「Twilight Cinema」は未来につながるツアー

──まずは2023年に行われたツアー「EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2023 ～Twilight Cinema～」のお話から聞かせてください。5年ぶりのツアーでしたが、EXILE THE SECONDらしいエネルギッシュさを内包しつつも、「Twilight Cinema」というテーマに合わせた劇場風セットの中でタキシードをまとって踊るなど、しっとりとしたムードが新鮮でした。

EXILE SHOKICHI　初めてのホールツアーということもあり、どんな見せ方ができるのか試行錯誤して、あの表現に行き着きました。2022年に（黒木）啓司さんの引退がありましたが、それもエンタテインメントに換えて、ファンの皆さんにEXILE THE SECONDの未来を提示するために、「別れ」をテーマにしたんです。人生の中で経験する、友との別れ、家族との別れ……チャプターを区切ってさまざまな別れを表現しましたが、今までと違うライブの形を自分たちなりに見つけられた、未来につながるツアーになったと思いますね。

EXILE AKIRA　SHOKICHIが言ったように、今一度丁寧に名刺を配っていくような思いで、全国各地にEXILE THE SECONDのエンタテインメントを届けたツアーだったと思います。コロナが収束して以降、EXILEではアリーナツアーやドームツアーをやらせていただきましたが、EXILE THE SECONDとしてのツアーは5年ぶり。近い距離感で僕たちのエンタテインメントをもう一度体感してもらいたいという思いで、実際に客席を練り歩いたりしてファンの皆さんと直接触れ合うこともできました。メンバー5人の絆も深まり、グループとしてたくさんの思い出が生まれたツアーでしたね。

──当時、AKIRAさんはご自身のInstagramで「おそらく、、、過去イチ踊ってます」と書いていましたよね。

AKIRA　そうですね、年々踊る量は増えています（笑）。というのも、僕たちLDHのエンタテインメントは、EXPG STUDIO（LDHが運営するダンススクール）の生徒たちも参加して、サポートメンバーも含めた壮大なスケールの見せ方をすることが多いんですが、昨年のツアーは5人だけですべてを見せたんです。なのでメンバーの出演する時間も長かったし、自分たちのクリエイティブな面も見せられた、とてもやりがいがあり、成長を感じるライブでした。

──特に「ここがよかった」と感じたポイントを具体的に挙げるとすると？

SHOKICHI　これまでは大きな会場でスケール感を重視してライブをやってきたんですけど、ホール公演では音をクリアに聴かせることができるので、細かい音の響きにまでこだわって追求してパフォーマンスを届けることができたと思います。EXILE THE SECONDの音楽性を、ファンの皆さんとより共有できたんじゃないかなと。

──SHOKICHIさんはEXILE THE SECONDの楽曲制作を担っていますが、ライブでの音響も細かくチェックされているんでしょうか。

SHOKICHI　そうですね。バンドのアレンジや弾き方、フレーズまで、すべてとても細かくディレクションさせていただいています。

3年後、5年後も魅了できるよう

──初のホールサイズのツアーという点では、ほかにはどんな部分を意識しましたか？

AKIRA　お客さんの体感って、会場のスケールによって全然異なると思うんですよ。ホールサイズで映像演出が少なければ少ないほど、飽きられるのも早い。なので飽きさせないために、王道にパフォーマンスを見せるパートと、楽曲のアレンジやセットリストをブロックごとにチャプターを設けて、ミュージカリティのあるシーンを展開したり世界観を一気に変えたり、あえて既存の振り付けを崩して新しいものにしたりと……流れは綿密に考えました。

──「Ain't Afraid To Die」と「THE FOOL」ではNESMITHさんとAKIRAさんがギターで掛け合い、SHOKICHIさんがスタンドマイクで歌うというロックなステージが繰り広げられるなど、ソロステージやユニットで魅せるパートも充実していましたね。

SHOKICHI　ああいうのも今までは表現できなかったので、すごくいい機会になりましたね。

AKIRA　ツアーを経て、「EXILE THE SECONDとして、もっとこういうことをやってみたい」というアイデアも膨らみました。我々はLDHの中では年上組なので、ファンの方は「いつまで踊るんだろう」「いつ勇退するんだろう」と気になっていらっしゃると思うんです。でも年齢に関係なく、いち表現者、そしてLDHのいちメンバーとして「もしかしてEXILE THE SECONDなら、3年後、5年後もファンや観客を魅了してくれるかも」と皆様に必要とされるエンタテインメントを提示したい。SHOKICHIを中心に、そんなことを話していました。このツアーが、ファンの方たちに希望を持ってもらえるものになればいいな、という思いでしたね。

──私はお二人と同世代なのですが、ライブを拝見して、まさに「年齢は関係ない」を体現していらっしゃって感動しましたし、「こんなパフォーマンスを見せてもらったら自分もがんばらなきゃ」と思わされました。

AKIRA・SHOKICHI　あはは。ありがとうございます。