音楽ナタリー PowerPush - HISASHI(GLAY)×澤村小夜子(ねごと)
世代を超えたコラボが切り開く新境地
GLAY=文化祭バンド
──今、GLAYはデビュー20周年の真っ最中でいろんな企画を展開していますね。
HISASHI アニバーサリーイヤーってファンの方とより強くつながれるし、僕らはけっこう大切にしてるんです。あと10年、20年と1つのバンドを続けてるといいことあるんだなあっていうのを実感しますね。氷室京介さんをはじめ、自分たちが尊敬していたミュージシャンと一緒のステージに立てたり、EXILEとコラボレーションできたり。真面目に音楽をやっているといろんな人が見ててくれて、新しい出会いがあって、バンドの可能性も広がっていく。僕らの世代で言えば、対極の音楽性のAerosmithとRun-DMCがコラボした「Walk This Way」が出たときとか興奮したし。そういった自分が体験してきた刺激的なコラボレーションを、若い世代にもっと見せていきたいと思うんだよね。若いアーティストともどんどん共演したいし。
澤村 うれしいですね。おこがましいですけど今回のコラボを通して、若い人たちが「GLAYと共演ってできるものなんだ」って希望が湧くんじゃないかと思います。
HISASHI よく「どうやったらGLAYと一緒に仕事できますか?」って聞かれるんだけど、それぞれがプロフェッショナルな現場で働き続けていればいつか一緒に仕事ができるような気がするんだよね。
澤村 なるほど。ちなみにバンドを長く続ける秘訣ってなんですか?
HISASHI GLAYの場合はメンバーの仲のよさも1つの秘訣かな。いまだに一緒によく飲みに行くし。僕らメイク中とか移動中もすぐミーティングみたいになるんだよね。「次のツアータイトルはこうしたいんだけど」「じゃあこういう曲やろうか」とか。雑談からライブの演出が決まることも多くて。GLAYって文化祭バンドみたいなんだよ。文化祭の前日にライブの準備をしてる感覚というか。それが続いてる感じ。東京ドームでライブをやって、それ以上大きな会場が見つからなかったときも「じゃあ自分らで作ろう!」って幕張で20万人を集めるライブをしたり。ただ人がやらないことはやらないだけの理由はあるわけで、まあいろいろ大変でした(笑)。でも僕らの場合は、みんなが喜んでくれる面白い場を作ろうってのが根底にあるから。だから、20万人ライブのときも面白がってたんだよ。
澤村 そうなんですね。
HISASHI ただ自分たちがつまらなくなってしまったら考えなきゃいけないかもね。1999年の年末は燃え尽きちゃって、解散するかっていう話もあったんです。1990年代後半ってCDがすごく売れたけど、音楽が簡易的な流行でもあったから。そういう状況が不自然に感じたし。でも解散したらつまらなくなった状況もバンドのことも面白くすることもできないし、だったらGLAYで面白いことをみんなで楽しもうって吹っ切れて。それがいまや“解散しないバンド”ですからね。
澤村 それとGLAYさんは、本当に幅広い世代に愛されてますよね。
HISASHI 3世代でライブに来る人もいますからね。生まれたときからGLAYを聴いてた子が、「1人でライブに来れるようになりました!」って報告してくれて。そういうときにデビュー20年の重みを感じます。
澤村 ねごとの場合はどうなるんだろう……人生いろいろだから。いつだったか、みんなで子供産んで子供たちにバンド組ませようって話したこともあります。
HISASHI いいねえ!
澤村 ただデビューから約5年が経って、今ちょうど4人で音楽を作る面白さを実感してて。だから、その夢はまだまだ実現できそうにないですけど(笑)。
HISASHI ペースをつかむまで時間はかかるよね。
澤村 自分たちが作りたい音楽じゃなくて、流行のサウンドとか、フェスやライブで盛り上がれるかどうかとかばっかり考えてた時期もありましたから。
HISASHI 特にこの5年は変化が激しいもんね。でも、ねごとはもちろん、最近はホントにいいバンドが多い。ライブ観てても若いバンドの才能には危機感を感じますね。それは勢いがあってとてもいいことだと思います。
澤村 そうなんですね。
HISASHI ただ、デビュー1年で武道館ライブとかスピードが求められることがあるけど、そこは慎重になっていいと思う。長くやらないと見えてこないことってあるから。ときには自分たちの思いとは反するようなことを求められることもあるけど、そんなときはメンバーを信じてバンド続けていけばいいことがあると思う。
HISASHIの好きな女性のタイプは……
──せっかくの機会なので、お互いに質問があればぜひ。
HISASHI 小夜子ちゃんはツアー中のオフの日は何してるの?
