同じ青でもいろんな青がある
──なるほど。DEPAPEPEが持っているさまざまなカラーを提示するという思いがアルバムタイトルにも反映されているんですね。
三浦 はい。ただ、さまざまな色彩が入っているということでもあるんですけど、「COLORS」のベースとなる根底の色は1つなんですよ。ジャケットにもそういう思いを込めています。「同じ青でもいろんな青があるよね」っていう。
──今作は全体的にシンプルな構成というか。お二人を含め、演奏者の息遣いが伝わってくるので、それが全体の温もりにつながっているのかなと。
三浦 今回はトーンを大切にして、これまで以上に指でギターを弾いた楽曲が多いです。そういうことで今までにない「甘さ」も表現しようと。もちろん、ピックを使った楽曲に関しても同じ思いで弾いています。
──結果、お二人の優しくてピースフルな人柄が、全体から滲み出ていると思いました。
三浦 そうですかね?(笑)
徳岡 僕はそうだと思いますよ。君(三浦)はどうか知りませんが。
三浦 あはは(笑)。でも、そう感じてもらえるのはうれしいです。
2人で飲みにいくなんて考えられなかった
──制作はスムーズに進んだんでしょうか?
徳岡 いや、けっこう苦労しましたね。アイデアを集約させる作業が特に。
三浦 1曲を完成させるためにアイデアを膨らませていく、という作り方ではなくて、アルバムの中にこういう要素があればいいよねというイメージが先にあって、そこに向けて曲を作っていくというやり方で。まとめる作業が大変だったというか。
──パズルのピースを合わせていくような?
三浦 はい。「ピースはあるんやけど、これはハマらんな」という作業の繰り返しが1年くらい続きまして、それが大変だった……と、徳岡さんが話していました(笑)。僕は横で「がんばれ!」って応援していただけなんで。
──1年にわたる苦労の結果、とても聴きやすい内容になっていると思いました。特に前半は、ドライブ中に聴いたら心地良さそうなAORやシティポップふうの曲が多くて。お二人の好きな音楽を編集したプレイリストをアコースティックギターで表現しているような印象を受けました。
徳岡 今まであった派手さはないのかもしれないですが、今回は自分たちが普段聴いているような音楽を表現しようと思っていました。BGMとして流して心地良い、自宅で聴いていて気持ちいい音楽を目指して作った部分は大きいですね。
三浦 「家で聴ける音楽」は、レコーディング後半におけるキーワードでしたね。最近、徳岡さんと飲みにいくと「ゆっくり聴ける楽曲を作りたい」っていう話をすることが多くて。結果としてアルバムもそういう内容になったのかなって。
──お二人で飲みにいくと、音楽談義なんですね。
三浦 結成当初では絶対に考えられなかったことですね(笑)。そういう話ができる余裕が僕になかったので。お酒を飲みながら音楽の話をできる状況までたどり着けたのはうれしいです。そういうラフな空気感も、アルバムから感じ取っていただけると思いますよ。
──15年経過して、いい意味で壁が取り払われた感じなんでしょうか。
三浦 でも、踏み込み過ぎると怒られますけど(笑)。
徳岡 そんなことないですよ! まあ彼は後輩なので、時々敬語を忘れてたら怒るくらいで(笑)。
初めてのスリーフィンガーで炭酸のプクプクを表現
──息の合った雰囲気は特に、お二人だけで演奏されている「Soda」や「小鳥のキャロル」から伝わってきます。「小鳥のキャロル」は、本当に小鳥のさえずりが曲の間から伝わってくるようで。
三浦 2人だけで演奏している楽曲は、遊びのフレーズも積極的に取り入れているんです。フレーズの受け渡しやハモりとか、ギターデュオならではの表現をしてみたつもりです。ぜひコピーしてもらいたいですね。途中で面倒なフレーズがあるかもしれないですけど(笑)。
──そこはうまく誤魔化しつつ演奏しましょうって感じですね(笑)。
三浦 そうですね(笑)。「Soda」では炭酸がプクプクと泡立つ感じを表現したくて、スリーフィンガー(右手の親指、人差し指、中指の3本を使って弾く奏法)に挑戦しました。実はスリーフィンガーって今までやったことがなくて、この曲のために練習したので、ぜひ聴いてほしいですね。新たな奏法に挑戦したことでアコースティックギターの奥深さがまたわかったし、さらにアコギが好きになりました。
──お二人で奏でるシンプルなアコギサウンドがある一方、本作にはJとBの梶原順さんとコラボした楽曲「J.D.P.」も収録されています。お二人は彼らの音楽に強く影響を受けたとか。
三浦 はい。これまでもJとBのお二人との共演はあったのですが、梶原さんお一人とのコラボは今回が初でしたね。
徳岡 そもそもこの曲調はJとBに出会っていなければ完成しなかったものなので、「梶原さんが入ったらこうなるだろうな」と予測しながら作りました。共演させていただけて感動しましたし、「相変わらずJとBはかっこいいな」って思いましたね。
三浦 面白かったのが、僕らが梶原さんをイメージして曲を作っていたように、梶原さんも「こういう音を一緒に作ったら、面白いことができるのでは?」と僕らのことをイメージして曲をアレンジしてくださっていて。つまり、お互いがお互いをフィーチャーして曲を作っていたんです。これって素敵なことですよね。
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自由に聴いてもらえるのがインスト音楽の魅力
- DEPAPEPE「COLORS」
- 2017年4月12日発売 / SME Records
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初回限定盤 [CD+DVD]
3600円 / SECL-2129~30 -
通常盤 [CD]
3100円 / SECL-2131
- CD収録曲
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- Color
- Letter from the forest
- Girl
- Diary
- Soda
- J.D.P.
- 小鳥のキャロル
- 旅立ちの日
- Reflection
- My Hometown
- 初回限定盤DVD収録内容
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Daiwa Sakura Aid presents DEPAPEPE ワンマンライブ 日比谷野外大音楽堂 THE MUSIC CIRCUS!!~雨男 VS 野外2016~ダイジェスト「6月11日 晴れました!」
- 星の数だけ願いは届く
- S.E.L.
- START
- DEPAPEPE「LIVE TOUR 2017~COLORS~」
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- 2017年4月15日(土)
北海道 cube garden - 2017年4月22日(土)
大阪府 松下IMPホール - 2017年4月23日(日)
愛知県 DIAMOND HALL - 2017年4月30日(日)
福岡県 イムズホール - 2017年5月3日(水・祝)
東京都 EX THEATER ROPPONGI
- 2017年4月15日(土)
- DEPAPEPE(デパペペ)
- 2002年に結成された2人組ギターインストゥルメンタルユニット。「インストミュージックをポピュラーに!」を目標に掲げ、2005年にアルバム「Let's Go!!!」でメジャーデビュー。継続して作品をリリースしながら韓国、タイ、インドネシアなどのアジア圏でも積極的にライブを行い、国内外で広い支持を得る。2015年12月にメジャーデビュー10周年を記念したベストアルバム「DEPAPEPE ALL TIME BEST~INDIGO BLUE~」「DEPAPEPE ALL TIME BEST~COBALT GREEN~」を発表。2017年4月に約3年ぶりのフルアルバム「COLORS」をリリースした。