ナタリー PowerPush - DIAURA

思いの詰まった新作「FOCUS」で“THEヴィジュアル系”バンドの進化を提示

この春からDIAURAを見定める期間に入った気がする

──それにしてもDIAURAはこの2013年、シングルを3枚(「Whiteness」「SIRIUS / Lily」「失翼の聖域」)、ミニアルバムを1枚(「REBORN」)、そして今回のフルアルバム「FOCUS」と計5作品をリリースしています。その多作ぶりに驚かされるわけですが、曲をどんどん作り出していくモチベーションってどこから生まれるんですか?

yo-ka やっぱり作品ってそのときのバンドの嗜好がとても色濃く反映されるじゃないですか。達也が今年の春に加入してから、俺はDIAURAっていうバンドを見定める期間に入った気がしてるんですよね。今まではバンドのメンバーのみでアレンジやプロデュースをしていたんですけど、達也が加入してから制作した「SIRIUS / Lily」というシングルでは外部のアレンジャーに入ってもらって、自分たちの作品の質をより高めていこうとして。1人ひとりがミュージシャンとしてもっとレベルアップしないといけない、そういう段階に入ったんじゃないかと思ったんです。だから、4人の足並みが揃い始めたことが曲作りのモチベーションにつながってるんです。確かに振り返ってみるとすげえたくさんCDを出してるなと思うんですけど(笑)、実際にやってるほうはそんなに意識してなくて。

──そうなんですね。

yo-ka 達也が加入して以降は「SIRIUS / Lily」「失翼の聖域」のシングル2枚と、今回のアルバム「FOCUS」を制作したんですけど、確かにバンドが変わり始めていて。次に何を打ち出していくか、何を伝えたいかをしっかり考えるようになったのが大きいと思うんです。やっぱり最初のアルバム(2012年3月発売の「GENESIS」)のときはどんなことを伝えるかよりも、バンドのことをよく知ってもらうためにアルバムを作ることに重きを置いていて、そういう部分では思慮が足りてなかったと思うこともあって。そんな過去の反省があるから、今回はただの曲の寄せ集めではなくて1つの作品集を作ろうと考えてたんです。

この4人が揃ってやっとバンドになれたっていう意識も強い

──今年3月に発売されたミニアルバム「REBORN」のレコーディングには、達也さんもサポートメンバーとして参加しています。で、そこから9カ月後に発表された「FOCUS」を聴いて、「この短期間で何があったんだ?」ってくらいに進化していて驚かされました。

yo-ka 自分たちでも正直、レコーディングしながら驚くことが多かったよね。

翔也(B)

翔也 完成した今、改めて聴いても「あ、自分ってこんなフレーズ付けられたんだ」っていう驚きがあって。本当にすごいですね、このアルバム。

──それは自分の中に眠っていたフレーズが、曲によってどんどん引っ張り出されたんでしょうか?

翔也 そうですね。このアルバムは1曲1曲のメッセージ性がすごく強くて、曲が持つパワーに引っ張られた部分は大きいと思います。ライブで演奏しても今までの楽曲とはまた違うものを感じますし。

──この4人でやっていこうという自信の現れもある?

yo-ka ああ、それは大きいですね。この4人が揃ってやっとバンドになれたっていう意識も強いし。もちろん前のドラマーがいたときも4人体制でしっかりバンドをやってた自覚はあったんですけど、今は過去の自分たちよりもさらに上を目指したい。もちろんここからどう攻撃していこうかっていうことも話し合いましたし、考えました。やっぱり考えないでただなんとなく生み出されたものって、正直その程度のものでしかないんですよ。それだけの意思がサウンドや演奏に込められた「FOCUS」は、今までの作品と違うわけです。例えばこの「FOCUS」に収録されている曲を1年前の自分たちが演奏したら、こうはなってないはずだし。この1年の中で自分がどう変化したか、DIAURAというバンドがどう変化したかがこの「FOCUS」に表れているんだと思います。

