「アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック」特集|ディズニー大好き伊藤かりん(ex. 乃木坂46)が語る「アナ雪2」楽曲の魅力

ディズニー映画「アナと雪の女王」の続編を描いた「アナと雪の女王2」。前作のメイン楽曲「レット・イット・ゴー~ありのままで~」が大ヒットし、物語はもちろん、続編の劇中音楽にも公開前から多くの期待が集まった。

音楽ナタリーでは2019年11月にリリースされた「アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック」について、熱心なディズニーファンで知られる元・乃木坂46メンバーの伊藤かりんにインタビュー。登場人物の性格や立ち位置などに注目してセリフや歌を聴いているという彼女に、映画の感想と併せて「アナ雪2」の楽曲の魅力についてたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 服部のり子 撮影 / 星野耕作

「アナと雪の女王2」

アレンデール王国の王女として生まれた姉のエルサと妹のアナ。すべてを凍らせてしまう魔法の力を持ったエルサは心を閉ざしてしまうが、アナの“真実の愛”によって力をコントロールできるようになる。深い絆で結ばれた2人は王国を治めながら、仲間のクリストフ、オラフ、スヴェンたちと穏やかに暮らしていた。しかしあるときから不思議な歌声が聞こえるようになったエルサは、その歌声に導かれ、アナや仲間たちと自分が持つ魔法の力の秘密を解き明かす冒険の旅に出る。

キャスト / 日本版キャスト

エルサ:イディナ・メンゼル / 松たか子

アナ:クリステン・ベル / 神田沙也加

イドゥナ:エヴァン・レイチェル・ウッド / 吉田羊

クリストフ:ジョナサン・グロフ / 原慎一郎

オラフ:ジョシュ・ギャッド / 武内駿輔

Wヒロインという新しい関係

──まずは映画「アナと雪の女王2」をご覧になった感想からお聞かせいただけますか。

もう私、この作品に衝撃を受けて。ここ最近観たディズニー映画の中で群を抜いて好きでした! 伏線を回収しているというか、前作と今作を通して1つの作品として成り立っている感じがあって、しっくりくるところがいっぱい。「ああ、そういうことか!」みたいな、観終わったあとの爽快感が本当にすごかったです。

──腑に落ちたところは、具体的にどのあたりでしょう?

伊藤かりん

シーンで言うと、エルサとアナの両親が乗った船について描かれているところが一番ですね。船については前作を観たファンの間である“都市伝説”が流れていて、私はそれを信じてしまっていたんです。

──どんな都市伝説ですか?

国王と王妃がラプンツェルの結婚式に出席するために南へ向かっているときに船が難破したという話です。それをどこかで信じていたので、「ディズニーって、陰で物語と物語をつなげる設定もしているのかな。素敵だな」と勝手に納得していました。でも新作を観て「やっぱり違うのかー」って(笑)。

──でも確かに前作で国王夫妻が南へ向かって船ごと行方知れずになるというのは、あとから考えれば唐突感がありますよね。

しかも衝撃的であるはずの両親の死がわりとシンプルに描かれていたので、今回謎が解けてすごく腑に落ちました。でも、まさか謎が解けるとは思っていなかったです。それと今回とても好きなセリフがあって、終盤のシーンでクリストフがアナを助けに現れたときに、「どうしたらいい?」と聞くんですよ。クリストフも心の中では「絶対に僕が助ける」と思っているはずなのに、あくまでもアナの意志を尊重して一歩引いていて、まず気持ちを聞いてあげる。そこに新しい展開を感じて、今の時代を反映しているのかなと思いました。

──新しい展開という点ではヒロインが2人登場するところにも、過去の作品との違いを感じられるんですよね。

アナとエルサというヒロインが2人登場する作品は、これまでのディズニーにはあまりありませんでした。2人が主役という感じで、「アナと雪の女王」というタイトルもすごくしっくりきました。姉妹それぞれに役割があって、居場所がそれぞれあることがわかった作品でもあると思います。

伊藤かりん

共通点は“仲がいい姉妹”

──伊藤さんもお姉さんと2人姉妹だそうですが、アナとエルサに共感したり、自分を投影したりするようなところはありましたか?

伊藤かりん

そうですね。映画のキャラクターは姉のエルサがしっかり者で、妹のアナがやんちゃという感じですが、うちはわりと私がしっかりしていて、姉は天然(笑)。完全には一致しないけれど、仲がいい姉妹というところは共通しています。今回の作品で悩みを抱えたエルサが、アナに相談することなく1人で先に行ってしまうシーンを観て、「もし私がそうなったら寂しいだろうな」「でも、そうするのが姉の役目なのかな」とか、そんなふうに自分を重ねて考えてしまいました。

──先ほど出てきた“それぞれの居場所”の話では、そのために重大な選択をすることになりますよね。そのことについては?

最初は2人が離れてしまう寂しさを感じました。エルサも「イントゥ・ジ・アンノウン」で“愛する人たちはここにいるの”と歌っている段階では、アレンデールにいたい、今の生活を続けたいと思っていたはずなんです。それでも自分の役割を果たすために決断をする。1人の女性としてすごく素敵だと思いましたね。


2020年2月3日更新