シンプルな音から生まれるグルーヴ

──今回のアルバムを作るにあたって、どんなイメージがありましたか？

池畑　スローであれアップテンポであれ、基本的にはダンスビートで踊れるものを考えてました。あと歌がどう前に出てくるかを楽しみにしてましたね。

Keicot　自分たちの持っている気持ちとかサウンドをストレートに表現できたアルバムだと思っています。もともとは「Hikari」という楽曲ができたときに「あ、アルバム作りたいね！」ってなったんです。「Hikari」ができる前はわりとパンキッシュな曲が多かったんですよ。でもバラードなんだけど力がある曲を作りたいっていう気持ちがずっとあって。強いメッセージと決意がある曲になりました。

池畑　オーソドックスなバラードなのに何度叩いても飽きないんですよね。好きなナンバーです。

Keicot　あと「Monster Girl」もオススメですね。自分で言うのもなんですけど歌詞が最高にぶっ飛んでます（笑）。女の子がみんな思っている気持ちをぶっちゃけていて、そんな言葉がスカのグルーヴに乗るっていう、いい意味でのギャップが気に入っています。

池畑　「Lolipop Queen」もいいよね。新型のブギかなと思ってます。シンプルだけど、そこに新しいブギの未来を見ました。

Keicot　すごくクールな仕上がりですよね。あとミックスが面白くて、歌詞に「渦巻き」とっていう言葉があるからサウンドを回してみよう、とか。そんな遊び心満載なレコーディングでした。

──「moa:」を聴いていると、池畑さんのリズムパターンの幅広さを改めて感じました。

池畑　今回はドラムが1個1個独立しているという部分を強く意識して叩きました。最小公約数を広げていくイメージというか。アフリカの民族音楽とか参考になるんですよ。1つひとつはシンプルなんだけど音が重なっていくとグルーヴが生まれるっていうね。

インディペンデントな活動のメリット

──池畑さんも圭一さんもいろいろなバンドでのキャリアをお持ちですが、このDeeDeeに関しては完全にインディペンデントに自分たちのレーベルで活動していますよね。その意義を教えてください。

池畑　DeeDeeでは自分の音楽を大事にしたいなって思ったんですね。外部でのバンド活動って、いい面もあるんですけど、人の手がいろいろ加わるうちに違うものに変わることもあるんですよ。でもインディペンデントな活動なら、自分が思ってるのと一番近い形で聴いてくれる人に届けられるかな、と。

──池畑さんにとってもこのバンドは大きなチャレンジなんじゃないでしょうか。

池畑　基本的にやっていることはあまり変わらないんですけど、リズム的には求めている最終形に近づいていってると思いますね。

Keicot　DeeDeeは打ち込み要素が多いので、今まで池畑潤二が築いてきたスタイルとはある意味対極を求めることになるんじゃないかって私は思ってたんですけど。

池畑　でも自分的には、これまでもエレクトロ的な要素はずっと好きだったんですよ。新しいリズムマシンが出ると買って試してましたし。このバンドを始めたことによって、そのあたりを突き詰めることになりましたね。