「アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック」特集|ディズニー大好き伊藤かりん(ex. 乃木坂46)が語る「アナ雪2」楽曲の魅力

エネルギーが伝わってくる「イントゥ・ジ・アンノウン」

──いろいろな劇中歌について聞いてきましたが、やはりあの歌を忘れてはいけないですよね。メイン楽曲の「イントゥ・ジ・アンノウン」はいかがですか?

最近のディズニー映画の傾向として、映画のメインとなる曲があって、劇中で歌われるのと同時に、テイストを変えてエンドクレジットでも歌われているじゃないですか。今回は英語版も吹替版も両方がすごくいいなと思っていて。例えば松たか子さんの日本版「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」は、思い悩んでいる葛藤や、不思議な声と会話している感じがすごく伝わってくるんです。エルサは性格的に落ち着いたキャラクターに映るのに、自分の内側に抑えきれないものを抱えていて。だから猪突猛進じゃないけれど、やりたいことに向かって突っ走るエネルギーが伝わってくる曲でもあります。一方で中元みずきさんの日本版エンドソング「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」は力強く、しかも伸びやかに気持ちよさそうに歌われていて。あんなふうに歌えたら気持ちいいだろうなと、うらやましくなってしまいます。そして英語版エンドソングではロック調にアレンジされていて、しかもPanic! At The Discoの男性ボーカル、ブレンドン・ユーリーが歌っていますよね。性別も音楽の雰囲気も違うのに、歌から伝わる力強さは同じというところにまた惹かれます。ただ、この曲は前作の「レット・イット・ゴー」と比べて子供が歌うには難しいんじゃないかと心配していたのですが、幼稚園の先生をしている姉に聞いたら、そんなことは全然なくて。みんな「イントゥ・ジ・アンノウン」のサビを繰り返し歌っているそうなんですよ。

──とてもいい話ですね。ところで、もし「アナと雪の女王」のパート3が作られるとしたら、どういう展開を期待しますか?

私はクリストフの過去が知りたいです。前作の冒頭シーンでクリストフが氷を作っているときにはたくさん仲間がいる感じだったのに、なぜアナと出会ったときはスヴェンと2人だけだったんだろう、というのが疑問なんですよね。プロフィールもまったく紹介されないので、なぜ1人なのか、両親や家族はいないのかが気になっています。

海外旅行は基本ディズニー

──最後にいくつか伊藤さん自身のことを聞かせてください。ディズニー作品がお好きだと聞いていますが、とりわけ好きなキャラクターはいますか?

伊藤かりん

私はティアナというプリンセスが一番好きです。彼女が登場する作品「プリンセスと魔法のキス」のすべてが大好き。物語の舞台がアメリカのニューオリンズだから音楽もジャズ風で、そのノリにも惹かれるし。プリンセス像もほかの作品とはちょっと違うんです。ティアナはいかにもプリンセスという感じではなく、バイトをしてお金を貯めて……というところから始まるので、親近感が持てます。いつかニューオリンズに行ってみたいんですよ。

──実際に作品の舞台になった場所を訪れたりもしているんですか?

しています! 私の海外旅行の行き先は基本的にディズニーのパークか、映画の聖地なんです(笑)。「ファインディング・ニモ」の舞台の1つとも言われているオーストラリアのグレート・バリア・リーフを訪れたときは、ダイビングをしてニモのモデルになっているカクレクマノミに会えました。カクレクマノミって実際に見ると、めちゃくちゃ小さいんですよ。それでも制作者はこの世界を見て作品にしているんだなって、感慨深かったです。それをきっかけにダイビングにハマって、今は早くライセンスを取りたくて仕方がないです。

──ほかに行ったところはありますか?

先日、「魔法にかけられて」のロケ地を訪ねて、ニューヨークに行きました。セントラルパークを観光しながら、制作者はこの風景を見ていたんだなあと。ほかにブロードウェイで「アラジン」と「ライオン・キング」のミュージカルも観てきました。英語なのでどこまでわかるか不安だったのですが、知っている物語だし、すごくわかりやすく描かれているので、言葉の壁は感じませんでした。動物が続々集まってくる「ライオン・キング」のオープニングでは感動して泣いてしまいました。ミュージカルにはハートにダイレクトにくる何かがあるなと、改めて思いましたね。そのときはロサンゼルスとフロリダにも行って、それぞれのパークも楽しんできました。

新しい世界に踏み出してよかった

──もう1つ質問です。「アナと雪の女王2」では未知の世界へ踏み出す勇気がテーマとして描かれていますよね。伊藤さん自身が乃木坂46から一歩踏み出したときの気持ち、さらに踏み出してみて現在どんなふうに思われているか教えていただけますか。

これはメンバーみんなが口をそろえて言うことなんですが、乃木坂46はとても仲がよくて、居心地がいいグループなので、自分からそこを出たいとは思えないんです。でもグループのためには、いつかは出ていかなくてはいけない。その勇気を持つことがなかなか難しくて。私の場合は辞める時期を決めて、それを周りの大人たちに前もって伝えたんです。乃木坂で過ごした日々は、本当に楽しかったいい思い出です。確かに踏み出すまでは勇気が要りましたけど、いざ踏み出してみると、どこの世界でも案外楽しめるんだなと。今は新しい世界に踏み出してよかったなと感じています。

──今後挑戦してみたいことはありますか?

あります! ディズニー作品ではよくメインキャラクターを演じる声優さん以外に、さまざまな芸能人の方がサブキャラクターでひと言のセリフのために出演されることがあるんです。もし願いが叶うなら、いつか私も挑戦してみたいな……と思っています。

──ひと言でいいんですか?

いいんです! もし自分の声が映画から聞こえて、名前がエンドクレジットに載ったら、もうその作品のグッズをすべて買い占めちゃおうって思っています(笑)。

伊藤かりん

※記事初出時、本文中に誤字がありました。訂正してお詫びいたします。


2020年2月3日更新