自分の頭の中にあるイメージを4人で共有したかった

──今回の「FOCUS」は楽曲のバラエティの豊かさも今まで以上だと思いました。

yo-ka そうですね。デジタルな曲や民族音楽みたいなのもありますし。

佳衣 やっぱり1つの枠に囚われたくないっていう思いがあって。ヴィジュアル系を好きじゃない人が耳にしたときに、1曲でも引っかかりがあるアルバムを作りたいと思っていたので。それでいてDIAURAが一番輝ける持ち味だけは絶対になくしたくないという思いも強くて、そこで1本芯が通ってればどんな曲を作っても自分たちらしくなると思うんです。それがうまく生かされたアルバムになってるんじゃないかなと思います。

──ほかに曲作りで何か意識したこと、注意したことはありますか?

佳衣(G)

佳衣 各曲はバラエティに富んでるけど、こういう流れのアルバムを作りたいから、じゃあこういう曲とこういう曲をっていうふうに揃えたわけではなくて、本当に自分たちが作りたい、演奏したい曲を出していったらこの形になっただけで。ただレコーディングの前にyo-kaからメンバー全員に、今作のテーマを箇条書きにしたものを送ってもらって、みんながそれを把握した上で制作に臨んだのがすごくよかったんじゃないかなと思ってます。yo-kaが描いた世界観から逸れることなく、的確な楽曲がどんどん集まってきたので。

yo-ka そうですね。意思の強い曲だけを集めたので。1stアルバムの頃は「じゃあきれいなメロディの曲を入れて、ライブで激しいノリの曲を入れて。バラードも欲しいね、明るい曲も欲しいね」なんていう作り方をしてたんですよ。別にそれは悪いことだとは思わないんですけど、今回は自分の頭の中にあるイメージを4人の中で共有したかったんです。4人の中で「FOCUS」に対するイメージをふくらませて、それぞれ自分なりに楽曲を作って持ち寄ったんですよ。それをみんなで1曲1曲聴いていって、すごく訴えかけてくる曲だけをピックアップしたらこの形になって。なんか不思議な力がある曲だらけなんですよね。今回は。

──事前にアルバムや曲のテーマをもらってからレコーディングに臨む方法は、それまでの普通に曲をレコーディングしていく方法と大きく違いましたか?

達也 はい。単純に曲のストーリーをイメージしやすかったですね。今回も曲をレコーディングする前に歌詞をもらったんですけど、「ああ、この曲はこういう表現がしたいんだな」って把握した上でレコーディングにも臨めましたし。「FOCUS」では1曲1曲に「こう訴えかけたい」っていう明確な思いがあったので、アレンジがスムーズでしたね。

翔也 最初からバンドとして「FOCUS」で目指すコンセプトがわかっていたから、それをベースで表現するときにも今までとはまったく違った気持ちで臨めたかな。そういう意味では全員ひと回り大きく成長できた気がします。

ニューアルバム「FOCUS」 2013年12月4日発売 / ブロウグロウ
初回限定盤 [CD+DVD] 3990円 / IKCB-9532~3
通常盤 [CD] 3360円 / IKCB-9536
CD収録曲
  1. Code:0
  2. 砂上の夢
  3. TABOO
  4. SIRIUS (FOCUS MIX)
  5. 赤い虚像
  6. Sleeping beauty
  7. Invisible
  8. Lost rain~失いの雨、その記憶との共生~
  9. The Redemption
  10. イノセント
  11. TRIGGER
初回限定盤DVD収録内容
  • 「TRIGGER」MV
DIAURA(でぃおーら)
DIAURA

2010年12月、yo-ka(Vo)と佳衣(G)の2人で結成されたヴィジュアル系バンド。現在は翔也(B)、達也(Dr)の4人体制で活動している。「Dictatorial Aura(独裁的なオーラを放つ)」をコンセプトに、ライブ活動や作品のリリースを展開。2013年5月には初の赤坂BLITZワンマンライブを成功させ、夏には全国11カ所を回る単独ツアー「日本独裁計画2013」を敢行した。同年12月4日に通算2枚目のフルアルバム「FOCUS」をリリース。本作を引っさげて、12月29日には初の渋谷公会堂ワンマンライブも行う。