お互いに愛を持っているからこそ戦っていけるんだ

橘　僕、「ふさがれてたまるかよ ふざけ合ってやるよ」っていうところも好きなんですよ。

──ここ、DISH//らしいですよね。4人が作った楽曲「乾杯」（アルバム「Junkfood Junction」収録曲）のメッセージにも通じるなと思います。

橘　僕らってこういうところあるよなって思う。それに、配信ライブ後に4人で集まって話していたことが集約されている感じもするんですよ。

矢部　まさに僕らの気持ち、DISH//らしさが詰まった素敵な曲です。

泉　自粛期間中にすごく思ったのは、1人で生きていくことは難しいっていうことなんですよ。自分は仲間がいることや、誰かに助けてもらうことで生きてるんだって実感したし……それに、4人でそれぞれが考えていることを話したとき、みんな、ちゃんとそこに愛があったんですね。お互いに愛を持っているからこそ戦っていけるんだというメッセージを、僕はこの曲から感じ取れたし。それをリスナーに伝えていくべきだなって思います。

はっとり　今、大智くんが言った「愛があって」というのは、一番大事な部分だと思ってます。自分の中では戦いも誰かを倒すためのものじゃなくて、愛を確かめ合うためのものだし、愛を広げていくためのもの。だから僕は何を書くにしても、根底に「愛」というテーマがあって……すべてはラブソングだと思っているんです。恋愛の歌だけがラブソングなのではなく、人に何かを伝えたいとき、手を取り合いたいときに歌うのはラブソングだから。僕は今回もそういうラブソングを作りたかったんですよね。

北村　僕も、この自粛期間中に愛についてすごく考えてました。この世界に愛なく生まれた人はいないというか……みんなが親の愛の結晶で、だからこそ僕らも愛を育まなきゃいけないし、僕らが生み出す何かにも愛を落とし込まないといけないよなって。僕、今は何に対しても愛情深くいられている感覚があるんですよ。だからこの曲は、1行目の「愛は落としものだ」っていうフレーズから一気に引き込まれましたね。まさに今自分が考えていた人生のテーマというか、自分がなぜ生きてるのか、生きることの命題に答えをくれるような“愛”が描かれていたから。本当に運命的に出会えた曲だと思います。

はっとり　うれしいです。よかったな。

北村　ホントに特大ホームランだと思いますよ！ 今の状況下で僕らが伝えるべきメッセージも入っているし、DISH//が思っていることも、僕個人が思うことも乗っかっているし、ホントに助けられたんです。「こういう曲、歌いたかったんだよ！」って。だからレコーディングではカッコつけるような意識も何も必要なく……自分のまま、弱いまま歌いました。弱いまま歌って、やっと強くなれた感覚もある。1人の人間として、ただしゃべっていただけみたいな感覚でしたね。

分かち合う気持ちで歌って、みんなで1つになれたら

──はっとりさんは完成した楽曲を聴いてどう感じましたか？

はっとり　メンバーの気持ちはしっかりと込めてもらえたけど、いかんせんライブで演奏できないとね。ライブで披露するまでは、まだ完成形じゃないのかなっていう気がします。自分たちもそうなんですよ。今年の4月に2ndアルバム「hope」を出したけど、ツアーの見通しが立っていなくて。お客さんの前で分かち合えたときが完成形なのかな。

北村　そうですね。「僕らが強く。」の“僕ら”というのは僕やDISH//だけではなく、もっと広い意味での“僕ら”のつもりではっとりくんに送った言葉だったんです。だから、お客さんの前で分かち合う気持ちで歌って、みんなで1つになれたらいいなと思いますね。これからのことをみんなが考え始めている中で、この曲はみんなをハッピーなエネルギーのある方向に……まだまだ小さな輪かもしれないけど、僕らの周りのファンのみんなや聴いてくれる人を巻き込める楽曲になるんじゃないかなって思います。

泉　それこそ「猫」と同じように、ずっと歌い続けて伝えていくことが、この曲は特に大事になるのかなと思いますね。

橘　そうだね。

──生で聴いたら泣いてしまいそうです。第2弾のコラボレーションなんかも、早くも期待してしまうのですが……。

はっとり　お話が来ればもちろん書きたいです。「犬」とか書いてみたい。「あいつ、あいみょんのこと気にしてんなー」って言われそうだけど（笑）。

北村　あはははは（笑）。でも、今回のことはきっと、あいみょんが一番喜んでるんじゃないですかね。

はっとり　あいみょんは匠海くんのことを弟みたいな感じで見てるよね。「匠海、すごかったね」っていうMステの感想を彼女に送ったときも、「あの子はがんばった。おばちゃん泣きそう」って言ってたから。

北村　そんなに歳離れてないんですけどね（笑）。ずっとそんな感じなんですよ。

はっとり　「DISH//の曲を書くんだ」って伝えたときも、「私が面倒見てる弟に手を出すの？」みたいな雰囲気があったよ（笑）。この曲を聴かせたときも悔しそうでしたね。俺が思い込んでいるだけかもしれないけど（笑）。

北村　あいみょんとはっとりくんの関係、面白いんですよね。お互い「絶対に負けねー」みたいな雰囲気があって（笑）。