音楽ナタリー Power Push - がんばれ!Victory
アルバムで10代総括 飛躍の20代へ
れなとしのぶは暗い曲
──この投票企画は、シングルのソロ盤にそれぞれ入った楽曲を対象に人気投票を行っているわけですが、人気のあるメンバーのソロ盤に票が集まったりはしないものなんですか?
れな それが皆さんちゃんと曲を聴いて投票してくださってるみたいなんです。
しのぶ どのソロ盤もだいたい同じくらいの数が売れてるみたいで。
──ファンの方々は5枚全部買って、ちゃんと曲を聴いて投票してくれてるってことなんですね。これまで3枚のシングルで自作の曲を発表してきたわけですが、メンバー同士で曲作りの傾向とかが見えてきたんじゃないですか?
まゆこ しのぶは暗い曲を書きますね。
しのぶ そうなんです。「暗い」ってよく言われるんですよね。
まゆこ しのぶが作った「Dreamer」っていう曲は、夢を見ることを歌ってるんですけど、変に本人の真面目さが出てて、タイトルから想像するような明るい内容にはなってなくて。
あやき それと、れなはバラードが得意なイメージですね。
まゆこ 私とみなみはアップテンポな曲が多いですね。リフものだったり。あやきはどっちかと言うと……。
あやき 「歌謡曲だ」ってよく言われます。
まゆこ けっこうポップな曲を作るんですよ。あやきは。
──ボーカリストのあやきさんは、どうやって曲を作っているんですか?
あやき ギターを使うんですけど、5回に4回はギターとメロディが合わないんですよね。キーがズレているというか。
しのぶ ある意味すごいんですよ。キーをずらしてあげればバッチリ合うんですけど、デモの段階ではコードが合ってないのに問題なく歌ってるんです。
みなみ もらったコード進行で弾くと「これ違うんじゃない?」ってことがよくある(笑)。
──歌ってるときに、コードと歌のキーがズレてることは自覚してるんですよね?
あやき わかってるんですけど、どう直したらいいかわからないから「とりあえず、この状態で出してみよう」って(笑)。みんながなんとかしてくれるかなって思いながら……。
まゆこ あやき、私たち9年目だよ?
あやき 「勉強しなきゃ」とは思ってるんです! もうキャリアだけは長いバンドですから。
作り手たちがつながった「booing!」
──投票企画とは別に、アルバムには「booing!」という書き下ろし曲も収録されています。この曲は、まゆこさんとJin Tanaka(BACK DROP BOMB)さんの共作なんですよね。
まゆこ そうです。今までバンドでやってこなかった曲調に挑戦しようと思って作り始めたんですけど、根本的に「こういう曲にしたい」っていうイメージは、Jinさんと私であまりズレがなかったんです。ギターのリフとかはJinさんに考えてもらいながら、私の好きなサウンドがそのまま形になった曲ですね。それで、歌詞はあやきに書いてもらって。
あやき 曲を聴いて、あんまり明るく攻めていく感じの曲じゃないかなと思ったんです。アルバムのタイトルにも入ってる10代を意識して、いろんなものを選ばなきゃいけない葛藤とかを抱えながら前に進んでいく歌にしたくて。弱い自分に対して「booing!」という意味で書いています。
まゆこ あやきには私が思っている感じの歌詞を書いてもらえて。あやきともJinさんとも心がつながったことを実感した1曲でした。
──それとメンバー自作の書き下ろし曲はもう1曲収録されています。れなさんが作詞作曲をした「サヨナラ」は、がんばれ!Victoryのハードな路線とは違う温かみのあるバラードナンバーに仕上げられているのが印象的でした。
れな 今まで通りのアップテンポなものを書くんじゃなくて、アルバムの中で変化をつけたくてバラードを作ってみたんです。曲を作るときは悲しい曲を聴きまくって、そういう気持ちになってから書くようにして。
──歌詞ではカップルの別れが描かれていますね。
れな 長く付き合ってるカップルが別れるときって、こういう感じかなっていうのを、マンガとかドラマとかを見て妄想して書いています。でもやっぱり言われてみると、私が書く曲は暗いものが多いですね(笑)。
──ここまでメンバー自作の曲について話を聞いてきましたが「全力!スタート」や「ラリラリラ」など、メジャーデビュー以降のシングル表題曲はすべて提供曲なんですよね。皆さんの中で書いてもらった曲と自分たちで作った曲で、気持ちの違いはありますか?
みなみ 自分で作った曲って、アレンジが自由なんですよ。違う音を弾いても自分たちの曲だから「アレンジだ」って言える。だから自作曲のほうがやりやすいっていうのはあります。
──前回の特集(参照:がんばれ!Victory×吉田尚記対談)で、「みなみさんがメジャーデビュー曲『全力!スタート』のイントロのメロディを端折って弾いて怒られる」というエピソードが出てきました。「自分の曲だからサボれる」という意味ではないですよね?
みなみ 決してそういう意味じゃないです!
あやき 疑われてる(笑)。
──とはいえ提供曲を演奏していても、がんばれ!Victoryに“やらされ感”は感じないんですよね。
しのぶ そうですね。完全に自分たちの曲になっていると思います。
まゆこ やっぱり曲を発信するのは私たちだから、提供曲も自分たちで作った曲も同じで“我が子”って感覚なんです。だから私は全部一緒の気持ちで演奏してますね。
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- ニューアルバム「十代発表」/ 2016年3月16日発売 / ポニーキャニオン
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3780円 / PCCA-04358
- 通常盤 [CD] / 2700円 / PCCA-04359
CD収録曲
- WONDER JOURNEY
- 全力!スタート
- ボクラノミライ
- 夢のつづき
- 三三七拍子
- scarred
- booing!
- パレット
- サヨナラ
- DEAR
- 青春!ヒーロー
- ラリラリラ
- Go my way!!
- また明日
初回限定盤DVD収録内容
- がんばれ!Victoryの唐津案内
- 「KGSD」「ふらいはい!!!」のライブ映像
- がんばれ!Victory十代限定無料招待LIVE
- 2016年4月30日(土)
東京都 東京スクールオブミュージック専門学校東京ダンス&アクターズ専門学校総合校舎 - OPEN 17:30 / START 18:00
- ※人数限定、先着応募制
がんばれ!Victory(ガンバレビクトリー)
あやき(Vo)、れな(G)、しのぶ(B)、みなみ(G)、まゆこ(Dr)の5人が、小学5年生の頃に佐賀県唐津市で結成したロックバンド。2011年に行われたコンテスト「TEENS ROCK in HITACHINAKA」で優勝し、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011」WING TENTステージでオープニングアクトを務めた。バンドとアイドルの垣根を越えるという理由から“バンドル”というコンセプトを打ち立てて活動しており、2013年と2014年には「TOKYO IDOL FESTIVAL」にバンドとして2年連続出演している。2014年1月に初の全国流通盤「KGSD」を、11月にシングル「ふらいはい!!!」をリリース。「ふらいはい!!!」発表時には「予約枚数と初週の売り上げ枚数、2000枚以上でメジャーデビュー」というミッション課せられ、彼女たちはこの条件をクリア。2015年5月、シングル「全力!スタート / 夢のつづき」でポニーキャニオンからメジャーデビューを果たした。その後「ラリラリラ」「青春!ヒーロー」と立て続けにシングルを発表。2016年3月にフルアルバム「十代発表」をリリースした。