EXILE THE SECOND|“サムライカウボーイ”のエンタメを提示するツアーへ テーマは「強さ」AKIRAとSHOKICHIが見据える5人の未来

EXILE THE SECONDのアリーナツアー「EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2024 "THE FAR EAST COWBOYZ"」が、3月より全国5会場9公演にわたって開催される。

2022年10月、EXILEのドームツアー「EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"」ファイナル公演をもってメンバーの黒木啓司が引退し、5人体制での活動をスタートさせたEXILE THE SECOND。翌2023年2月には新体制初のシングル「Twilight Cinema」をリリースし、同月より開催したホールツアー「EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2023 ~Twilight Cinema~」ではグループの新たなエンタテインメントを全国のファンに印象付けた。円熟した大人の魅力をアピールするホールツアーを成功裏に収めた5人は、3月1日に新作EP「THE FAR EAST COWBOYZ」を先行配信リリース。これを携え、実に6年ぶりのアリーナツアーへと旅立つ。

いまやLDHの中核的な存在となり、自身のアーティスト活動だけでなく各グループ会社の経営、教育分野での活動、新世代への指導など、幅広く活躍する5人。彼らはグループのあり方をどう捉えているのか、そして新たなツアーでどんな世界を魅せていくのか。音楽ナタリーではEXILE AKIRAとEXILE SHOKICHIに、2024年のEXILE THE SECONDについてたっぷりと語ってもらったインタビューを前後編で公開する。

今回の後編では3月からの新ツアー、そしてこれを見据えた新曲について2人が語る。近年のグローバルな活動を経て彼らが抱いた新たな夢、ツアーで表現したいEXILE THE SECONDのエンタテインメントの世界とはどんなものなのか?

取材・文 / 岸野恵加

EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2024 "THE FAR EAST COWBOYZ"

3月7日(木)~5月12日(日)全国5会場9公演開催!

チケット購入はこちらから

日本人として、アジア人として僕らの強さ

──「ホールツアーを経て、EXILE THE SECONDとしてやりたいことがどんどん湧いてきた」とおっしゃっていましたが、2年連続でツアーを行うのは、その意欲の行き着いた先と考えていいでしょうか。

SHOKICHI そうですね。これまでEXILE THE SECONDはEXILEの活動の合間を縫ってやることが多かったんですが、昨年のツアーで自分たちなりにリスタートを切れた気がしたんです。勢いを持ってまたすぐにやりたい、という思いがメンバー間で一致して、立て続けにツアーを組ませてもらいました。

──3月に始まるアリーナツアーのタイトルは「THE FAR EAST COWBOYZ」。昨年はAKIRAさんが台湾に拠点を置くLDH愛夢悅の代表取締役CEOに就任し、EXILEとしても台湾でライブを行いました。よりアジアを意識しつつ、グローバルに活躍していくという意気込みが込められたタイトルなのかなと推測していました。

SHOKICHI まさにその通りです。今はアジアのエンタテインメントが世界中ですさまじく盛り上がっていると思うんですが、その中で僕らはどうしていくんだという自問自答も込めていますし、日本人として、アジア人としての僕らの強さを改めて考えて、それをエンタテインメントにして皆さんに提示していきたいという意味合いを込めていますね。

──AKIRAさんは、日常的に台湾と日本を行き来しているんでしょうか?

AKIRA そうですね。台湾はもちろん、台湾から世界各国につながりを持ついろんなクリエイターやプロデューサー、企業や業界関係者との出会いなど、さまざまな可能性を感じさせていただいております。EXILE THE SECONDメンバー1人ひとりのプロジェクトや活動を通して、LDH、EXILE TRIBEのアジア、世界への進出の架け橋になって行きたいという熱い思いを込めて、今回のライブのテーマは大げさな言い方かもしれないけど、「名もなき男たちがサムライカウボーイになって世界を席巻していくぞ」という意気込みと言いますか。5人とも「僕たちが切り開いた先にLDHの未来がある」という思いでがんばっているので、made in LDHのエンタテインメントを自分たちのイズムとして持ち、アジアで勝負していきたい。そんな思いを込めたタイトルですね。

