ナタリー PowerPush - 私立恵比寿中学

“ツッコミ不在”の新体制がもたらすバタフライ効果

“エビ中道”を極めます

──現在はこの8人体制で初のツアーが行われています。小林さんがブログに寄せた感想の中に「ホールじゃないところは初めて」とサラリと書いてましたが、冷静に考えるとすごいですよね(笑)。ライブハウスの前に幕張メッセや武道館に立ってるという。

左から中山莉子、小林歌穂、星名美怜。

真山 ホントだ!(笑)

廣田 贅沢すぎる!(笑)

星名 私たち、最初の頃は100人ぐらいお客さんがいるだけでガチガチに緊張してたのに。

──小林さんはいつもあまり緊張してるようには見えないですよね。

小林 出る前はガチガチで手汗がハンパなく出てるんですよ。

──下積みを重ねてきた6人と一緒のペースで活動するのは新人2人にとって大変なことだと思うんですけど、6人からエビ中なりの方法論、“エビ中道”を伝授するとしたら?

真山 うーん。エビ中って歴代のメンバー入れ替えも含めて、そのときどきで色がまったく変わっちゃうグループだと私は思っているので、2人が2人らしくしていれば、それが次のエビ中になるんだと思います。

星名 私も入ったときもどうすればいいのかよくわからなかったけど、エビ中はそれぞれ好きなようにやれるグループなので、2人もみんなのことをマネしているうちにきっと自分が見つかるんじゃないかなあ。

──安本さんは2人が加入してすぐ、指導係に任命されていましたよね。今改めてアドバイスすることはありますか?

安本彩花

安本 私はずっとやってるけど、やっとエビ中のメンバーに追いついてきたなと思えたのがつい最近だから……。

星名 えー!? ナンバーワンの個性だと思うよ(笑)。

安本 お父さんにもよく言われるけど、みんなより気付くのが遅いんです。みんなのことをマネして付いていったらいいと思います。……私に付いてきたらダメですよ?

真山 いや、安本さんに付いていくのはいいと思いますよ。

左から廣田あいか、松野莉奈、柏木ひなた。

柏木 ここ(安本)とここ(小林)がすごく似てる。

松野 うん。匂いが同じ。初めて会ったとき「あれは彩花じゃないか」と思ったもん。

真山 いいところは吸収しつつ、自分ならではのところが見つかったらそこは個性として磨いて。

柏木 なりたいようになるんだよ。自由にやっていればいいと思う。

カホリコの長所・短所

──これまで約半年見てきた中で、2人の長所は見えてきましたか?

中山莉子

中山 ……ちょうしょって何?

星名 中学2年生、がんばって(笑)。

松野 ぽーちゃん(小林)はいつも笑顔で楽しそうにしてるのがいいです。自分がちょっと間違えたときも、ぽーちゃんを見たら笑顔だから、思い詰めずに「また今度がんばろう」って思えるような存在というか。

──底抜けな明るさみたいなものは感じますね。

廣田 ぽーちゃんはすごくマジメだなって思います。この底抜けな明るさの裏で真剣に努力してるのがわかって、みんなに見えないところで泣いているのを見ると、こっちもがんばんなきゃなって。

小林 恥ずかしいなあ(笑)。

廣田 りったん(中山)はすごく強いんです。怒られてもめったに泣かないし、しっかりと自分を持っていて。見た目はかわいい末っ子っぽい感じなのに。あいかは入ってすぐのとき泣いてばかりいたのに、レッスンが始まってすぐの頃、りったんの口から「私は泣かない」って言葉を聞いて、カッコいいなあって思いました。

柏木 2人とも、できなかったところとかわからないことをすぐに聞いてくれるんですよ。昔の私はそんなこと全然できなかったけど。

小林歌穂

──では短所を挙げるとしたら?

廣田 ぽーちゃんは遠慮がすごい。

柏木 すぐに「いいの? でもいいよー」って(笑)。

小林 遠慮してるわけじゃなくて、口癖なんですよ。

安本 なんかあの、あれ? うん。

真山 どうしたの?

左から星名美怜、安本彩花。

安本 いや、今ちょっと言葉が出てこなかったの。難しい言葉で説明しようとして出てこなかった(笑)。イメージはあるんだけど言葉が出てこない(笑)。

星名 そのイメージを教えて!

