LiSAちゃんはロック出身のちゃんとしたボーカル(MAH)
──お互いの音楽性についてはどう見ていますか?
MAH LiSAちゃんの曲を書いてるのは俺の友達ばっかりだからか、俺はアニソンとして聴いてなくて。普通に女性ボーカルのロックのアーティストって感じ。だから俺らのファンの子も、変なイメージとか持たないで普通に曲を聴いたら違和感なく入ってくるんじゃないかなと思ってる。ライブでも、パワーがすごくあるから初めて観に行ったときに「ああ、やっぱロック出身のちゃんとしたボーカルだな」って思いました。今戦ってるフィールドは違うかもしれないけど、すごくこっち寄りっていうか……そういうところがいいなあと。
LiSA ふふ(笑)。SiMは「KiLLiNG ME」ぐらいから一気にみんなが「SiMってカッコいいよね」って言うようになった印象なんですけど、「やっと気付いたか、みんな」みたいな気持ちで(笑)。本当にファン代表みたいな気持ちでずっとライブに行ってたし、メンバーチェンジを繰り返したりいろんなことがある中でもMAHさんが1人で「SiMを続けるぞ」って覚悟決めてやってらっしゃった姿をずっと見ていたので、ファンとしてすごくうれしかった。ライブを観たあとに音源を聴くとライブのときの景色が全部出てくるんですよね。「このとき、手振ってたな」とか「ぐちゃぐちゃになってたな」とか。ライブ行ったあとにもっともっと楽しくなれるっていうのが私がSiMさんを売るときの宣伝文句です!(笑)
──よく宣伝してるんですか?
LiSA いや、私がずっと心の中で思ってる(笑)。
MAH しろよ(笑)。
MAHさんのエロさには勝てない(山中)
山中 僕、常識を実力でひっくり返していく人がすごい好きで……例えばエミネムとか。その感じをSiMにすごく感じたんです。「強いな、この人ら!」みたいな。上の人でもお構いなしに潰すみたいなそういうエネルギーを感じるんですよね。レゲエとかそういうものをロックに取り入れていくときってすごいしんどいと思うんですよ、そのジャンルのアーティストからのプレッシャーとかもあるんだろうし。それを全部乗り越えてひっくり返していって、納得させる力を付けているというのは見習っていきたいなと思いますね。あと4人共カリスマ性があるんですけど、中でもMAHさんのカリスマ性が飛び抜けていて。そういうところも憧れます。
MAH 俺らとオーラルはジャンルで言ったら違うのかもしんないけど、雰囲気とかカラーというか、そういうところは通ずるものがあるのかなと思ってて。アウトプットの仕方が違うだけで、好きな音楽は近いのかなと。あとはやっぱ、ライブに暑苦しい部分と色気のあるセクシーな部分の両方を感じるんですよね、これはLiSAちゃんもそうなんですけど。それは自分たちも意識してるところで。日本人でそういう人って実はあんまりいないと思ってて。暑苦しさは出せるけど、色っぽい感じってなかなか出せる人がいないから、たぶん俺と拓也は、ロックシーンの中でエロいイメージで言ったらたぶんトップ2ぐらいだと思うんです。
LiSA わかる! めっちゃわかる。
MAH たぶん、そうだよね。そういうところがすごくいいなって思うし、負けないようにしなきゃなとも思う。そこはオーラルの強いところじゃないかな。
山中 いや、MAHさんのエロさには勝てないんですよ。MAHさんのエロさはMAHさんにしか出せないエロさなので、僕は僕なりの色っぽさを出して張り合っていこうかなと思ってます。
LiSA 2人のずるいところは、エロいのにかわいいんですよね。
MAH 自分もそうじゃん。
LiSA かわいさも持ってるじゃない? だって男性ですよ? 全部持ってるってずるいですよね。
山中 LiSAさんは男っぽさもあるじゃないですか。
MAH そうだよ。
山中 ライブでの男気みたいなものをいつも感じていて。だから男の人からも女の人からも好かれるんやろなって思ってたんですけど、今日のMAHさんとの話……昔ロックバンドをやってたという話も聞いて、すごく合点がいきました。
アリーナツアーの翌日かあ……出る!(LiSA)
──そんな3組が今年の「DEAD POP FESTiVAL 2017」で競演するわけですが。LiSAさんは今回が「DEAD POP FESTiVAL」初出演ですね。
LiSA はい、ずっと「うらやましいな」って思ってました。SiMが好きすぎて軽々しく行けないなと思ってて、実際に伺ったこともなくて。ちゃんと呼ばれるようになってから行こうとずっと温めてました。ファンの方とか出演者の方とかのSiM愛がすごいなっていう印象ですね、「私のほうが好きだけど」って思ってますけど(笑)。だからこそ軽々しく遊びに行けないなって。だから今年出られてうれしいです!
