私、強くなれる!
──そういったグループ内での変化がある中で完成した新曲「Be Selfish」について、皆さんの印象を聞かせてください。
髙松 サウンド的にクセになる楽曲だと思います。作曲はノイミーちゃんの「まほろばアスタリスク」や、「トリプルデート」(=LOVE、≠ME、≒JOYからなるイコノイジョイの楽曲)を手がけられた本多友紀さんなんですけど、この2曲と同じ方が作ったとは思えない曲調で。本多さんはアニソンやゲームの業界ではすごく有名な方らしくて、私のお姉ちゃんが「神」と言ってました(笑)。指原さんも本多さんも、イコラブにこういう曲が似合うと思ってくださったのならうれしいですね。
──指原さんがTwitterで言っていた通り、サビにしっかりJ-POPらしい、=LOVEらしいキャッチーさがありますね。
なぎさ 私は「Be Selfish」の歌詞が大好きで。人の意見によって自分の好きだったこと、やりたかったことを変えてしまうという経験をしたことがあるので、「君のままで生きてほしい」「生きていれば それでいい」と歌うこの歌詞がすごく刺さったんです。自分のやりたいことをやってこその人生だなと、この曲を通して改めて思いましたし、世の中の人たちもみんな自分の好きなように生きてほしいなと感じました。みんな人に余計なことは言わない! 自分のことを考える! そんな世界になればいいなと強く思いました。
野口 私は最後のサビの「普通はこうだって そんな言葉 空の彼方へ 投げ捨ててあげる」という歌詞が好きです。「君のままで生きてほしい」「君も自分を 大切にして」とか、温かくて優しい言葉が続く中、最後のサビになると、そこからもう一歩踏み出して、“私”という主語で「投げ捨ててあげる」と語りかけてるんです。その“強い私”という武器を分けてくれているような感覚があって。「Be Selfish」はこの部分の歌詞があることで最強な曲になっていると思います。そのあとの「着いて来てwith us」と歌うところのダンスも一体感がある、切り開くようなイメージの振付になっているのが印象的です。歌っていても聴いていても、「私、強くなれる……!」と思える1曲です。
諸橋 振付は4作連続でs**t kingzのshojiさんが手がけてくださいました。私たちみんな、shojiさんが大好きなんですよ。おちゃめだし、何やっても「フー!」って盛り上げて、メンバーのモチベーションを上げてくれるんです。さらに、振り入れではメンバー1人ひとりにアシスタントのスタッフさんがいて、つきっきりで教えてくれました。
──そうだったんですね。
諸橋 そのおかげで振付を1日で覚えることができたし、とても楽しい時間でした。「Be Selfish」はポップでかわいいところとカッコいいところの振り幅がある曲ですが、振付も同じで。特に間奏のメンバー3人だけでのダンスはカッコいい仕上がりになっています。実はこのダンスパート、最初は曲に入ってなくて、急遽追加されたんです。衣織と杏奈と舞香の3人が踊っているんですけど、3人の中にダンスが苦手だと公言している舞香が入ったことが驚きで! でも、MV撮影の本番が始まると舞香もしっかり踊ってました。
野口 あのダンスパートはかなり難しかったですね。体の節々を使う振付で、正しいタイミングで足や腰を動かすのが大変でした。マイクを持って踊ったら、それによる遠心力でもっと難しくなると思います。私は音よりダンスが遅れてしまう遅取りの傾向があるんですけど、間奏のダンスはこの曲の大きな見せどころだと思うので、正しく音を取れるようにがんばりたいと思います。
──ほかにMVの撮影で印象に残っていることはありますか?
なぎさ 初めての体験をたくさんしました! かわいいメイクもしていただいて。韓国の凝ったメイクが好きなので、テンションが上がりました。
諸橋 私のメイクだけハイライトもアイラインもかなり濃くて、「これで大丈夫かな?」と不安だったんですけど、撮影した映像をモニタで観たらすごくちょうどよくて。全部計算したうえでのメイクだったんだなと感動しました。
──ヘアメイクなど、スタッフはみんな韓国の方だったんですか?
