音楽ナタリー PowerPush - flumpool

地元に捧げるキャリア初の単独野外ライブ

成人式ライブで意識した“地元”

──flumpoolは上京してから本格的に全国ツアーを展開していったバンドでもあったから、“東京のバンド”という印象が強いのかもしれませんね。

尼川 それはちょっとあるかもな。地元に根付く前に上京してきてしまったのかもって成人式のライブで感じたというか。もっともっと地元での活動を強化したいなって思ったんですよね。なんかそれが新たな目標にもなったというか。

山村 確かにね。これまでの活動を振り返っても、そこまで大阪や地元を中心としたスタイルでの活動ではなかったから。

阪井一生(G)

阪井 個人的にはすごく地元愛が強いんですよ、僕。親とケンカして飛び出すように上京したからこそ、地元が今になって愛しいというかね。

山村 ホント、一生は地元好きだもんね。4人の中で一番好きなんじゃない?

阪井 うん。たぶん一番地元愛が強いな。しょっちゅう帰ってますからね、実家。一番嫌いな場所だったはずなのに、今は一番好きな場所ですから。

小倉 地元ってそういうモノだよね。離れてみて大切さがわかるというか。

山村 確かに。今回、初めて松原市文化会館っていう場所でライブして、改めて本当の意味で“地元”を意識したかもしれないですね。松原市文化会館って自分が学生の頃に合唱コンクールで立っていた懐かしい場所でもあったんで、大阪城ホールとかでライブができたときのうれしさとはまた違ったというか。家でライブやった感じがしたというかね。そういう意味でもうれしさはいつも以上にあったし。でも、ただ甘やかしてくれる場所ではないというか。一番甘えられる場所であるし、落ち着く場所だけど、自分たちのことを無条件に受け入れてくれるわけじゃなくて、現実の厳しさもちゃんと教えてくれる場所。誠司は地元が兵庫ですけど、4人で松原で活動していた時期もあったし、本当の意味でのflumpoolの地元なんです。松原があるから安心していろんなことに挑戦できる。1月の成人式のライブでは、そんな場所だなって再確認できた気がします。

阪井 そういう意味でも、8月に大泉緑地でライブができることは、自分たちにとっての新たなチャレンジでもあるなって思ってるんですよ。

──大泉緑地はflumpoolにとって特別な場所なんですか?

阪井 ですね。僕は地元にいた頃からよく行く場所でもあったし、今も毎年行く場所でもありますからね。バーベキューとかよくやるんですよ。

尼川 学生の頃、遠足とかマラソン大会とかしてた場所でもあるしね。

山村 そうそう。僕たちにとって大泉緑地って、すごくなじみの深い場所なんですよ。

尼川 3人は実家からチャリでも行けちゃうところですからね。

小倉 これまた僕だけはそんなになじみはないんですけど(笑)。でも地元感はすごく強い場所ではありますね。

原点回帰と新しい挑戦

──松原市文化会館で行われた成人式でのサプライズライブといい、8月の野外ライブといい、今年は地元を意識したライブが多いのはどうしてなんですか?

山村隆太(Vo, G)

山村 2013年にデビュー5周年という節目を迎えて、ベストアルバムのツアーも無事終わり、次のステップに進むために今何をやるべきなんだろう?っていろいろと考えたんです。5年間の中でいろんな音楽を作ってきたわけですけど、もっともっとリスナーに僕らのアイデンティティをflumpoolの音楽の中に感じてほしいなと思って。そういう意味でこれまで以上に音楽を作る上でも、ライブをする上でも、自分たちの個性をしっかりと意識して発信していくべきなんじゃないかと思って。その中でも故郷って誰もが切り離せない大切な場所でもあると思うんです。原点であり、自分に立ち返れる場所というかね。それで今回は原点に返るという意味を込めて、できるだけ地元である松原に近い野外会場をスタッフさんに探してもらいました。

阪井 そう。まさに原点回帰。そして新たな挑戦でもあるんですよ。

尼川 大泉緑地でライブが行われるは初めてのことらしいし、僕たちにとっても初の単独野外公演になるんです。

──いろんな意味で歴史の第一歩でもあるわけですね。

阪井 そう。これをきっかけに、大泉緑地でライブをやるアーティストが増えたらいいなって。そういう意味を込めて2015年は地元での活動の強化と、新しいことへの挑戦の1年になったらいいなと思ってますね。僕らの原点は路上ライブでもあるんで、野外ライブはその雰囲気が近いんですよね。

