ヒップホップDJからJ-POP DJへ

──J-POP DJとして活動していますが、DJを始めたのはいつですか？

高校生のときにアメリカンヒップホップとかR&Bにハマって、ターンテーブルを買ったんです。年齢的にまだクラブに入れなかったんで、渋谷でレコードをよく集めてました。大学入ったあと、姉の知り合いのイベント主催者に「僕、DJやりたいんで、出させてください」って頼んで、ちょっとずつイベントに出るようになったんです。

──DJを始めたきっかけがヒップホップだったと。ではJ-POPをかけるようになった理由ってなんですか？

クラブDJってお客さんをたくさん呼べるとちょっとずついい時間に回せるようになるんです。だけど盛り上がる曲の取り合いというか、イベントを通してかけてる曲がみんな似通ってるところがあって。だから「これだと全然目立てないな」って感じて、ほかのDJとの違いを出すためにJ-POPを混ぜたんです。

──ちなみにそのときはどんな曲を選んだんですか？

Dragon Ash、MISIA、宇多田ヒカルとかのヒップホップ / R&B寄りの曲です。そうしたらお客さんのウケがすごいよくて、みんなだんだん日本語の曲に期待してくれるようになっていったんで、ヒップホップとかを意識せずにSPEEDとかJUDY AND MARYとかのヒット曲もかけるようになりました。

酔っ払ったおじさんとの出会い

──J-POP DJとして活動し始めたのち、2008年3月に「J-ポッパー伝説 [DJ和 in No.1 J-POP MIX]」を発表してますけど、どういった流れでCDを出すことになったんですか？

2006年頃から「J-POPナイト～日本式～」っていうイベントでメインDJをやってたんですけど、それとは別のハウスとかテクノばっかりがひたすら流れているクラブイベントにJ-POP DJとして投入されたことがあったんです。メインフロアはかなり低音が効いた感じなんですけど、僕はバーが併設されたゆるい雰囲気のラウンジで朝の4～5時くらいの時間にやったんですね。その中で異様に話しかけてきた酔っ払ったおじさんがいまして、その人が今いるレコード会社のプロデューサーだったんです。

──それで「CDを出してみないか」と？

いや、終わったあとに名刺をもらって、それからしばらくは連絡取ってなかった。何カ月か経ってからJ-POPのコンピブームがきて、そのタイミングで「ミックスCDやってみないか？」って話があって「J-ポッパー伝説」を出しました。

クラブDJからサービスエリアDJへ

──「J-ポッパー伝説 [DJ和 in No.1 J-POP MIX]」をリリースしたあと、海老名サービスエリアで実演販売をしていたそうですね。

発売してすぐのゴールデンウイークに4日間やりました。「CDはどこで聴くのかな？」って考えたときに、車の中で聴くことが多いはずだからドライバーがたくさんいるサービスエリアはうってつけだろうということで。

──反響はどうでした？

1日200～300枚くらいは売れましたね。行列ができるときもあって、DJやりながらそれを見て「うおおすごいことになってる！」ってなった（笑）。普通にクラブでやってるだけじゃ味わえない体験でした。

──クラブからサービスエリアに活動の場を広げていったんですね。

CD出したあとはなんかしなきゃいけないみたいな使命感が勝手にありまして、海老名サービスエリア以外の場所も模索してました。「J-ポッパー伝説2 [DJ和 in WHAT's IN? 20th MIX]」（2009年2月発売）は黄色いジャケットだったんで、黄色つながりで「ドン・キホーテなら売れるんじゃないかな？」って思って店の入り口付近でやってみたり（参照：DJ和、全国ドンキで人気ノンストップMIX実演販売）。ほかにもソニーミュージックの社食とか、35歳以上の方々が集まる同窓会に出張でDJしに行ったりとかしました。

──クラブイベント以外でオファーが来たんですか？

いや、「同窓会に行ったら盛り上がるんじゃないか？」って思って“同窓会ネットさん”って会社に連絡を取ってみたんです（笑）。あとはビアガーデンとか人が集まってワイワイしてそうなところに入り込んだり。みんな「懐かしい！」って言って昔話に花を咲かせたり、サビはみんなで歌ったりしてましたね。友達同士で集まってワイワイしてる場所とJ-POPって相性いいんだなって思います。