EMPiREが7月17日に新体制初のニューシングル「SUCCESS STORY」をリリースした。
3月に行われた「WACK合同オーディション」の中から選ばれた新メンバー・NOW EMPiREを迎え、新たな体制での活動を「NEW EMPiRE TOUR」でスタートさせたEMPiRE。7月11日にはそのツアーファイナルとなる東京・マイナビBLITZ赤坂でのワンマンライブを成功させた。
音楽ナタリーではグループの現状について話を聞くべく、NOW EMPiREと渡辺淳之介(WACK)にインタビュー。渡辺の目に止まったNOW EMPiREに秘められた可能性、新体制で勢いに乗るEMPiREの今を語ってもらった。
取材・文 / 田中和宏 撮影 / 斎藤大嗣
アイドルは小さい頃からの憧れ
──渡辺さんが新メンバーのインタビューに同席することはめったにないですよね。
渡辺淳之介 そうですね。たぶん初めてです。
NOW EMPiRE 緊張する(笑)。
──ではNOW EMPiREさん、改めて自己紹介をお願いします。
NOW 4月にEMPiREの新メンバーとして加入したNOW EMPiREです。WACKオーディションを受けたきっかけは、ずっと人と違ったことをしながら生きていきたいと思っていたからです。2年前にWACKのオーディションがあることを知って、そのときも受けようと思ってたんですけど、なんか「今じゃないな」と感じていて。今年のオーディションは、「今なら絶対、合格できる」と思って受けました。WACKは自分たちで歌詞を書いたり、振り付けを考えたりできる事務所だし、ほかのアイドルにはないカッコよさとかかわいさの振り幅も大きくて、そういう姿に憧れてオーディションを受けました。
──2年前と今年では何が違ったんですか?
NOW 2年前は絶対に入りたいという気持ちがあったのかと言えば、そうではなかったというか。入りたいけど不安もあって、不安を抱えたままオーディションを受けたら絶対に受からないと思ったから、そのときは応募せずにあきらめました。そのあと新しいオーディションが開かれる機会をずっと待っていて、今年は1月からずっと「今年もオーディションあったら、絶対今の自分なら受かる」と思うくらいすごい自信があって、不安はなくて。
──NOWさんは山形出身で、もともとアイドルに憧れがあったそうですね。
NOW はい。私は小さい頃からAKB48さんが好きで、そこからアイドルにハマってずっといろんなアイドルを追いかけていました。あるときにYouTubeでいろいろな動画を観ていたら、BiSHさんが野音で「オーケストラ」をパフォーマンスしている動画があったんです。それを観たときにうまく言葉にできないけど、何か心に刺さるものがあって……衝撃が走ったというか、鳥肌が止まりませんでした。それからWACKのグループにハマっていきました。
──自分でアイドルをやりたいと思ったのはいつぐらい?
NOW 小学生の頃から「私もかわいい衣装を着て歌って踊って、みんなから歓声とか注目を浴びてみたい」と思ってました。
──加入から3カ月ほどでレコーディング、ツアー、ミュージックビデオ撮影といろいろな活動を経験していますがテレビも出演したんですよね。
NOW はい! 「PLAYLIST」(TBSの音楽番組)と「バズリズム」(日本テレビの音楽番組)に出させていただきました。
──アピールできましたか?
NOW 自分の特技のフェンシングを披露できました!
渡辺 県大会1位だっけ?
NOW はい。全国大会に出場したこともあるんです。
渡辺 県でやっている人、2人しかいないんでしょ?
NOW いや、5人くらいです(笑)。
──東京の生活はもう慣れましたか?