山村 誰かが切り開いてくれた道を進むだけでは、今以上先に行くことはできないのかなと思っていて。誰もやったことのない音楽を、誰もやったことのない場所で鳴らすことが、自分たちのアイデンティティにつながっていくのかなって思うんですよね。

──ライブタイトルの「flumpool 真夏の野外★LIVE 2015『FOR ROOTS』~オオサカ・フィールズ・フォーエバー~」にはどんな意味が?

山村 自分たち自身が原点に返るという意味と、4人がそれぞれ個の部分をもっと追求して発信していくということが大事だということ。そして地元がいつまでも活気のある場所であってほしいという願いを込めて付けたんです。活動の拠点にしている東京もそうだし、海外ライブをしたシンガポールとかもそうだけど、すごく活気にあふれているんですよね。そういう場所を見ているからこそ、自分たちを生み出してくれた地元にも、活気付いてほしいなって思うんです。大切な場所だからこそね。

──野外ライブに向けて新曲も制作しているそうですね。

山村 はい。まだレコーディングは終わってませんけど、自分が伝えたかったこと、歌いたかったことが自然と湧き出ていた、音楽を始めた頃のような情熱が詰め込めている気がします。松原という土地で育ってきた自分たちのアイデンティティが、音や歌詞になってる気がしますね。

flumpool

阪井 これまでいろんな音楽をflumpoolを通して届けてきたと思うんですけど、2015年は今隆太が言った言葉を音で感じてもらえるような、より気持ちの伝わるシンプルな楽曲作りをしていけたらいいなと思ってます。

小倉 去年ファンクラブツアーをやって、そこでThe Beatlesのコピーをやったことで自分たちに何が足りないのかっていうところも見えたんです。それが一生が言っていたような、シンプルな楽曲を作ることなんですけど。なので、それを今後の課題にしながら、2015年は自分たちの原点をしっかりと意識して曲作りに励んでいけたらと思ってますね。また8月の野外ライブでは、リスナーの皆さんにも、僕らのライブを通して地元の大切さを改めて感じ取ってもらえたらなと思います。

尼川 8月の大泉緑地でのライブでは、自然を感じながら原点をしっかり見つめ返すライブができたらと思っていますので、ぜひ遊びに来てもらえたらと思います。

flumpool 真夏の野外★LIVE 2015『FOR ROOTS』~オオサカ・フィールズ・フォーエバー~

2015年8月8日(土)大阪府 大泉緑地 大芝生広場
OPEN 12:30 / START 14:00 / END 17:00(予定)
2015年8月9日(日)大阪府 大泉緑地 大芝生広場
OPEN 12:30 / START 14:00 / END 17:00(予定)
※雨天決行/荒天中止

スタンディングエリア 6300円
シートエリア 6300円

チケット一般発売日 2015年6月20日(土)10:00~

※4歳以上チケット必要。3歳以下チケット不要。
※未就学児はシートエリアのみ入場可。18歳以上の同伴者必要。

問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 (10:00~18:00)

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flumpool(フランプール)

山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)、小倉誠司(Dr)の4人。2008年10月にメジャーデビュー作となるダウンロードシングル「花になれ」を発表し、10日間で100万ダウンロードを記録した。同年11月にデビューミニアルバム「Unreal」をリリース。2009年にはシングル「星に願いを」のヒットで注目を集め、10月には初の日本武道館公演、年末には「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2010年12月に4日間に渡るアリーナライブも大成功に収め、2011年9月に「第78回NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲に起用された「証」をシングルとしてリリースし、3年連続で「NHK紅白歌合戦」に出演。デビュー5周年を迎えた2013年10月には日本武道館で2日間にわたりスペシャルライブを行った。2014年4月からはアリーナ公演を含む、10万人を動員する全国ツアー「5th Anniversary tour 2014『MOMENT』」を開催。5月に初のベストアルバム「The Best 2008-2014『MONUMENT』」とDVDシングル「ビリーバーズ・ハイ」を同時リリースした。2015年8月にバンド初の野外単独公演を大阪・大泉緑地で開催する。