音楽ナタリー PowerPush - ぐるたみん

お茶の間に叩き付ける“最強の歌い手”の挑戦

「1時間で1曲」って言われたらすぐ書ける

──活動自体についてはどうですか? アルバムもすべてチャートインしているし、すごく順調だと思うんですが。

右肩上がりにしていきたい、という気持ちはありますけどね。もっともっと広がってほしいし、まだまだだなと思ってるので。一番高いところを目指すというよりも、自分の記録を塗り替えていきたいという感じなんだけど。

──人と比べるのではなくて?

そう、ほかの人と比べることはしないんですよ。それよりも自分の最高値を超えていきたんですよね、歌も曲も。だから、あまりプレッシャーにならないのかも……いや、プレッシャーはあるな(笑)。でも、変なストレスはないです。

──「絶対Proclamation!!」を聴くと、ぐるたみんさんのオリジナル曲をもっと聴きたくなります。作詞作曲も続けてますか?

うん、昔からずっと書いてるので。だから、作詞や作曲に対してドギマギする感じはないですね。「今から1時間で書いて」って言われても、できると思うし。ただ、その曲がいいか悪いかはわからないですけどね(笑)。

シングルを作って絆が深まった

──今回のシングルは3形態のリリース。初回限定盤Aには「センセーション・シグナル」のオリジナルバージョンが収録されています。

初回限定盤A付属のDVDに収録されている特典映像のワンシーン。

“アニメOP Ver.”とは歌詞も違うから、変化の過程がわかるかもしれないです。あと、初回限定盤Aにはビデオクリップと特典映像が入ったDVDが付いてるんですよ。特典映像はこのシングルのエンドロール的な意味で作っています。最後のシメの言葉とかもあって、たぶんファンの人たちはグッとくるんじゃないかなって。

──初回限定盤BにはギガPさん作曲の「+♂(プラス男子)」のカバーが収録されています。

シングルの収録曲を発表したとき、一番盛り上がったのが「+♂(プラス男子)」だったんですよ。「この曲が入るのか!?」ってすごく話題になったみたいです。こっちとしても「きっと楽しんでくれるだろうな」という感じで入れたんですけどね。原曲とは全然違っていて、しっかりメロディもあるし、かなり面白い感じになってると思います。

──原曲はラップがメインですからね。ファンのニーズに応えたいという気持ちもありますか?

うん、もちろんあります。「歌ってみた」のときは、ずっとそれをやっていたわけだし、ぐるたみんはそこから始まってますからね。自分の歌をアップして、コメントをもらって。そのうちに「シリーズ化してくれ」とか「この曲を歌ってくれ」っていう要望があって、それに応える形でどんどん歌って……。反響があるのはやっぱりうれしいですからね。そのうちに「もうリクエストに応えられない」と思って、自分から発信するようになるんですけど。

──そういう意味では原点かもしれないですね、「+♂(プラス男子)」は。

ぐるたみん「センセーション・シグナル」初回限定盤Bに付属するオリジナルラバーストラップのイラスト。

そうですね。あと、初回限定盤Bに付いてくるストラップもいいんですよ。俺もさっそく1個付けてるんですけど(スマホに付けたストラップを見せる)、かわいいでしょ? 

──ホントだ(笑)。そして通常盤にはDECO*27さんの楽曲「ストリーミングハート」が収録されてます。

人気がある曲だし、俺も普通に「カッコいい。歌いたい!」と思ったので。ロックテイストの曲だし、自分が歌うイメージもすぐに湧いたんですよね。通常盤にもステッカーが付いてるんですけど、スタッフもパソコンとかに貼ってくれていて。ファンの人たちは缶ペンケースに貼ったりするのかな? あ、今の子たち缶ペンって持ってるのかな……?

──どのバージョンもパッケージとしての魅力があって。このシングルに対する、ぐるたみんさんの思いの強さが伝わってきました。

ですよね(笑)。アルバムで結果を残したあとの1stシングルだから、ちょっと意味のあるものにしたかったし。たぶん(シングルへの)拒絶反応もあると思うんですよ。「アルバムまで待とう」っていう人もいるだろうし。だからこそ、このシングルの意図をちゃんと伝えたいんですよね。ニコ生でシングルについて説明したりもして。そうやって自分の思いの丈を伝えたら応援のメッセージもいっぱい届いたし、「作ってよかったな」と思ってます。また絆が深まったんじゃないかなって……今、いいこと言えたかな(笑)。

──めちゃくちゃいいコメントだったと思います! 最後に、先日発表されたライブハウスサーキットについて。ライブハウスを中心とした全国ツアーも初めてですよね。

そうですね。ワンマンライブってこれまでZeppでしかやったことがないから、もう少し規模の小さい会場で全国を回ってみたいと思って。今回のシングルの曲もライブを想定しているし、すごく楽しみですね。よく(地方のファンから)「ライブしに来てください」とか言われるんですけど、けっこうつらかったんですよ。もちろんやりたいんですけど、簡単にできるものでもないから……。だから今回のツアーは貴重な機会になると思います。

──以前のインタビューでは「もっと素の部分を出して、ファンとの距離を縮めていきたい」って言ってましたね。

最近はもう、ほとんど素でやってますけどね(笑)。ただ、トークは大変です。ライブのときは、MCで話す内容を箇条書きにして貼ってあるんですよ。それを見ながら「次はこれを話そう」って考えて……しゃべりで疲れちゃうんですよ(笑)。もちろん、ライブは楽しいですけどね。

1stシングル「センセーション・シグナル」2014年11月5日発売 / EXIT TUNES
初回限定盤A [CD+DVD] 1620円 / QWCE-00393
初回限定盤B [CD+グッズ] 1620円 / QWCE-00394
通常盤 [CD] 1080円 / QWCE-00395
CD収録曲
  1. センセーション・シグナル
    [作詞:ゆうゆ、ぐるたみん / 作曲:ゆうゆ]
  2. 勝算◎最前線
    [作詞・作曲:じーざす]
  3. 絶対Proclamation!!
    [作詞・作曲:ぐるたみん]
初回限定盤A
  1. センセーション・シグナル(オリジナルver.)
    [作詞・作曲:ゆうゆ]
初回限定盤B
  1. +♂(プラス男子)
    [作詞:れをる / 作曲:ギガP]
通常盤
  1. ストリーミングハート
    [作詞・作曲:DECO*27]
初回限定盤A DVD収録内容
  • 「センセーション・シグナル」MV
  • 「勝算◎最前線」MV
  • 特典映像
ぐるたみん

ハイトーンボイスと突き抜けるようなシャウトで「覚声類」と称される歌い手の代表格の1人。2009年に活動を開始して以来、動画サイトに投稿した楽曲はすべて殿堂入りを果たしている。2010年8月には「【うるおぼえで歌ってみた】only my railgun」が投稿からわずか1カ月半で100万再生を突破し、2014年10月現在710万再生を記録。これは70万件を超える「歌ってみたカテゴリー」全投稿動画の中で再生数歴代2位となっている。2011年末にリリースした1stアルバム「EXIT TUNES PRESENTS ぐ ~そんなふいんきで歌ってみた~」は、ロングセールスの結果、発売日から2年3カ月を経て日本レコード協会によりゴールドディスクに認定。歌い手の作品がゴールドディスクに認定されるのは史上初の快挙となった。2014年10月には1stシングル「センセーション・シグナル」をリリース。また2015年には全国を回るソロライブツアー「LIVE-G TOUR 2015 LIVE HOUSE CIRCUIT」を開催する。