EXILE AKIRA

EXILE AKIRA

──近年は“グローバル進出”を標榜するアーティストやグループも増えていますが、EXILE THE SECONDならではのビジョンはどのようなものになるでしょうか。

AKIRA LDHとして、EXILE TRIBEとして何を届けていくか、何を武器に進出していくのかが大事。僕らLDHは「Circle of Dreams=夢の循環」という理念を掲げていますが、僕たちだけでなく、後輩にもたくさんの活躍の場を提供し、どんどん未来を切り開いて夢を叶えてほしいし、さらにLDHが運営するエンタテインメントスクール、EXPGの次なる世代を担う生徒たちにもたくさんの夢を見ていただきたいですし、チャンスや挑戦の場を提供していけたらという思いもあります。その夢が点と点でつながったときに大きな輪ができる。今はその点と点を作っている段階であり、その点を世界各国でも生み出して、360°でつながれたらすごく素敵だなと。エンタテインメントを通じて、LDHの「Love, Dream, Happiness」を多くの方にお届けしていきたいです。

海外に合わせつつも、自分たちのスタイルを

──昨年台湾でライブをしたときは、アーティストとして日本との違いをどのように感じましたか?

SHOKICHI 「日本は独特なんだな」と、改めて感じました。台湾で人々の音楽の聴き方を見ていると、アメリカに近いものを感じたんですよ。アメリカや台湾だと現場がクラブにあって、踊れる音楽が中心なんですが、日本では好まれるメロディの感じが違ったり、アニメが中心になっていたり。チャートを見ていても、音楽の中心が異なるなと感じます。

EXILE SHOKICHI

EXILE SHOKICHI

AKIRA まったく異なりますよね。日本には日本の素晴らしさがありますし、それぞれのよさがある。アジア各国はワールドスタンダードというか、基本的に国外、世界に向けた意識が高い気がします。あとわかりやすく違ったのは、日本のLDHのライブ会場ではお客さんが一斉にフラッグを曲に合わせて同じように振ってくださるんですが、海外のファンの皆さんは振りたいときに振る感じ。自分の感覚で音楽を楽しむ色が濃いんだろうなと思いました。歌いたい人は歌って、踊りたい人は踊る、フラッグで遊びたい人は遊ぶ。もしかしたら海外の方には、フラッグはお土産屋さんで売ってるご当地ペナントみたいな記念品と捉えられているのかな、と(笑)。そうした部分ははっきりと違いましたね。日本はそういった集団心理的な点で素敵だなとも思いますし、海外では、純粋にそれぞれがそれぞれの楽しみ方で楽しむ感じ。どちらもとても僕にとってはうれしいことです!

──EXILE THE SECONDのライブでは、お客さんとの一体感を重視していますよね。昨年のホールツアーでも、AKIRAさんがしきりに「声が足りない!」と煽って盛り上げていましたが……。

AKIRA はい(笑)。

SHOKICHI あははは。

──やはり海外でも一体感は重視していきたいですか? タオルを振る曲ではみんなで振ってもらいたい、など。

AKIRA そうですね。海外はさまざまなアプローチや環境が変わるので、臨機応変に合わせるところは合わせつつ、自分たちのスタイルをしっかりと大切にし、柔軟に対応しています。昨年はSECONDとTAKAHIROでEXILEとしていろいろなフェスに出させてもらったり、SHOKICHIとカウントダウンライブに出演したりといろんなステージに立たせてもらったんですが、もちろんファンの方もいらっしゃいますが、初めて僕たちを見るお客様がだんだん僕らの音楽とパフォーマンスにノッてきて、最後は一緒に手を振ったり、タオルを回してくれたりした。言葉の通じない場所で、初めて僕たちを観るお客さんもいる中で、そのような光景を見られたこと、空間を感じられたことはとても僕たちの自信になりました。僕たちのことを知らない人の前でも、信じて自分たちのエンタテインメントをやり切るということはとても大切なんだと思いましたし、ライブは生物、どんなことが起きても、どんな環境でもピンチをチャンスに変えていける、そんな自分たちのエンタテインメントスタイルやメンバーとの絆があることを改めて実感することができてます。