CUBERSインタビュー|「あれ、本当に解散するんだっけ?」変わらない5人が贈るラストシングル

CUBERSのラストシングル「スキャンダラスKISS~final act~」が3月6日にリリースされた。

3月31日に解散するCUBERS。昨年6月の解散発表以降、結成8周年を記念したフリーライブ、夏と冬には全国ツアー開催と、これまでと姿勢を変えず、泥臭くも前向きな活動を行ってきた。そんな彼らが発表したラストシングル「スキャンダラスKISS~final act~」の表題曲は、2019年に発表されたメジャーデビュー曲「メジャーボーイ」以来となるつんく♂作詞曲。今回のインタビューでは新曲や3月20日に発売されるベストアルバム「CUBERS BEST 2015-2024」、解散を間近に控えた現在の心境を語ってもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦撮影 / はぎひさこ

いろんなことの“最後”を迎える時期

──3月31日のグループ解散直前のタイミングですが、皆さんの今の心境は?

TAKA いろんなことの“最後”を迎えるのが寂しいです。解散を発表してから半年以上経って「踊らないワンマン」という毎年恒例のライブも終わってしまったし、最後のレコーディングも終わった。最後のツアーもやり切ったし、ワンマンライブも残すは3月31日の解散ライブしかない。そう考えると、CUBERSとしての時間はもうごくわずかなんだなと実感します。

末吉9太郎 僕は不思議なことにまだ全然実感がないんです。別にメンバーの仲が悪くなったとかでもないから、楽屋の空気感とかMCの内容は全然変わらないし、「あれ、本当に解散するんだっけ?」って思っちゃうくらいいつも通り。3月31日が近付いてきたらどういう気持ちになるのか、想像がつかないです。

 末吉さんと一緒で僕も実感がなかったけど、こういう取材で解散のことを聞かれるたびにハッとするような感覚がありますね。例えば僕ら5人が楽屋にいて「もう解散だね」みたいな話にはならないし、意識もしていない。だから取材があるたびに「そうか。僕ら解散するのか」って突き付けられる感じがしています。

CUBERS

CUBERS

──解散発表をしてから夏のツアーと冬のツアーがあり、ファンの方々と接する機会も多くありましたよね。ファンと対面する中で実感したことはありますか?

綾介 ライブの1曲目から泣いてしまうファンの方もいて、ライブをするたびに名残惜しい気持ちになります。ファンの方々は僕らの決断をただ受け入れるしかないし、悲しい気持ちにさせてしまって申し訳ないという思いは、やっぱりあって。

春斗 解散発表をしたあと、初めてライブをしたときのお客さんの表情は忘れられないですね。ライブを楽しんでるけど、寂しさと悲しさが入り混じってる感じ。僕らもいろんな気持ちが込み上げてきました。

解散も悩みも苦しみも“世間じゃよくあるっちゅうねん”

──ラストシングル「スキャンダラスKISS~final act~」はメジャーデビュー時以来となるつんく♂さんの提供曲です。CUBERSにとってつんく♂さんはどんな存在ですか?

TAKA 僕らを押し上げてくれた存在であることは間違いないです。メジャーデビュー当初、ステージ上には僕ら5人しかいないのに「メジャーボーイ」を歌っていると後ろにつんく♂さんがいてくれるような感覚になることがよくあって。すごく頼もしいというか、自信につながりました。もちろん存在感だけじゃなくて曲が持つパワーもすごくて、「メジャーボーイ」も「スキャンダラスKISS~final act~」も僕らのライブにおける大きな武器になっています。

9太郎 僕らの解散に際しても、すごく長いメッセージをいただいて(参照:CUBERSラストシングルはつんく♂作詞の手強い曲、ベストアルバムの収録内容も発表)。CUBERSのことを考えて歌詞を書いてくださったことが伝わってきて、込み上げてくるものがありました。

──いろいろな作家の提供曲を歌ってきたCUBERSの皆さんが「スキャンダラスKISS~final act~」を歌う中で感じた“つんく♂節”はありますか?

綾介 「止まらぬ機関車」のところで裏拍を取る感じがつんく♂さんっぽいというか。「あ、ハロプロでよくあるやつ!」と思いました。

春斗 それぞれのフレーズに歌をハメるのが難しいんですよ。そこに意識を持ってかれるけど、しっかりハメながらなおかつグルーヴ感を出すようにしてて。つんく♂さんの楽曲はリズム感が独特なんです。

9太郎 僕は「訳あり な 人生 世間じゃ よくあるっちゅうねん」の関西弁が突然出てくるところが、めっちゃつんく♂さんだと思いました。それと「世間じゃよくある」という表現にすごく救われた気持ちになりました。

末吉9太郎

末吉9太郎

──それはなぜ?

9太郎 これは僕らCUBERSだけじゃなくて、みんなにも当てはまることだと思っているんですけど、個人が抱えている問題や悩みって、考えすぎると自分の中ですごく大きくなってしまいがちじゃないですか。でも世間で起きていることを考えて、外に目を向けてみると、“世間ではよくあること”だったりする。グループの解散だって、個人の悩みだって、世間的に見たら珍しくない。だから僕はつんく♂さんにこう言ってもらってすごく救われた気持ちになりましたし、聴いてくれる人たちみんなを楽にするような言葉だなと思いました。

TAKA つんく♂さんの言葉にはやっぱり力があるよね。

──冬のツアーでは、リリースに先駆けて「スキャンダラスKISS~final act~」を披露されていました。ライブで披露した感触はいかがでしたか?

TAKA ノレる曲だし、シンプルに楽しいです。もっとたくさんやりたいけど、これから先数えるほどしか披露できないのはもったいないなと思っています。この曲に限らずですが、まだまだ歌いたい曲がたくさんあるので。

TAKA

TAKA

9太郎 最後の最後につんく♂さんがこんな力の入った曲を作ってくださって、本当に光栄なことだと歌うたびに噛み締めています。