ほぼ素でいるハシシ

ハシシ　なんて言うか、いろんなタイプのヒーローがいると思うんですよ。謎めいているのがカッコいい人もいるし、ガチガチに固めたヒーロー像を演じられる人もいるし、近所のお兄ちゃん的な立ち位置から成長を見せていく人もいて。俺の場合は何か考えてやろうとしても、全部バレちゃうんですよ。例えばSNSにしても、ぼくりりはうまくやってるみたいだけど、俺は使い方が雑で。

ぼくりり　ハハハハハ（笑）。

ハシシ　SNSでプロモーションしても、どういうヤツがやってるかがすぐにバレるっていう。俺はスターになろうと思っても無理だし、今はほぼ素に近い感じでやってますね。そのほうが楽なところもあるんですけどね、切り替えなくていいから。

──素の自分とアーティストの自分がほぼ同じと言うか。確かにSNSの使い方は大事ですけどね。

ハシシ　そうですね。SNSをどう使うかも、今はアーティスト活動の1つなので。ぼくりりのやり方を見てると、うらやましくなるんですよね。お前、超自由じゃない？

ぼくりり　そうですか？

ハシシ　だって、できたばかりの曲を動画でアップしたりするでしょ？ あんなことして怒られない？

ぼくりり　怒られたことないです。スタッフの人とかが内心めっちゃ怒ってたらどうしよう……。

ハシシ　（笑）。もちろん本人がブレーキをかけてるんだろうけど。俺は「ここまではOK」「ここからはダメ」というラインをすごく意識してるんですけど、ぼくりりはその境界線がいい意味であやふやだし、見ていて面白いんですよね。見られ方とか気にしてる？

ぼくりり　やろうとしていたんですけど、だんだんつらくなってきてるんですよねー。「これは言っていい」「これは言っちゃいけない」ということを気にしてない気配を出しつつ、実は気にしていたんだけど、それもめんどくさいなって。Twitterに関して言うと、インターネット上の家っていう感じがあるんです。スマートフォンにアクセスするときは、まずTwitterを開く。そこに常駐しつつ、LINEやFacebookに行く感じなんだけど、Twitterの格式が高くなっちゃったら、家に居づらいと言うか…。

ハシシ　でも、もともとシースルーの家でしょ？

ぼくりり　そうなんですよねー（笑）。全部見えてるし、しかもいろんな人が張り付いてるっていう。僕、ハシシさんのニコ生もメッチャ好きですよ。

ハシシ　あれこそ家でくだらないことやってるだけだけどね（笑）。

ぼくりり　懐かしさがあるんですよね。インターネットを心から楽しんでいたときの原風景と言うか。ハシシさんの放送にニコニ広告を打つのが最近の密かな趣味です。

「OUTRO」裏話

ぼくりり　そうだ、アルバムに入っている「OUTRO」のことも言っていいですか？

ハシシ　「俺を応援してくれ」という企画の曲ね（笑）。

ぼくりり　はい（笑）。電波少女と仲がよかったり、絡みがある人たちが（電波少女に対する）メッセージをしゃべってから始まる曲で、僕も参加させてもらってるんです。ただ、ハシシさんから企画の趣旨を聞かされてなくて「“Big up 電波少女”みたいなヤツを送って」って言われただけなんですよ。完成した曲を聴くと、僕だけちょっとやる気ない感じで「Big up 電波少女」って言ってて。

ハシシ　いや、それでいいんだって。ぼくりりが「ハシシさんのことは昔から知ってて……」みたいなこと言うとサムいと言うか、俺に言わされてる感が出ちゃうから（笑）。謎めいていたほうが魅力的だしね、ぼくりりは。でもすごくうれしかった。現状、電波少女は（ぼくりりに）遅れをとってるので、自分たちの作品に参加してもらうことで、ぼくりりにもメリットがあるようにしないとなって。