MAH だってスケジュール、めちゃくちゃだもんね。前の日がアリーナなんだっけ?
LiSA そうです。今月から始まったアリーナツアー(「LiVE is Smile Always ~LiTTLE DEViL PARADE~」)のファイナルが、7月1日に愛知・日本ガイシホールであって。7月1日って「DEAD POP FESTiVAL 2017」の1日目なんですよね。だから誘っていただいたときに「うわああ!!……でも絶対出たい! どうしよー」って。
MAH こっちはスケジュール聞いて「出なくていいよ」って思ったんですけど(笑)。
LiSA 出るよー! だってずっと待ってたんだもん! 「ずっと待ってたけどアリーナの次の日かあ……出る!」みたいな。
山中 すごい! 男気だよ。
MAH ツアー、しかもアリーナツアーのファイナル翌日って普通出ないっすよ。気持ちがわかるからこそ、余計にうれしかった。LiSA名義になってから一緒にやりたいなっていう気持ちはずっとあって。フェスとかで一緒になることはあったけど、バンドが呼ぶのと、イベントで一緒になるのって違うものなので、SiMのツアーに出てもらうでもなんでもよかったんだけど、ちゃんと何かしらで呼びたいなとずっと思ってて。で、なんでかはうまく言えないんですけど、それが今年の「DEAD POP FESTiVAL」かなと、勝手に思ったんですよね。ラインナップを決めるとき、最初にメンバーで「今年は誰を呼びたいか」って話をするんですけど、スタッフも含めて全員一致でした。忙しいのはわかってたんですけど、今年「DEAD POP FESTiVAL」のお客さんにLiSAちゃんを見せたいなと。LiSAちゃんのよさはライブを観てもらえたら絶対伝わるのわかってるから。このイベントは全組SiMが呼んでるから、お客さんもわりと「毛嫌いしないで一旦見てみよう」みたいな感じで来てくれるところがあって、「壁を壊す」というコンセプトのフェスなんですけど、お客さんのそういう壁も壊せたらなと思ってます。
愛しか感じない(山中)
──山中さんは2015年に続き2回目の出演です。前回出演したときの印象はどんなものでした?
山中 僕らはバンド主催のフェスに出させてもらうのが初めてだったんですよ。だからか、最後のSiMのライブを観ているときにすごく泣けてきて。LiSAちゃんが言うように、いろんなバンドのSiMへの愛がこもったMCを聞いていて、「なんて愛されているバンドなんだ!」って。それまでもずっと泣きそうだったのを我慢してたんですけど、最後にボロ泣きしちゃった。これがバンドマンのつながりなんだなって。だけど次の年は呼ばれなくて悔しい思いもしました。でもラインナップ観たら面白いんですよね。マンネリ化しないように工夫してるんだろうなっていうのもわかったから、今年も呼ばれないんちゃうかって思っていたらMAHさんから電話をもらって。「ああ、やっぱりこうやって電話で連絡くれるし、この人はほんまにすごい人やなあ」って思いました。
MAH やべえ、LiSAちゃんに電話してねえ(笑)。オーラルはもちろん去年も名前は挙がってたんだけど、拓也が言ってくれた通り、毎年呼ぶんじゃなくて「ここは1回休んでもらって」みたいなのをすごく考えてて。あとは同世代バンドとの関係性とかも意識して、例えば「今年、オーラルと同じ世代のこのバンド呼んだらあいつら悔しがるだろうな」とか。
山中 それ、去年めっちゃありました。
MAH 逆に「今年こいつらがこっちのステージに出たら、あいつら燃えるだろうな」とか。それは俺らが「京都大作戦」で実際に経験したことだから、それを次の世代につなげたいなっていうのもあって。今年は前よりも忙しくなってるのも知ってたけど、今年はやっぱデカいほうのステージに出てもらいたいなっていう。それもメンバー全員一致だった。
山中 大きいステージで、とお誘いをいただいて単純にうれしかったっすね。「ストーリーを一緒に作ってくれるバンドだな」っていうのもすごい感じて。なんなら「DEAD POP FESTiVAL 2015」の前の北海道ツアー(WE HATE COLD TOUR 2015)にも誘ってもらって……あれだけ嫌われてたのに(笑)。
MAH 嫌ってたんじゃない、相手にしてなかった。
山中 もっとつらい(笑)。1年目の「DEAD POP FESTiVAL」に出してもらったとき、小さいほうのステージで「来年は絶対にメインステージに」みたいに大口叩いたんですよ。なのに翌年呼んでもらえなかったからつらいと思ったんですけど、そしたら今年メインステージに上げてもらって。愛しか感じないですね。
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神奈川のバンドが目標にしてくれたら(MAH)
- DEAD POP FESTiVAL 2017
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- 2017年7月1日(土)