安本 イメージを伝える言葉が出てこない。

全員 あははははははは(笑)。

──では中山さんの短所は。

松野 やっぱ緊張しいなとこかな。

廣田 でも緊張しいなとこが味になってるから、それもりったんのカラーだと思う。

松野 りったん見てると私みたいだなーと思うときがあって。私もけっこう緊張しいなので、大きいライブの前だと泣いちゃうぐらい緊張しちゃうし。最近はあまりないんですけど。

──じゃあ教えてあげられることもたくさんありそうですね。

松野 それはどうかわかりませんけど。

柏木 えー(笑)。

新体制一発目の「バタフライエフェクト」

──そしてついに新体制で一発目となるニューシングル「バタフライエフェクト」がリリースされます。

星名 ホントいい曲だよねー。この8人でいるといつも元気でパワフルで、ちょっとおちゃらけてる感じですけど(笑)、そんな私たちからしたら「バタフライエフェクト」のカッコよさは真逆なのに、歌詞にはこれからの8人の出発みたいな意味が込められていて。

──テレビアニメのオープニングテーマに採用されたことは、アニヲタの真山さんにとっては大きなトピックだったのではないでしょうか。

左から星名美怜、安本彩花、真山りか。

真山 そうですね(笑)。「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」はアニメ化が決まったときからチェックしてたので、すごくうれしくて。オープニングは今のアニメとしては珍しくコマ割りが激しくなくて、「バタフライエフェクト」のちょっと懐かしい感じと合っていていいなあと思います。

──小林さんと中山さんにとってはエビ中として初めてのレコーディング作品でもありますが、歌入れはどうでしたか?

小林 曲をもらったときは「この短時間でみんな覚えるのか。これはすごい!」と思ってみんなを尊敬しました(笑)。がんばって練習してもなかなかうまく歌えなくて、いざレコーディングに行ったら、狭いお部屋で1人で歌ってて……。

──狭いお部屋(笑)。

小林 緊張しながらも「レコーディングってこうやってやるんだあ」って楽しめました。

中山 初めての1人でのちゃんとしたレコーディングだし、歌穂ちゃんと私の声が入ったらどんな歌声になるんだろうって楽しみでした。

──6人は2人のことを初々しいなあという表情で見ていますが、つまりレコーディングにおいては6人とももはや怖いものなし?

左から廣田あいか、松野莉奈。

廣田 いやいや、機械のどこを触ると音が大きくなるよーとかしかわからないです(笑)。

星名 最初はどこを触れば大きくなるのか、どういう効果があるのかすらわからなかったから。

廣田 クリックが出てきたとき、最初は雑音だと思ってバッと下げたもん(笑)。

星名 メジャーデビュー後はずっと9人でやってきて、それぞれ成長はしていても全員で歌うサビの歌声の大元は変わらなかったから、今回また新しいパワーが追加されて“エビ中の声”が変わった感じがします。それぞれの声はより特徴的になったかなって。

ニューシングル「バタフライエフェクト」 / 2014年6月4日発売 / DefSTAR RECORDS
初回生産限定アニメ盤 [CD+DVD] / 1800円 / DFCL-2064~5
初回生産限定ヨーデル盤 [CD] / 1200円 / DFCL-2066
通常盤 [CD] / 1200円 / DFCL-2067
初回生産限定アニメ盤 CD収録曲
  1. バタフライエフェクト
  2. アンコールの恋
  3. バタフライエフェクト(アニメサイズver.)
  4. バタフライエフェクト(Less Vocal)
  5. アンコールの恋(Less Vocal)
  6. バタフライエフェクト(アニメサイズver.)(Less Vocal)
初回生産限定アニメ盤 DVD収録内容
  1. バタフライエフェクト MUSIC VIDEO
  2. アニメノンクレジット OPENING 映像
初回生産限定ヨーデル盤 CD収録曲
  1. バタフライエフェクト
  2. 幸せの貼り紙はいつも背中に
  3. バタフライエフェクト(Less Vocal)
  4. アンコールの恋(Less Vocal)
  5. 幸せの貼り紙はいつも背中に(Less Vocal)
通常盤 CD収録曲
  1. バタフライエフェクト
  2. アンコールの恋
  3. ラブリースマイリーベイビー
  4. バタフライエフェクト(Less Vocal)
  5. アンコールの恋(Less Vocal)
  6. ラブリースマイリーベイビー(Less Vocal)
私立恵比寿中学(シリツエビスチュウガク)

私立恵比寿中学

スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年夏に結成し、2010年2月14日には初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表した。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザ公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」などを披露。同年10月には東京・Shibuya O-EAST(現TSUTAYA O-EAST)で初のワンマンライブを行い大成功に収めた。2012年5月にはDefSTAR RECORDSよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューを果たし、2013年7月には初のオリジナルフルアルバム「中人(ちゅうにん)」をリリース。2014年4月に行われた東京・日本武道館公演「私立恵比寿中学合同出発式~今、君がここにいる~」を最後に瑞季、杏野なつ、鈴木裕乃の3名が“転校”(脱退)した。同年6月にメジャー通算6枚目のシングル「バタフライエフェクト」をリリース。現在は真山りか、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、松野莉奈、柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子の8人で活動している。