ナタリー PowerPush - グッドモーニングアメリカ

2013年振り返るイチ、ニッ、サンで2014年へジャンプ

プロデューサー・寺岡呼人との出会い

左から渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、金廣真悟(Vo, G)、ペギ(Dr, Cho)。

──「イチ、ニッ、サンでジャンプ」は、寺岡呼人さんをプロデューサーに迎えていますね。呼人さんという人選はどういう流れで決まったんですか?

金廣 プロデューサーを付けようかという話が6月頭にあって、それならベースラインをカッコよくしてもらえる人がいいなと思ってたんです。そこがきっかけで、ベーシストならこの人にアポイント取れるよというリストを出してもらって、その中に呼人さんの名前があったんです。その頃、ちょうどテレビでJUN SKY WALKER(S)を何回か見かけていて。歌ってるところとか、まっすぐな感じがけっこう僕らの音楽とリンクするなって。

──言われてみれば。バンドの熱量とか近いものがあるかも。

金廣 そしたら、事務所の社長やレーベルの人からもまったく同じ理由で「呼人さんがいいんじゃない?」って言われて。この人たちが言うなら間違いないなと。

──実際、学ぶべきこともいっぱいあったんじゃないですか?

キャプション

金廣 そうですね。「イチ、ニッ、サンでジャンプ」はもともと1月に出すっていうリリースプランがあったので、1年のスタートだし単純にポジティブなものにしたいなと思っていて。曲を聴いた受験生ががんばろうって思えるとか。それもあって歌詞に「参考書」とか入れてみたんですけど。1サビができたタイミングで呼人さんとのミーティングに持っていったら「そのアイデアはいいね。でも受験だけじゃなくて、そのあとの壁も見せたいよね」ってアドバイスをもらって。そこから歌詞の設定を細かく作ってみようという話をしたり。僕が曲先行だとしたら呼人さんは歌詞先行で作る人なので、そういう面ではまったく真逆なので一緒にやる作業が面白かったですね。

──歌詞に関して言えば、さっき話してくれた「バンドをもっと広いところへ」という意識ともリンクしていると思いました。

金廣 そういう話も呼人さんとしたんです。「武道館までだったら今のままでも行けると思うけど、日本でどこの立ち位置まで行きたいの?」とか。「アリーナツアーもやりたいし、その先の世界にも行ってみたいです」って言ったら「じゃあ、そういう転換はいつやるの?」って。

──そこまで突っ込んだ話をしてくれたんだ。

金廣 はい。「その転換をやるタイミングって、すごく大事だよね」って。僕はこのシングルをそのきっかけにしたいなと思っていて。バッといきなり何かを変えるタイプのバンドではないと思うし、徐々に1つずつ、自分たちで土台を作っていってっていうのがスタンスとして合ってるから。

カップリングは今のバンドシーンやお客さんが求めてる音

──一方、2曲目「アブラカタブラ」は「未来へのスパイラル」の続編的な曲になってますね。

ペギ(Dr, Cho)

金廣 そうですね。「未来へのスパイラル」と「キャッチアンドリリース」の進化系な感じです。もっとBPMが速くて、リフがカッコよくて、みんなで歌える歌詞というのを意識して。この曲に関してはフェスやライブで盛り上がる、そこしか考えなかったです。その歌詞がシニカルであればあるほど面白いかなって。

──サウンドも歌詞の方向性も「イチ、ニッ、サンでジャンプ」と明確なコントラストを付けてますよね。でも、言葉遊びの転がし方としては通じるものがあって。

金廣 そう、そこは「イチ、ニッ、サンでジャンプ」の制作で呼人さんから学んだことをそのまま生かした感じですね。

渡邊 「アブラカタブラ」はすごくライブが想像しやすい曲になったなって。金廣もそこを狙って作ったと思うんですけど、本当にドンピシャな感じだと思います。

ペギ リフがすごくカッコいいので。それに負けない、自分もアガれるようなドラムを付けようと思いました。

たなしん 「イチ、ニッ、サンでジャンプ」が新しい挑戦なら、「アブラカタブラ」は今のバンドシーンやお客さんが求めてる音になったと思いますね。

たなしん(B, Cho)

──3曲目「春が迎えに来るまで」は金廣くんの歌心や叙情性がモロに出ている曲で。

金廣 そうですね。こういう曲はほっといたら自分の中から出てくるんですよ。この曲自体はペギが入る前のデモ集に入ってたものなんです。歌詞とドラム以外はほぼ同じかな。

──デモの段階から手応えのあった曲なんだ。

金廣 デモで出したときは「俺ら最強だ!」って思ってました(笑)。

渡邊 この曲は今だから出せるというのもあると思うんです。メジャー1stシングルで、リード曲で「イチ、ニッ、サンでジャンプ」という新しい挑戦をして、「アブラカタブラ」では王道の四つ打ちをやってという流れの中だからこそ出せるというか。

──2014年の自分たちの姿勢を示す意味でも重要なシングルだと思うし、ここからまたさらに攻めていくグドモに期待してます。

金廣 ありがとうございます。攻めていきます。

ニューシングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」/ 2014年1月8日発売 / 日本コロムビア
初回限定盤 [CD+DVD] 1575円 / COZA-824~5
通常盤 [CD] 1260円 / COCA-16821
CD収録曲
  1. イチ、ニッ、サンでジャンプ
  2. アブラカタブラ
  3. 春が迎えに来るまで
初回限定盤DVD収録内容
  1. 突破していこう
  2. ファイティングポーズ
  3. 未来へのスパイラル
  4. 餞の詩(スペシャルアコースティックLIVE収録)
DVD「『未来へのスパイラルツアー2013』ファイナル@渋谷O-EAST 2013.10.05」/ 2014年1月8日発売 / 4200円 / 日本コロムビア / COBA-6513~4
DISC 1
  1. 突破していこう
  2. キャッチアンドリリース
  3. タイムスリップしたみたいに
  4. だけど不安です
  5. バンバンガンガン
  6. 光となって
  7. 風で高く舞い上がれる程
  8. マリオネット演者ノ詩
  9. ファイティングポーズ
  10. 心臓抉って
  11. ロールプレイングゲーム
  12. ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
  13. 言葉にならない
  14. ミサイルをぶちかましてぇな
  15. 輝く方へ
  16. 餞の詩
  17. 下らない毎日が
  18. 未来へのスパイラル

<アンコール>

  1. たった6文字じゃ
  2. そして今宵は語り合おう
  3. あなたに逢えて
  4. 空ばかり見ていた
DISC 2

*過去に発表した全てのPVを収録

  1. 空ばかり見ていた
  2. ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
  3. 輝く方へ
  4. ミサイルをぶちかましてぇな
  5. だけど不安です
  6. いつもの帰り道
  7. 餞の詩
  8. キャッチアンドリリース
  9. ファイティングポーズ
  10. 未来へのスパイラル
  11. イチ、ニッ、サンでジャンプ
グッドモーニングアメリカ

グッドモーニングアメリカ

金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)からなる4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催やリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収め、2013年5月に1stフルアルバム「未来へのスパイラル」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2014年1月にはシングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」とライブDVD「『未来へのスパイラルツアー2013』ファイナル@渋谷O-EAST 2013.10.05」を同時発売した。