NOW 慣れました。山形は電車が1時間に1本しかないんですけど、東京は3分に1本くらいあるので、便利だなって思いながら過ごしてます。山形に住んでたときは、やっぱり東京への憧れはありました。近くにマクドナルドとかあるし、洋服屋さんもコンビニもあるし。
合宿中に開花させた強さ
──渡辺さんは長崎・壱岐島での「WACK合同オーディション2019」開催にあたって、約3000通の応募がありながらも、合宿の前日には現地で全員面接のオーディションをやっていましたね。
渡辺 壱岐は東京から行くと5、6時間かかるので、全員面接は30人来たらいいかなと思っていたら150人くらい来まして(笑)。急遽、壱岐の市民会館の方や市役所の方に大きな会議室を貸していただいて、12時くらいに僕たちが着いたらものすごい数の人たちが待っているという状況でした。
──そんなたくさんの応募があったオーディションで、NOWさんの第一印象はどうでしたか?
渡辺 まずイモだなあと思いました。なまってるし、「絶対受かる」とそのときから言ってたんですけど、そんな感じではなかったですね。面接の雰囲気的には。
NOW 初めて聞いたので、すごく恥ずかしいです(笑)。
渡辺 すみませんでした(笑)。
──自信があったとしても、緊張はしますよね。
NOW 自信を持って行ったはずなんですけど、目の前にいる渡辺さんに圧倒されてしまって。ちょっとダメだったなって。面接のあと、すごく後悔しました。
渡辺 なので一次面接の印象は非常に薄かったです。ちょっとほかの候補者より落ちるけど、なまってたし、いたら面白いかなくらいの感覚で呼んで。彼女自体を選んだ理由はなんだろうな。基本的にはフィーリングなので。
──何か光るものを感じてたわけですよね?
渡辺 正直な話をしちゃうと、最後まで合宿に参加させるか迷っていたメンバーだったんです。今年を含めて過去3回オーディション合宿をやってきたんですけど、年々ニコ生の中継の視聴者も多くなって、今年はのべ200万人が見てるような状況で。実は合宿の辞退者がけっこう多いんです。ずっとニコ生でさらされてしまう環境なので試される感じもありますから。彼女に関しては印象も薄くて、スタッフから反対されたんですけど、顔がけっこうタイプだったので、「印象ないけど、とりあえず電話かけとくか」みたいな感じでした。履歴書の写真がすごく面白いんですよ。あとで載せておいたほうがいいよね?
NOW あれは……出せるときに出しておこうかなって思って。
渡辺 ヤバい格好してるんですよ。すごくダサい。体のラインがよく見える服だけど、なんかわけわかんない感じ。
NOW 青と白のシマシマの服で、へそも出してて……すみません(笑)。
──合宿中、渡辺さんがNOWさんに成長を感じた瞬間があるとしたらどのタイミングでしたか?
渡辺 彼女の見方が変わったのは3日目くらい。複数のチームに分かれて踊りの課題を発表してもらうのをずっと繰り返すんですけど、彼女のチームが非常にヤバそうなメンツだったんですよ。まとまりがなさそうな感じで。それまで彼女は何も発言してなかったんですけど、そのときにリーダーシップを取り始めたんです。注意して見るようになったのはそれがきっかけですね。合宿中にも聞いたもんね? 「お前なんかいきなりやり始めたな」って。
NOW 「絶対このメンバーだと落ちる」と思って。
──えらく正直ですね(笑)。
渡辺 合宿でもけっこう正直に言ってました。「このままだと本当に自分まで足を引っ張られるんで」と言ってたくらいで。
NOW え、そんなこと言ってました?(笑)
渡辺 でもそういう気持ちを出す人が今年の合宿オーディションでは非常に少なくて、彼女がやっぱり一番、主張しているように見えました。今年の合格者は2人(NOW EMPiREとWAggに加入したナアユ)しかいないんですけど、強い意志がちゃんと見えたのはNOWくらいしかいなかったですね。
──合宿中の面談で渡辺さんから言われて印象に残ってることは?
NOW 最初の面談で、「お前、目立ってねえな」と言われちゃって。それを私はニコ生にアピールすれば目立てるのかなって解釈してたんですけど、それじゃ目立てないことに気付いて。そこからどうしようってずっと考えてて。それで自分から意見とかを出したり、チームを引っ張ったりするほうが目立てるというか、そういう目立ち方が大事なんだと気付きました。
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