもそうはならなかった。僕はデビュー当時のインタビューで「絶対デカいところでやりたい!」と言うぐらい、イケイケだったんですよ。やる気満々だったし、それを周りが面白がってくれて。

e-ZUKA 僕は、GRANRODEOが続けていられることもそうだけど、子供の頃に憧れていたギターヒーローになれてることがうれしくて。やり続けていたら、できるんだなって。自分が子供の頃にこういうギタリストになりたいという夢があって、思春期の頃はジャパメタが盛り上がってたし、洋楽にも日本にもギターヒーローがたくさんいた時代で、そういう音楽を聴いて育ったけど、どこかで諦めていた部分もありましたからね。

──なるほど。

e-ZUKA だからデビューしてから、この5年はあっという間でしたね。その間に2人とも進化してきたし、制作においても相乗効果というか、ケミストリーは感じますね。僕、ハードロックやヘヴィメタルは好きだけど、歌を好きになったことはほとんどなくて。歌は歌謡曲やメロウなAOR、ブルースのほうが好きなんです。でも、KISHOWが歌うと僕とは音楽的にも違うテイストが出てくるのが面白くて。これだけギターソロをガンガン弾いて、楽曲もがちがちのヘヴィメタルだったら、世に出れなかったと思います。そういう意味でも、いいケミストリーが起きてるんじゃないかな。

ニューシングル「愛のWarrior」 / 2011年11月23日発売 Lantis/GloryHeaven

  • 初回限定盤 [CD+DVD] / 1800円(税込) / LASM-34120~1 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤 [CD] / 1200円(税込) / LASM-4120 / Amazon.co.jpへ
収録曲
  1. 愛のWarrior
  2. Beat it, Love!
  3. HAPPY LIFE
  4. 愛のWarrior(instrumental)
  5. Beat it, Love!(instrumental)
  6. HAPPY LIFE(instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
  • 「愛のWarrior」MUSIC CLIP

アーティスト写真

GRANRODEO TOUR 2012 HAPPY RODEO LIFE
  • 2012年1月7日(土)
    宮城県 Zepp Sendai
    OPEN 17:00 / START 18:00
  • 2012年1月9日(月)
    愛知県 Zepp Nagoya
    OPEN 17:00 / START 18:00
  • 2012年1月21日(土)
    福岡県 Zepp Fukuoka
    OPEN 17:00 / START 18:00
  • 2012年1月22日(日)
    大阪府 Zepp Osaka
    OPEN 17:00 / START 18:00
  • 2012年2月4日(土)
    東京都 Zepp Tokyo
    OPEN 17:00 / START 18:00
  • 2012年2月5日(日)
    東京都 Zepp Tokyo
    OPEN 15:00 / START 16:00
  • 2012年2月12日(日)
    北海道 Zepp Sapporo
    OPEN 16:00 / START 17:00
GRANRODEO(ぐらんろでお)

KISHOW(谷山紀章)とe-ZUKA(飯塚昌明)によるユニット。2005年結成。声優としても活躍するKISHOWの表現力豊かなハイトーンボーカルと、e-ZUKAによるメロディアスな楽曲で人気を博す。2005年11月、1stシングル「Go For It!」でデビュー。コンスタントにリリースを重ね、これまでに15枚のシングルと4枚のアルバムを発表している。2010年5月に東京・日本武道館で結成5周年を記念したライブを行い、2011年10月には2度目の武道館ライブも果たす。2012年1月より全国6会場のZeppを回るツアー「GRANRODEO LIVE TOUR 2012」を開催。