ナタリー PowerPush - DeeDeeFever

池畑潤二×Keicot×渡辺圭一 ベースレス3ピースの快感

日本のロックシーンの礎を築き、今も周囲に多大な影響を与え続けているTHE ROOSTERSのドラマー池畑潤二が、完全インディペンデントなスタイルで自らのバンド「DeeDeeFever」(ディーディーフィーバー)を結成した。

編成は、HEATWAVEでベースを奏でる渡辺圭一がギタリストとして参加し、紅一点のボーカリストKeicotを迎えたベースレスな3ピースバンド。ヘビーなロックサウンドをニューウェイブ的発想で鳴らすアルバム「moa:」を自身のレーベル「FEVER RECORDS」よりリリースし、先日は「ARABAKI ROCK FEST.13」の人気コーナー「BIG BEAT CARNIVAL A GO GO」でも話題を集めたばかり。このバンドの魅力について、池畑とKeicotの2人に話を聞いた。

取材・文 / ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

この3人でしか出せない音を

──DeeDeeFeverは、ぐいぐい腰にくる骨太なサウンドと、Keicotさんのハイテンションでコミカルなキャラクターが魅力ですよね。日本だけでなくワールドワイドに支持されるバンドだと思うんですが。

池畑潤二(Dr)

Keicot(Vo) はい、よく言われるんですよ(笑)。

池畑潤二(Dr) うれしいですね。メンバーそれぞれの経験値をひとつにして、この3人でしか出せない音をDeeDeeFeverでは出していきたくて。そこがバンドの目指すところなんです。

──Keicotさんも目指しているところは同じですか?

Keicot 私はもともとはパティ・スミスのカバーをやったり、けっこうストレートなバンドを組んだりしてました。でももっと自分の本質をさらけ出せるようなバンドをやりたいという欲求があって、「自分で作るしかない!」って始めたのがDeeDeeFeverなんです。3ピースなのは、バンドってすごい不思議なんですけど、人数が増えれば増えるほど決め事が多くなって、感覚的なプレイができなくなっちゃうんですよね。

池畑 そう、逆に動けなくなっちゃう感じってあるんですよ。

Keicot どうしても前のバンドのときは、ケースの中に閉じ込められて自分を表現しきれないっていう壁を感じていて。音も外さずきちんと歌わなきゃいけない、みたいな。でももっと自由な感覚で本来の自分をストレートに表現したくて「どうしたらいいんだろう?」ってところから池畑さんに声をかけたのがバンド結成のきっかけです。

ベースレスなのにベースが聞こえる

──渡辺圭一さんは今日は別バンドのツアー中でいらっしゃいませんが、お2人から見てどんな方ですか?

渡辺圭一(G)

Keicot すごく感覚的な人ですね。行動力があって仕事が早いんです。

──池畑さんと圭一さんとの出会いはいつ頃ですか?

池畑 2002年くらいですね。3ピースバンドJUDAを浅井健一と圭一と一緒に始めたとき。それから10年経って今はDeeDeeにつながってくるわけだから、縁って不思議なもんです。

──ベースレスの3ピースという構成ですが、本来ベーシストである圭一さんがギターを担当しているのがユニークですよね。

Keicot 実は圭一くんは2代目ギタリストなんです。前のメンバーが辞めたときに、ギタリストとして声をかけたら意気投合して。

池畑 3ピースでベースレスだと、ギターの感覚プラス、ベースの感覚が必要なんですね。「ギターとドラムをつなぐ要素とは何か?」ってことについてはいろいろ考えるものがありました。

DeeDeeFever

Keicot このアルバムがある意味圭一くんのギタリストとしてのデビュー作なんですよ。圭一くんはベーシストとしては、HEATWAVEやJUDA、石橋凌BANDなどで何十枚、何百枚と作品を出してるんですけどね。

──また面白いのが、ベースレスなのにライブを観ているとベースが聞こえてくる感覚があるんですよね。

Keicot そうでしょ? やっぱりそれがDeeDeeならではのポイントですね。それができるのも圭一くんだからだと思っています。

ニューアルバム「moa:」/ 2013年3月27日発売 / 2000円 / FEVER RECORDS / DQC-1052
収録曲
  1. Bang!Bang!Bang!
  2. Heartbreak I song
  3. Hikari
  4. Lolipop Queen
  5. Monster Girl
  6. Monkey Love
  7. Arucoto
  8. Heartbreak I song(Turbo Mix) by Hosomi Sakana
DeeDeeFever LIVE SCHEDULE
  • 2013年5月11日(土)
    愛知県 愛知県 名古屋LIVE HOUSE OYS
  • 2013年5月12日(日)
    愛知県 豊橋AVANTI
  • 2013年5月24日(金)
    東京都 下北沢CLUB251
  • 2013年6月8日(土)
    東京都 吉祥寺ROCK JOINT GB
  • 2013年6月9日(日)
    東京都 下北沢CLUB251
DeeDeeFever(でぃーでぃーふぃーばー)

Keicot(Vo)、渡辺圭一(G)、池畑潤二(Dr)によるベースレスの3ピースバンド。ロックンロール、リズム&ブルース、ブギー、ディスコ、エレクトロといった音楽を雑食的に混ぜ合わせたサウンドと、ハイテンションなライブパフォーマンスで都内ライブハウスを中心に人気を集める。2013年3月に自主制作アルバム「moa:」をリリースし、同年4月には「ARABAKI ROCK FEST.13」に出演した。