DUAL ALTER WORLD|声優とメタルギタリストがバンド結成!DTMを共通言語とする2人が世界に変革をもたらす

ボーカルの音域は通常ではありえないほど高い

──レコーディングで印象に残っていることを教えてください。

小岩井ことり

小岩井 すべて自宅で1人でレコーディングをしたので、自分なりに曲やメロディの意味を考えながらテイクを重ねました。自分で録音するので、好きなテイクを自由に選べるのは楽しいです。グロウルをするときはやはり声量が上がるので、ご近所さんたちに通報されないかは心配でしたね(笑)。

──レコーディングではRYUさんから小岩井さんに、どのようなディレクションをなさいましたか?

RYU ハモリやコーラスのディレクションをしたぐらいで、歌詞含めてメインパートに関してはほぼこっこちゃんの思うようにやってもらっています。その化学反応が楽しみで楽しみで! 僕の魂である曲と小岩井ことりの魂が合わさって別の次元のものができるというわくわく感がたまらないですね!

──例えば3曲目の「CONSOLE1」は声色の使い分けによってデュエットのようにも聞こえます。同曲における表現も含めて、声優としてのスキルが歌唱に生きていると感じる部分はありますか?

小岩井 「CONSOLE1」は「主人公とルーシェ(壊れたアンドロイド)の歌声なのかな?」と、全体を通して聴いてみて思いました。それで言うと「Dual Moog」はルーシェの記憶の中のデータで、昔のご主人だった姉妹なのかな……? 想像が膨らみますね!

──個人的には8曲目「Northern Oscillator」のボーカルおよびコーラスが特に印象的でした。

小岩井 「Northern Oscillator」が産まれたのにはエピソードがありまして。7月に発売されたBLOOD STAIN CHILDのニューアルバム「AMATERAS」の店舗別特典で「EARTH」という曲に歌唱で参加させていただいたんですが、メロディが男性ボーカルのキーだったので、女性キーに変えたあと、さらに1オクターブ上げで歌ったんです。それが好評だったようで、「Northern Oscillator」もそういう高めの歌を入れてみようとなったんですが、女性ボーカルキーのさらに1オクターブ上なので、とんでもなく高くて! なんとか声が出てよかったです(笑)。

RYU

RYU 「Northern Oscillator」のボーカルは通常ではありえない音域です。本当に驚愕しました。ピッチシフターは使っていないですからね! 本当に歌っているんですよ。最高音はD6になります……通常の女性ボーカリストの音域だと、高めでもE5とかですからね。

──DAWにおける小岩井さんのボーカルを、RYUさんはどう評価されますか?

RYU やはり2人2役の「CONSOLE1」や「Dual Moog」は特に聴きどころですね。ほかの曲も、ただ力強く歌うだけではない、とても繊細な表現をしているので着目してほしいです。とても感情移入しやすいと思います。

──DAWの音楽はEDM的な要素を取り入れたメロディックデスメタル / シンフォニックメタルという言い方ができると思いますが、そうしたトラックに小岩井さんのボーカルが乗ることで起こった化学反応はありましたか?

RYU 曲だけならBLOOD STAIN CHILDと似たような雰囲気があるとも思うのですが、こっこちゃんのボーカルが乗ることで、よりシネマティックに、よりストーリー性が感じられるものに仕上がりました。それは多彩な表現力や声色によるものだと思っています。

初ライブはドラマ性を表現したエンタテインメント性のあるものに

──豪華盤のDVDに収録された「chaos effect」のミュージックビデオとメイキングの見どころを教えてください。

小岩井 人生初のちゃんとしたMV撮影でした。撮影時にはとってもドッキドキで……メイキングも入るので、DAWの最初で最後の“初めてのMV撮影”な姿をぜひ見守っていただければと思います。2月に半袖とスカートで撮影したので気合いでがんばりました(笑)。MVはまさにDAWのコンセプトをそのまま映像にしたような“デジタル+メタル”の世界観を表現できていると思います。照明もすごく豪華で、かなりの数を持ち込んでもらいました。ぜひいろんなところに注目して何度も見返してほしいです。

──11月には1stライブが控えていますが、どんなステージにしたいですか?

小岩井 やはり“デジタル+メタル”というDAWの世界観を表すためには映像演出は不可欠だと思うので、できることを今一生懸命に探っています。ストーリーと連動したような、ストーリーの種明かしのような部分のあるライブにしたいので、ぜひ見逃さずに来てほしいです。

RYU こっこちゃんといろいろ話し合っているのですが、アルバムのドラマ性を表現できる、エンタテインメント性のあるものにしたいと考えています。ただ演奏するライブというものではなく、わくわく感がある、エンタテインメントにしたいです。

──今後、DAWというバンドで表現していきたいこと、挑戦していきたいことは?

小岩井 今回のアルバムで“デジタル+メタル”、そして“ストーリー+メタル”というDAWのコンセプトが確立したと感じていて。初めてのアルバム制作ということもあって、次回への課題を見つけることができたと感じています。定まったコンセプトをよりブラッシュアップして、世界中にお届けしていきたいです。

RYU 「常に新しいものを作り続ける」ということは僕自身の信条でもあるのですが、これからこっこちゃんと一緒に、新たな可能性を示していきたいと思っています。ファンの皆さんと一緒に、みんなでどんどん世界を変革していきたいです。さまざまな世界が見られることを楽しみにしています!

DUAL ALTER WORLD

公演情報

DUAL ALTER WORLD 1st LIVE TOUR 2019 "DAW"
  • 2019年11月16日(土)大阪府 ESAKA MUSE
  • 2019年11月24日(日)東京都 新宿MARZ