ナタリー PowerPush - COUNTLOST

国際色豊かな4人が紡ぎ出す“音楽の歯車”「HUMANGEAR」

幼少期をそれぞれオーストラリア、香港、マレーシアで過ごしたtakuto maeda(Vo)、kazuya fukuda(G)、yusuke kai(B)と、日本からほとんど出たことがないmasaru sasaki(Dr)という異色の4人からなるバンド、COUNTLOST。2007年には「SUMMER SONIC 07」に出演、2011年には台湾でライブを行うなど精力的に活動してきた彼らが結成9年目を迎える今年、初のフルアルバム「HUMANGEAR」を満を持してリリースする。ナタリーでは今回、メンバー4人にインタビューを実施。バンド結成秘話から待望のフルアルバムの魅力に至るまで、じっくりと話を聞いた。

取材・文 / 斉藤碧 インタビュー撮影 / 佐藤類

いざ集まってみたら帰国子女ばかりだった

──COUNTLOSTはどのようにして結成されたんですか?

左からtakuto maeda(Vo)、kazuya fukuda(G)。

kazuya fukuda(G) 最初は僕とドラムのmasaruが通っていた専門学校が一緒で、2人でバンドを始めようとしてベースを探したんです。それで、たまたま僕の友達からkaiを紹介してもらって。でも最初に会ったとき、kaiは紙袋にベースを入れて持ってきて。

──えっ!?

fukuda ベースを弾ける奴を紹介してって言ったのに、本当はベースじゃなくてギターだったみたいで。

yusuke kai(B) 実はベースが弾けなかったんですよ。マレーシアに住んでたときの友達から「ベース弾ける?」って電話が来て、なぜか「弾けるよ」って言っちゃって(笑)。だから「スタジオに入ろう」ってことになったときにほかの人にベースを借りたんですけど、ケースまでは借りられなかったから紙袋に入れて持っていったんです。

──強烈な初対面だったんですね(笑)。

fukuda はい(笑)。でもなんとかバンドを始めまして、当時よく対バンしていたのがtakutoのバンドだったんです。で、そのうちに「コピーバンドをやろうよ!」ってtakutoに声をかけて。遊びみたいなノリから入り、だんだん「本格的にバンドやろうよ」って方向に引き込んでいったんです。

kai アホみたいに酒飲ませてね(笑)。

fukuda この4人でCOUNTLOSTとして活動を始めてからもう9年になります。

kai なので帰国子女を集めようって気持ちは一切なくて、いざ集まってみたら帰国子女ばかりだったってだけなんですよね。

海外のバンドの音は常に意識してきた

──海外で生活していた経験がCOUNTLOSTの音楽性に影響を与えた部分はありますか?

fukuda それはあると思いますよ。幼少期に海外生活をしていたので、そのときの鮮烈な記憶が残っていますし、みんなけっこう洋楽を聴いていたのでその影響が今も出てるのかなと思います。

kai バンドを組むことになったときも、自然と「英詞でやろう」っていう話にはなったけど、具体的に「こういう音楽性でいこう」っていうのはなかったね。

takuto maeda(Vo)

takuto maeda(Vo) ただみんなの中で、メロディがしっかりあって、ハードなサウンドがあって、しっかりと世界観があるようなバンドがやりたいっていう考えはあったんですよ。好きな海外のバンドにそういうタイプが多かったので、そこは共通の認識としてあって。だから細かく音楽性を決めなくても自然と同じ方向に流れていったんですよね。

──見た目のイメージ的に激しいバンドかと思いきや、思いのほかメロディアスでスッと聴けますもんね。

fukuda そうですね。見た目よりさわやかだと思います(笑)。

kai 誤解されがちなんですが。あはは(笑)。

──バンドとして英詞にこだわるのも、やっぱり海外生活の影響なんでしょうか?

