初日はプロローグ場面の詳解に専念

稽古は都内某所のリハーサルスタジオで実施。始めに台本に沿って、このシーンで伝えたい内容や動きについて説明されたのち、クリエイティブディレクターの津川昌平より舞台装置が解説される。曰く、天井のあちこちから布が吊るされるほか、布で氷山の爆発が表現されるとのこと。ダンサーがステージ上に置かれた布をドームのように膨らませ、その中にあるスロープよりキャストたちが登場するシーンから、物語はスタートする。

プロローグを場面ごとに細かく区切りながら、津川が出演者にどう動くべきか説明していく。河村を含むキャストは、真剣な表情でそれを確認。その後、プロローグに登場するダンサーのみで一度シーンを通しで再現した。

続いて、キャストも加わり、実際にプロローグの流れを追っていく時間に。演出の西田大輔から、ダンサーが布を膨らませる動きについて注文があり、演出の変更点をダンサーたちが把握していく。その後プロローグの冒頭、河村演じるヤン・ウェンリーを中心にセリフを合わせる。旗艦が被弾し総司令官が負傷したため、ヤンに総指揮権が委譲されるという下りだ。再びシーンを区切りながら、河村は西田と動きを細かく確認する。「舞台装置をイメージしながら稽古するのはなかなか難しいね」と笑顔を見せつつ、内容を吟味していく河村。舞台を支える主役として、責任を感じている様子が見て取れた。

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2日目は第2幕の全容を把握

この日の稽古は、総司令官室の椅子に座るヤンのもとに、銀河帝国軍司令官ラインハルトから入電があるという場面から開始。河村はヤンとして、不敵な笑みを浮かべたり神妙な眼差しで戦況を分析したりと細やかな演技を詰めていく。続くダンスのシーンでは、舞台いっぱいに広がる女性ダンサーの優雅な振る舞いが、司令官であるヤンの心情を表現。ドラマチックな場面になることが稽古から見て取れた。

主役である河村は、現場の雰囲気作りにも気を配っており、休憩中にはダンサーやキャストと談笑する一幕も。稽古の途中でダンサーのひとりが誤ってレッスン場の照明を消してしまったときには「ロマンチックな場面だから雰囲気作ってくれたのかと思った」と微笑み、場内を笑わせた。

そのほかにも、ヒロインとの出会いの回想、戦死した兵士たちの慰霊祭、同居するユリアンと自宅で会話する場面などの稽古が行われた。メインキャストである西岡德馬、馬渕英俚可らと河村が絡むシーンでは、お互い真剣な表情で演技の呼吸を合わせ、この舞台を素晴らしいものにしようとする気合のほどが伺えた。

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