ナタリー PowerPush - GALNERYUS

セルフカバーアルバムを通じて明かす 孤高のメタルバンド10年の歩み

GALNERYUSで体験する“ジワジワ感”にワクワクする

──リレコーディングアルバムとリアレンジアルバムの2枚に対して、どういうリアクションがあるのか楽しみですね。

小野 実は今回の企画の布石として、去年リリースしたミニアルバム「絆」にリレコーディングバージョン(「終わりなき、この詩 (New Version)」)とリアレンジンバージョン(「ACROSS THE RAINBOW (New Version Of "WHISPER IN THE RED SKY")」を1曲ずつ入れていて。ライブで披露しても、特に抵抗なく楽しんでくれてる様子なんで安心してます。

Syu 逆に前のほうが好きだったらそれはそれでかまわないし、本当素直に楽しんでくれたらいいんです。でも僕らは、小野さんが入ってからの楽曲のクオリティは格段に上がったと自信を持って言えるし。

小野 ちょっと生意気なことを言うと、僕とTAKAさんが入って「前のGALNERYUSじゃないからいいや」っていう人はすでにライブに来てないと思うんですよ。僕が過去の曲をステージで歌ってること自体に抵抗がある人は、もう受け付けないだろうし。中には「小野がこの曲を歌うとこうなるのか。うーん」って気に入らない人もいるかもしれないですけど、だいたいはみんな喜んでくれるんじゃないかと僕は思ってるんですよね。

──それはセールスや動員の向上が物語ってると思いますよ。

小野 僕は最初にソロでデビューして、いきなりドラマ主題歌(1992年発売の「You're the Only…」)として大ヒットしたこともあって、すぐに大きいホールを回るツアーをやることができたんです。だからジワジワ盛り上がっていく感じを経験してなかったんですよ。逆のジワジワ(人気が落ちていく感じ)は味わってますけど(笑)。だからGALNERYUSに加入してから体験してる“ジワジワ感”にはすごくワクワクするんです。

──ある程度の年齢になってから、そうやって何かが徐々にステップアップしていく経験って、なかなかないと思いますし。

小野 ないですよ。46歳にもなると、人生初体験って少なくなってきますからね(笑)。だからGALNERYUSに加入したことでいろいろ経験することができて、本当に面白いんです。

香港、台湾公演をヨーロッパ進出への布石にしたい

──そんな10周年イヤーに、日本で初開催される「Ozzfest Japan 2013」に出演することも決定しています。オジー・オズボーンのいるBLACK SABBATHや、メンバーの死去を乗り越えて再始動したSLIPKNOTなど、メタルを中心にいろんなタイプのアーティストが揃う中、GALNERYUSは日本代表の1組として出演するわけですが、フェスに対する意気込みを聞かせてください。

GALNERYUS(2013年2月22日、東京・赤坂BLITZで行われた「Dedicate to all precious ones… The ironhearted flag」より)

Syu 自分たちをアピールするチャンス、それに尽きます。名刺代わりになるライブをしなきゃなって。しかも出演者がバラエティ豊かなので、どういう客層の方々が来るのかまだよくわかってないんですけど、メロディのよさには自信があるので、いいライブをしさえすれば絶対に届くものはあると信じてます。

──「Ozzfest Japan 2013」でライブを観てGALNERYUSに興味を持った人は、その10日後に発売されるこの「THE IRONHEARTED FLAG Vol. 1 : REGENERATION SIDE」を聴いてもらって。

Syu そうですね。うってつけの1枚だと思います。

小野 それが終わるとアルバムのツアーがあり。

──さらに7月には海外公演もありますしね。海外からのリアクションていうのはどんな感じなんですか?

小野 僕はFacebookをやってるんですけど、いろんな国の人からメッセージをもらいますよ。今回は香港や台湾でライブをするのもあって、台湾の人から興奮した様子のメッセージをもらいますし。あとは南米や東南アジアも多いですね。

──南米はメタルに対する土壌がちゃんとできてるし、数万人規模のフェスもあります。そういうところでライブをやってみたい気持ちもあるのでは?

Syu そうですね。僕らはワンマン慣れはしてるんだけど、まだフェス慣れはしてなくて。きっとフェスやイベントに出れば出るほど、インディーズ時代に感じていたような「もっとアピールしなきゃ!」っていう熱い気持ちが湧いてくると思うんですよね。なのでチャンスがあれば積極的にいきたいです。

──やっぱり「これだけすごいヘヴィメタルバンドが日本にもいるんだよ」ってことを、海外に向けてアピールしてほしいと思いますし。今回の台湾や香港でのライブもそうですし、それこそ南米やヨーロッパあたりでもライブをしたら面白いだろうなと個人的に思ってます。

Syu 今回の香港、台湾公演をヨーロッパ進出への布石にしたいですね。アジアに行って、次はヨーロッパに行きたいという目標もありますし。音楽的には自信がもちろんあるので、日本でももっともっとがんばって活動して、さらにレベルを上げつつ海外進出も視野に入れたいです。

ニューアルバム「THE IRONHEARTED FLAG Vol. 1 : REGENERATION SIDE」 [CD+DVD] 2013年5月22日発売 / 3500円 / VAP / VPCC-80660
ニューアルバム「THE IRONHEARTED FLAG Vol. 1 : REGENERATION SIDE」
CD収録曲
  1. BRAVING FLAG
  2. REBEL FLAG
  3. POINT OF NO RETURN
  4. FATE OF THE SADNESS
  5. MY LAST FAREWELL
  6. SHIVER
  7. QUIET WISH
  8. UNITED FLAG
  9. THE FLAG OF REINCARNATION
  10. SILENT REVELATION
DVD収録内容
  • “UNDER THE PROMISED FLAG”ツアーでのライブ映像
LIVE INFORMATION
Ozzfest Japan 2013

2013年5月11日(土)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール

PURE ROCK JAPAN LIVE 2013

2013年5月26日(日)
神奈川県 川崎CLUB CITTA'

MAJOR DEBUT 10th ANNIVERSARY Chapter II, SPIRIT OF THE IRONHEARTED FLAG
  • 2013年6月7日(金)
    愛知県 名古屋Electric Lady Land
  • 2013年6月16日(日)
    大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2013年6月23日(日)
    北海道 札幌cube garden
  • 2013年6月30日(日)
    東京都 新宿BLAZE
  • 2013年7月5日(金)
    香港 Music Zone
  • 2013年7月7日(日)
    台湾 Legacy 傳 音樂展演空間
GALNERYUS(がるねりうす)

Syu(G)を中心に結成されたヘヴィメタルバンド。現在のメンバーはSyu、小野“SHO”正利(Vo)、TAKA(B)、YUHKI(Key)、Jun-ichi(Dr)。2003年に1stアルバム「THE FLAG OF PUNISHMENT」でメジャーデビューを果たし、パワフルなヘヴィメタルサウンドと新人離れした演奏力で注目を集める。2009年に小野、TAKAが加入し現編成となり、翌2010年に6thアルバム「RESURRECTION」を発表。同アルバムの収録曲「A FAR-OFF DISTANCE」がテレビアニメ「RAINBOW -二舎六房の七人-」のエンディングテーマに起用され、幅広い層にアピールすることに成功する。メジャーデビュー10周年を迎えた2013年5月、初のセルフカバーアルバム「THE IRONHEARTED FLAG Vol. 1 : REGENERATION SIDE」をリリース。