takuto そうですね。純粋に向こうの音楽が好きだったんで。僕たちが音楽をやり始めた当時……10年ちょっと前のバンドは海外ナイズされていないというか、自分たちがカッコいいと思えるバンドが少なかったんですよ。

fukuda 洋楽っぽい要素を持った日本のバンドっていうと、メロコアが主流でしたからね、当時は。

takuto うん。だから自分たちでやろうっていうことになって、海外で昔から活動しているバンドを参考にしていたんですよね。みんな70年代とかの音楽も意外と好きで、でも最近の音楽もけっこう聴くので、古いのから最近の音楽までいろいろ聴いて育っていて。僕らが高校生のときにはヘヴィロックブームも通ってきたから、海外のバンドの音は常に意識してきました。

takutoが日本語で歌ってることに慣れなかった

──洋楽に対して強いこだわりを持っているCOUNTLOSTですが、今回リリースされる1stフルアルバム「HUMANGEAR」の中には「D.N.A.」という日本語詞の楽曲も収録されています。これはどういう心境の変化で作ってみようと思ったんですか?

kazuya fukuda(G)

fukuda 「日本語の曲をやってみたい」とはバンドとしてずっと思ってたんですけど、なかなか機会がなかったんですよ。でもこの曲だけ、takutoがなぜか日本語で詞を付けてきたんですよね。

──それはなぜ?

takuto 最初にギターのfukuちゃんがバックトラックを作ってみんなに投げたんですけど、それを聴いたときにアジア的というかすごくキレイでオリエンタルな雰囲気を感じて、日本語の詞を乗せたいなって思ったんです。普段歌詞を書くときは英語で書き始めることもあれば、日本語でまず歌詞を書いて、そこから英語に直して歌詞を詰めていくこともあるんですけど、今回は言葉がワァーッと自然に出てきて、それをつなぎ合わせて自分でメロディを考えているうちに日本語がハマっていって。ただ、メンバーに初の日本語詞を発表するときはちょっと緊張しました(笑)。

一同 あはははは(笑)。

takuto けっこう自信があって「これだったらイケるんじゃないかな?」って思っていたんで、「これダサいよ」って言われたら俺もう作れねえなと思って(笑)。

──そんな渾身の作品を聴いた皆さんの反応はどうだったんですか?

fukuda 最初に聴いたときはちょっと違和感があったかな。

yusuke kai(B)

kai 詞の乗り方は全然自然だったんですけど、そもそもtakutoが日本語で歌ってることに慣れなかった(笑)。

takuto カラオケ以外では初めてだもんね。

kai そうそう。

fukuda しかも、このアルバムのために24曲くらい書いたんですけど、日本語の曲はこの曲だけなんですよ。でもすごくいい曲だと思ったし、新しい面を見せたいという思いもあったので、今回収録することにしたんですよ。

ニューアルバム「HUMANGEAR」/ 2013年9月11日発売 / MEBIUS RECORDS / MBUS-10003
[CD] 2100円 / MBUS-10003
収録曲
  1. DREAMERS & BELIEVERS
  2. INNOCENT LIARS
  3. D.N.A.
  4. SICK FAKE LOVE
  5. RUNAWAY
  6. SAILING SHIPS
  7. SURVIVORS DAY
  8. SPIN OF EARTH
  9. ONE LAST LIGHT
  10. SAME WORDS
  11. Born Slippy
COUNTLOST(かうんとろすと)

takuto maeda(Vo)、kazuya fukuda(G)、yusuke kai(B)、masaru sasaki(Dr)からなるロックバンド。オーストラリア、香港、マレーシア、日本で育った4人で結成し、ライブ活動をスタートさせる。キャッチーな美メロとエモーショナルなサウンドが魅力で、音源発表前にも関わらず「SUMMER SONIC 07」に出演した。2010年には自主レーベル「MEBIUS RECORDS」を設立。2011年には台湾にて初の海外公演も行った。2013年にはmaximum10のコンピレーションアルバム「MAYDIE!!」に参加。同年9月に初のフルアルバム「HUMANGEAR」をリリースする。