神奈川県 東扇島東公園 特設会場 -
<出演者>
- CAVE STAGE
- HEY-SMITH / coldrain / SHANK / PUFFY / 氣志團 / ROTTENGRAFFTY / SiM
- CHAOS STAGE
- 岡崎体育 / 四星球 / SUPER BEAVER / NAMBA69 / bacho / 山嵐
- 2017年7月2日(日)
神奈川県 東扇島東公園 特設会場 -
<出演者>
- CAVE STAGE
- The BONEZ / THE ORAL CIGARETTES / キュウソネコカミ / LiSA / Crossfaith / マキシマム ザ ホルモン / SiM
- CHAOS STAGE
- 夜の本気ダンス / GOOD4NOTHING / STOMPIN' BIRD / MUCC / DUB 4 REASON / My Hair is Bad
- 2017年7月1日(土)
- SiM(シム)
- MAH(Vo)、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の4人からなる湘南で結成されたレゲエ•パンクバンド。2004年11月に結成され、数度のメンバーチェンジを経て2009年に現編成となる。パンク、ハードコア、スクリーモをベースとする轟音サウンドにスカやレゲエのエッセンスを取り込んだ“レゲエパンク”サウンドで頭角を現す。ライブハウスシーンを中心に活動し、2011年「KiLLiNG ME」のMUSIC VIDEOの視聴回数がインディーズバンドとしては異例の再生回数を記録(現在1600万回以上再生)。同曲を収録したアルバム「SEEDS OF HOPE」もスマッシュヒットを記録した。メジャー10社以上が獲得に乗り出す中、ユニバーサル・ミュージックをパートナーに選び、2013年4月に4thシングル「EViLS」、10月に3rdフルアルバム「PANDORA」を発売。その後も着実にリリースを重ね、2015年11月には日本武道館公演も完売させた。2016年4月には4thフルアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」を発売。同アルバムのリリースツアーでは全国26公演すべてがソールドアウトとなる。野外開催2年目となる自身主催イベント「DEAD POP FESTiVAL」を大成功に収め、10月にツアーのグランドファイナルとして行った神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブも即日の完売となった。2017年3月から4月にかけて実施したワンマンツアー「THE BEAUTiFUL PEOPLE TOUR -season II- "ONEMAN SHOWS 2017”」では全国10カ所で28000人以上を動員した。7月に「DEAD POP FESTiVAL 2017」を主催する。
- LiSA(リサ)
- 6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立。5月に通算4枚目となるフルアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」をリリースした。9~11月にはアルバムを携えてのライブツアー「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」を行う。
- THE ORAL CIGARETTES(オーラルシガレッツ)
- 2010年に奈良で結成された4人組ロックバンド。メンバーは山中拓也(Vo, G)、鈴木重伸(G)、あきらかにあきら(B, Cho)、中西雅哉(Dr)。アグレッシブかつ緻密に構築されたサウンドでファンを増やしていき、2012年にオーディション「MASH FIGHT!」にて初代グランプリを獲得する。2013年8月に1stミニアルバム「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」をリリース。その後、2014年7月にメジャー1stシングル「起死回生STORY」、同年11月にアルバム「The BKW Show!!」を発表。2015年9月下旬から山中の声帯ポリープ摘出手術のため、約2カ月間ライブ活動を一時休止するも、11月にアニメ「ノラガミ ARAGOTO」のオープニングテーマ「狂乱 Hey Kids!!」をシングルリリースした。2016年4月30日には地元・奈良のなら100年会館で初のホールワンマンライブ「THE ORAL CIGARETTES 唇ワンマンライブ~故郷に錦を飾りまSHOW!!~」を開催。2017年2月には3rdアルバム「UNOFFICIAL」を発表、6月には初の東京・日本武道館でのワンマンライブを実施した。