ナタリー PowerPush - Goodbye holiday

歌詞ですべてを伝えたい 新世代バンドのメッセージ「ソラリス」

待っててくれてる人がいることに感動した

──「ソラリス」が発売されてから約2カ月経ちましたが、周りからはどんな反応がありました?

大森皓(G)

大森 昔の友達からFacebookとかTwitterでメッセージが来ましたね。あと中学の担任の先生がCD買ってくれて、「元気にしてんだね」ってひさびさに連絡くれたりとか。そういうのがすごいうれしかったです。曲の感想はあんま言われないんですよね、ボーカルがイケメンとしか言われない(笑)。

──(笑)。でも確実に全国に届いてるんだなっていうのは実感できると。

大森 そうですね。

──ライブに来るお客さんの反応は変わりました?

児玉 初めてのツアーで名古屋に行くことになったとき、すごい不安だったんですけど行ってみたらCDを聴いてきてくれたお客さんが何人もいて。ぜんぜん行ったこともないところで、こうやって待っててくれてる人がいるんだってすごい感動した覚えはありますね。それが一番俺は大きいかな。

大森 ライブに来てくれるお客さんが増えたっていうのはほんとに実感してます。まったく知らない人がいっぱい来てくれるようになった。

児玉 あと一緒に歌ってくれるようになりましたね。ステージから見てると一緒に口ずさんでるお客さんが見えてすごいうれしいです。

──しかも「等価な世界」がテレビ東京の番組(「オードリーの神アプリ@新世紀-UP DATE-」)のエンディングテーマに採用されて、今ぐんぐん知名度が上がってきてますよね。

児玉 タイアップもそうですけど、今回「ソラリス」をリリースするのにほんとにいろんな人の力を借りてやってるんだなってすごく実感したんです。そのぶん楽曲ももっともっとクオリティの高いもの作んなきゃいけねえな、がんばんなきゃなっていう思いは最近すごく強くなってきてます。

児玉の作る曲がバンドの軸

──作詞作曲はほとんど児玉さんが担当していますが、 ほかの3人はもっと自分の思いを表現したいというフラストレーションはないですか?

山崎 微塵もないですね。児玉くんが書いてきた曲をやるっていうのが一番しっくりくるし、今はそれが楽しい。

福山 もともと児玉の作る曲が軸にあって、これが好きだからこのバンドでやりたいって集まってるはずだから。むしろ「どんどん作っちゃってよ、児玉くん」て感じ。

大森 うん。すげえいい曲ができて、それを最初に聴けるのはメンバーの特権ですし。

──みんな児玉さんの楽曲が好きで、表現することに喜びを感じているんですね。

福山 そういうことです。

──それを受けて児玉さんはどうですか?

児玉一真(Vo, G)

児玉 うれしいですね。でもみんなにも曲を作ってほしいとは思ってて。誰かの作った曲を歌うのもすごい興味があるんで。なかなかね、実現されてないですけど(笑)。

福山 でも例えばココイチ(CoCo壱番屋)のカレー食ってさ、うまかったから俺も家で作ろうと思って作るじゃん。でそれをさ、みんなでお披露目会しようぜってなったら「いやいやココイチ行こうよ」ってなるじゃん。

児玉 よくわからない(笑)。

大森 僕は作曲したい気持ちはあるんですけど、けっこう恥ずかしがり屋なので……。

福山 要するにココイチでしょ? 自分で作ったカレー。

山崎 推してこなくていいっすよ(笑)。

大森 でもいつかは作りたいです。それはほんとに思ってます。

山崎 それぞれの作った曲を入れるのは次の次くらいでやりたいですね。

必要とされるバンドになりたい

──次回作の構想はすでにあるんですか?

山崎 「ソラリス」とは歌詞の感じがけっこう変わると思いますね。やっぱ大学のときと今じゃぜんぜん違って。最近の歌詞のほうが共感できるし、目頭が熱くなるようなものもあります。

──上京したことが大きなきっかけになったんですね。

児玉 だいぶ大きいですね。もう完全に環境が違うし、受ける刺激とかもぜんぜん違う。

山崎 あと「ソラリス」は前のメンバーがいるときに作った曲が多かったから。次はこの4人で最初から最後まで作るものになるんで、もしかしたらアレンジとかサウンドとかもガラリと変わるんじゃないかなとは個人的に思います。

──ではバンドとして、今後どうなっていきたいかという目標はありますか?

山崎 このまま知名度を上げていきたいし、お客さんもどんどん増やしていろんな人に聴いてもらいたい。なおかつ一生続けていきたいです。

児玉 もっともっとたくさんの人に聴いてもらって、必要とされるバンドになりたいですね。

──お茶の間に浸透していきたいという思いは?

児玉 それはありますね。じーちゃんばーちゃん生きてる間に紅白とか出れたら家族大喜びだし(笑)。

福山 お茶の間バンドになりたいよね。

山崎 お茶の間バンド、うーん(笑)。でも抵抗はないですね、メディアに出ることに関して。そのほうが曲を届けられるならいっぱい届けていきたいです。

Goodbye holiday
ミニアルバム「ソラリス」 / 2013年1月23日発売 / 1890円 / No Big Deal Records / NBDL-0003
「ソラリス」
収録曲
  1. ブリキ行進曲
  2. 等価な世界
  3. 半透明
  4. いつか終わること
  5. ダウト
  6. シンプループ
  7. deco
Goodbye holiday(ぐっばいほりでい)

児玉一真(Vo, G)、大森皓(G)、福山匠(B)、山崎晃平(Dr)からなるロックバンド。2008年に広島で結成。2011年より東京に拠点を移し現在のメンバーとなる。ポップで耳触りのいいメロディ、独特な視点を持った歌詞、存在感のある歌声で着実にファンを増やし、2013年1月23日に初の全国流通盤となるミニアルバム「ソラリス」をリリース。収録曲「deco」はテレビ東京系「オードリーの神アプリ@新世紀-UP DATE-」の4~6月度エンディングテーマに採用されている。