ナタリー PowerPush - グッドモーニングアメリカ
2013年振り返るイチ、ニッ、サンで2014年へジャンプ
2014年1発目、そしてメジャー1stシングルとなる「イチ、ニッ、サンでジャンプ」を本日1月8日にリリースしたグッドモーニングアメリカ。昨年5月にリリースした1stアルバム「未来へのスパイラル」を経て明確になったバンドの本質と課題が、高い求心力を誇る3曲でしっかり形象化されている。今回はシングルに関するインタビューに加え、スペシャル企画として激動の1年となった2013年のトピックベスト3もメンバー全員に発表してもらった。
取材 / 三宅正一 文 / 小島双葉 撮影 / 宮腰まみこ
四つ打ちへの危機感
──メジャー1stシングルにふさわしい強力な3曲がそろっていますけど、どういう狙いを定めて制作に入ったんですか?
金廣真悟(Vo, G) 「イチ、ニッ、サンでジャンプ」に関しては、アルバムリリースツアーの前くらいから練りはじめてたんですけど。そのときに今までやってきたライブメインのフィールドっていうのは、もしかしたらすごく狭いんじゃないかなって思いはじめて。
──いわゆるライブハウスシーンという場所が?
金廣 そうですね。そこで盛り上がる曲って、今はほぼ四つ打ちだったりして。そこにちょっとした危機感があったんです。
──その危機感って具体的にどんな局面で感じたんですか?
金廣 夏フェスですね。出演者の移り変わりが激しい世界だなと改めて感じて、だからこそどんどん新しいものを打ち出していく必要性はあるなって。
──そこに留まっていると井の中の蛙になりかねないし、意識的にそこから飛び出していきたいと。
金廣 そうです。グドモとしてやれる音楽自体をもっともっと広げるための一歩を踏み出したいなっていうのはありましたね。
──ただ、広げるための一歩という意味では、昨年5月にリリースした「未来へのスパイラル」というアルバムもそういう意識を持って作られたところが大いにあったと思うんですけど。
金廣 そういうつもりで作ったんですけど、想像していたよりも広がらないなと思ったのが正直なところで。結局、グドモを知らない人が初めて曲に触れるのって、PVだったりラジオだったりするので。そうすると、基本的に四つ打ちの曲で僕たちを知ることが多くなるんですよね。だから「グドモと言えば四つ打ち」っていう代名詞を外して、もっといろんなことができるバンドにしたいっていう意味で、違うリズムのものをシングルのリード曲にしたいなと思ったんです。
イエモンのシェイクリズムを参考に
──「イチ、ニッ、サンでジャンプ」は“脱四つ打ち”という観点から始まった。
金廣 そうです。で、コロムビアのロックバンドといえばTHE YELLOW MONKEYで、イエモンといえばシェイクリズムというイメージがあったので。じゃあそれをやってみようというところからスタートして。これまでこういうリズムは使ったことなかったので、1つの挑戦としてやってみようと。
──ペギくんはドラマーとしてどんなことを思いましたか?
ペギ(Dr, Cho) 新しいことをやっていきたいという思いは常に持っているんですけど、個人的にシェイクリズムってダサいと思ってたんですよ。以前にも金廣さんからシェイクの曲をデモでもらったことがあるんですけど、自分がカッコよく叩けるイメージが湧かなくて。それでいつもリズムを変えてたんです。でも今回このリズムでやるってなったときに、これでカッコよく叩けたら勝ちだなと。実際にやってみたらいい感じで叩けたので、自分にとっても新しい挑戦ができましたね。
──たなしんはどうですか?
たなしん(B, Cho) 僕はお客さんの反応とかも見て、まだ四つ打ちを推していきたいと思ってたんですよね。その上で少しずつ幅を広げていったほうがいいんじゃないかって。でも、今話してたようなことを金ちゃん(金廣)から聞いて「なるほど、確かにそれも必要だな」と納得できて。だから、そこは金ちゃんに広げてもらったっていう感じですね。
──幸一くんは?
渡邊幸一(G, Cho) 俺はやっぱり、フェスのステージとか、一見のお客さんを前にした短いセットリストの中でいかに展開させていくかは大事だと思っていて。もちろん勢いでいくのもいいと思いますけど、いろんな幅を見せられるのが一番いいから。今回、金廣からシェイクっていう提案があって、バンドとしても新しいものができて、それがリード曲になってよかったと思います。
- ニューシングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」/ 2014年1月8日発売 / 日本コロムビア
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1575円 / COZA-824~5
- 通常盤 [CD] 1260円 / COCA-16821
CD収録曲
- イチ、ニッ、サンでジャンプ
- アブラカタブラ
- 春が迎えに来るまで
初回限定盤DVD収録内容
- 突破していこう
- ファイティングポーズ
- 未来へのスパイラル
- 餞の詩(スペシャルアコースティックLIVE収録)
DISC 1
- 突破していこう
- キャッチアンドリリース
- タイムスリップしたみたいに
- だけど不安です
- バンバンガンガン
- 光となって
- 風で高く舞い上がれる程
- マリオネット演者ノ詩
- ファイティングポーズ
- 心臓抉って
- ロールプレイングゲーム
- ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
- 言葉にならない
- ミサイルをぶちかましてぇな
- 輝く方へ
- 餞の詩
- 下らない毎日が
- 未来へのスパイラル
<アンコール>
- たった6文字じゃ
- そして今宵は語り合おう
- あなたに逢えて
- 空ばかり見ていた
DISC 2
*過去に発表した全てのPVを収録
- 空ばかり見ていた
- ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
- 輝く方へ
- ミサイルをぶちかましてぇな
- だけど不安です
- いつもの帰り道
- 餞の詩
- キャッチアンドリリース
- ファイティングポーズ
- 未来へのスパイラル
- イチ、ニッ、サンでジャンプ
グッドモーニングアメリカ
金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)からなる4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催やリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収め、2013年5月に1stフルアルバム「未来へのスパイラル」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2014年1月にはシングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」とライブDVD「『未来へのスパイラルツアー2013』ファイナル@渋谷O-EAST 2013.10.05」を同時発売した。