澤村 オフの日は1人で遊びに行きますね。電車で遠出もしちゃいます。最近行ったところだと倉敷は素敵でした。
HISASHI いいねえ。俺も昔はレンタカーでいろんなところいったけど……最近は行かないなあ。
澤村 そうなんですね。HISASHIさんはオフの日は何をされているんですか?
HISASHI 冬から春にかけては、メンバーや仲間とスノボに行ったりしますね。
澤村 そういえば、スノボに行くと夜はホテルでYouTubeを観てるっていう話を聞いたんですけど……。
HISASHI え!? 誰情報それ!
澤村 永井(利光 / GLAYのサポートドラマー)さんです(笑)。「今、みんなでねごと観てるよ」って報告メールを送ってきてくれるんです。
HISASHI そうそう! よく“YouTube対決”をするんですよ。いいバンドやお気に入りの動画を紹介しあったり。YouTube観ながらみんなでワイワイ飲むのが今一番好きですね。
澤村 いいなあ。男子高校生みたい(笑)。私からの質問は……HISASHIさんの好きな女性のタイプを聞いていいですか? きっとみんな聞きたくても聞けないと思うんで。
HISASHI えー! 答えたらナタリーに載るんでしょ?
澤村 はい(笑)。
HISASHI 小夜子ちゃんに真っ正面から聞かれたら、2次元に逃げられないじゃないか。今気になってるのは……山本美月さん。「アオイホノオ」を観て、“森永とんこ“を完璧に演じきった彼女は素晴らしいです。
澤村 そうなんですね。GLAYの皆さんって、女性のタイプとかあまりインタビューでお話にならないですよね。
HISASHI そうかもね。NGってわけでもないんだけど「好きな食べ物」や「好きな女性のタイプ」とかデビュー当時以降あまり聞かれなくなったな—(笑)。逆にインタビュアーさんが気を遣ってくださるのでこういった質問は新鮮ですね。
- GLAY ニューシングル「HEROES / 微熱Ⓐgirlサマー / つづれ織り~so far and yet so close~」 / 2015年5月25日発売 / loversoul music & associates
- CD+DVD 1944円 / PCCN-00019
- CD+DVD 1944円 / PCCN-00019
- CD 1296円 / PCCN-00020
収録曲
- HEROES
- 微熱Ⓐgirlサマー
- つづれ織り~so far and yet so close~〈Live from Miracle Music Hunt 2014-2015〉
- Album「MUSIC LIFE」reprise
CD+DVD盤 DVD収録内容
- HEROES(Music Video)
- HEROES(メイキング)
- つづれ織り~so far and yet so close~(Music Video)
- つづれ織り~so far and yet so close~(メイキング)
- つづれ織り~so far and yet so close~(Live from Miracle Music Hunt 2014-2015)
- さくらびと(Live from Miracle Music Hunt 2014-2015)
- ねごと ニューシングル「DESTINY」2015年6月3日発売 / Ki/oon Music
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1728円 / KSCL-2579~80
- 通常盤 [CD] 1296円 / KSCL-2581
- 期間限定生産盤 [CD] 1404円 / KSCL-2582
GLAY(グレイ)
函館出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催し大成功を収める。2000年に入ってからも数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」を設立。メジャーデビュー20周年となる2014年は、デビュー日にあたる5月25日にインディーズ時代のアルバム「灰とダイヤモンド」の特別仕様「灰とダイヤモンド Anthology」を発表。同年9月に宮城・ひとめぼれスタジアム宮城にて単独ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」を行った。2015年5月にトリプルA面シングル「HEROES / 微熱(A)girlサマー / つづれ織り~so far and yet so close~」をリリースし、同月に10年ぶりとなる東京ドーム公演を2日間にわたって開催する。
ねごと
全員平成生まれの蒼山幸子(Vo, Key)、沙田瑞紀(G)、藤咲佑(B)、澤村小夜子(Dr)からなる4人組ロックバンド。高校2年生だった2008年1月に結成し、春に開催された「閃光ライオット2008」に応募。8月に行われた決勝大会に進出し、審査員特別賞を受賞する。2010年9月に1stミニアルバム「Hello! "Z"」でメジャーデビューし、2011年3月発表の1stシングル「カロン」がau「LISMO!」のCMソングとしてオンエアされ、幅広い層から注目を集めた。同年7月、初のフルアルバム「ex Negoto」をリリースする。「SUMMER SONIC」「ROCK IN JAPAN FES.」「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」など、多数のフェスに出演する傍ら、「GirlsAward」「HARAJUKU KAWAii!! FES.」といったカルチャー系イベントにも出演し多角的に活躍。2015年3月には3rdアルバム「VISION」を、6月にニューシングル「DESTINY」を発表。