諸橋 はい。日本人の方も何人かいたんですけど、監督さん含めてほとんどが韓国の方でした。
──単に撮影地が海外だったというだけではないんですね。
諸橋 撮影のテクニックもすごくて、日本のスタッフさんも「これはすごいよ……!」と驚いてました。
音嶋 時間的にかなりタイトな2日間だったんですけど、ホントに新しい経験ばかりで。時代の最先端をいっているなと感じました。
こんなに静かな曲は今までなかった
──シングルには、もう1つの野口さんのセンター曲「好きって、言えなかった」も収録されています。この曲は「好き」という言葉を伝えられない、淡くて不器用な恋心をつづったラブソングで、=LOVEと≠MEの指原さん書き下ろしの歌詞をベースに制作されたドラマ「もしも、この気持ちを恋と呼ぶなら…。」の主題歌として制作されました。
野口 「好きって、言えなかった」は音が静かで、吐息や声の残し方1つで曲の雰囲気が変わりやすい曲ですね。すごく繊細で、ひとり言に近いような、心の中に秘めた思いが歌詞につづられていて。不器用だけど、一途で温かい気持ちをどう歌声に乗せようか、レコーディングに臨むにあたっていろいろ考えました。裏声をかなり使ってますし、歌いながら息が持つか不安ですが、ライブでも曲の主人公の気持ちを大切にしつつ、歌詞の空気感を出していけたらなと。この歌詞のように、言葉にできない気持ちを抱えている方には刺さる曲だと思います。
髙松 イコラブの曲でここまで音数が少ない、静かな曲は今までなかったんじゃないかな。その分、メンバーの歌声が鮮明に聞こえます。衣織のパートとか、ほぼ無音ですからね。
野口 ライブが怖いー(笑)。
諸橋 イコラブにとってひさしぶりのゆったりとした曲ですね。振付は「桜の咲く音がした」(2021年5月発表の1stアルバム「全部、内緒。」のリード曲)と同じで、CRE8BOYさんが手がけてくださったんです。
──そのほか、今回のシングルには、齊藤なぎささんと大谷映美里さんによるユニット曲「わたし、魔法使い」もカップリング曲として収められています。
なぎさ 「わたし、魔法使い」は表題曲の「Be Selfish」とちょっと似ている部分があるんです。聴いていて元気づけられる曲で、「誰かのためじゃなく自分のためにかわいくしている」という、女の子なら誰しも共感できる内容を歌っています。メンバーカラーはないけど、私もみりにゃ(大谷)もピンクっぽいイメージがあるじゃないですか。でも、それぞれ違うタイプのピンクで、曲全体にそのイメージが表れていると思います。振付も魔法使いをイメージしたものになっているし、とにかくかわいいが詰まった曲です。
──2人が持つピンクっぽいイメージがどう違うのか、もっと具体的な言葉で説明すると?
なぎさ 私はたぶん、ぶりぶりしている感じですね。大人になりたくて背伸びしているような、成長途中のピンク。それに対して、みりにゃは少し大人っぽい、お姉さんな感じのピンクです。
諸橋 この曲には「誰かじゃない 自分のために 生きているのになー」という歌詞があるんですけど、みりにゃがセンターの「Sweetest girl」(2019年10月発表のシングル「ズルいよ ズルいね」のカップリング曲)でも「自分のために 生きてみましょう」と歌っているし、みりにゃは自分を愛することをテーマにした曲が似合うんだと思います。「わたし、魔法使い」はそんなみりにゃとなぎさのバランスが絶妙だし、振付もすごくかわいい曲です。
なぎさ 手元で真似できるキャッチーな振付なので、流行ることを期待しています!
まだまだ上に行ける
──=LOVEは今年でデビュー5周年を迎えましたが、そのことに対して何か感慨深い思いはありますか?
なぎさ 短いようで長かったというか。思い返すといろんなことがあったし、目まぐるしかったなって。私だけかもしれないですけど、グループの人気や知名度に対する実感があんまりなかったんですよ。でも、最近はイコラブの名前を知っている方や、街なかで声をかけてくださる方が多くなっているのを感じています。ありがたいことにライブの規模もだんだんと大きくなっているし、成長を実感できています。
髙松 人生って3年区切りで大きく変わると聞いたことがあるんですけど、イコラブの活動を始めたときと今を比べても、自分自身はそこまで変わってないなと思っていて。ただ、このメンバーと一緒にここまで歩んでこれたのは奇跡みたいなことで、5周年を迎えられて幸せだなと感じています。私は途中、1年間休養していたんですけど、ここに来るまで長かったなって。その一方で、まだまだ上に行けるとも思っているので、これからもこのメンバーと一緒にがんばっていきたいです。
音嶋 私は、もう5年という感じですね。ちょっとこれは言いすぎかもしれないですけど、デビュー曲の「=LOVE」のMVを海辺で撮ったのが最近のような感覚もあって(笑)。でも、5年前はここまで来れるなんて全然思ってなかったですし、部活動もまともにやったことがなかった自分が、1つのことを続けてこられたのはすごいことだなと思っています。この5年間に対して苦しかったという思いはなく、ホントに楽しい日々を過ごしてきたので、これからもファンの皆さんといろんな景色を見てたくさんの思い出を作っていきたいです。