ナタリー PowerPush - COUNTLOST
国際色豊かな4人が紡ぎ出す“音楽の歯車”「HUMANGEAR」
“Devil nor Angel”(悪魔でも天使でもない)
──takutoさんは「D.N.A.」の歌詞を通してどんなメッセージを伝えたいと思ったんですか?
takuto あんまり歌詞のネタバレをするのもどうかと思うんですけど……太古、サルから人に進化してくる中で人間はいろんな歴史を繰り返してきているじゃないですか。素晴らしいものを生み出してみたり、戦争してみたり。そういう昔から引き継いできた歴史が僕らの細胞には組み込まれていると思っていて、つまり「D.N.A.」は“Devil nor Angel”(悪魔でも天使でもない)なんだなって思って。人間にはすごく素晴らしい面もあればすごく醜い面もあるけど、そこを踏まえた上で今自分が存在できていることを感謝すべきだなと、ポジティブな発想で“人間”を歌った感じですかね。
──物事を広い視野で見られるtakutoさんだからこそ書ける歌詞ですね。アルバムタイトルの「HUMANGEAR」にも通ずるところがあるように感じますが、アルバムを作る上で「HUMANGEAR」という言葉が1つの軸になっていたんでしょうか?
fukuda そうですね。音楽を通じていろんな人と関わることができたし、音楽があったから僕ら4人もこうして出会うことができたわけじゃないですか。なので音楽を1つの歯車として、その歯車をどんどん大きな存在にしていきたいなと思って「HUMANGEAR」という言葉を作ってタイトルにしたんです。
「Born Slippy」を僕らの曲だと勘違いしてる人もいた
──そして「HUMANGEAR」を聴く上で気になるのが、最後に収録されているUnderworld「Born Slippy」のカバー。この曲を選んだ理由は?
fukuda 単純に好きだったからですね(笑)。前からカバーには興味があって、試しに僕なりにアレンジしてみたらいい感じに仕上がったんです。もう1曲、マイケル・ジャクソンの「Human Nature」もカバーしていたんですけど、最初にしっくりきた「Born Slippy」のほうを収録することにしました。
──実際カバーしてみていかがでしたか?
kai もともとそんなにメロディがある曲じゃないのに、いざやってみたらメロディアスに聞こえて、面白い仕上がりになったと思います。ただ、僕らの中ではアルバム本編10曲にオマケ(=カバー曲)が付いてくるイメージなんですよ。「Born Slippy」だけはライブで何回かやったこともあったし。
──ライブで初めてこの曲をやったときの手応えってどんな感じだったんですか?
kai イントロが始まった瞬間に「おおー!」ってなるのかなって思ってたんですけど、みんなポカーンみたいな(笑)。なんだったら僕らの曲だと勘違いしちゃってる人もいましたからね。
fukuda ね? 昔から聴いていた身としては、「みんなUnderworld知らないの!?」って動揺しました(笑)。
1つの映画みたいに楽しめる作品を作れた
──「HUMANGEAR」は皆さんにとって、どんな1枚になりましたか?
fukuda 僕らはずっと歌を大事にしてきたんですけど、今回はギターのフレーズやピアノのフレーズ、オルガンのフレーズも歌えるものばかりで。その結果、最高のメロディが詰まったロックアルバムになったなと思います。
kai あと一般的には、今までPVになった曲や今回の「INNOCENT LIARS」のような疾走感のある曲がCOUNTLOSTのイメージとしてあるのかもしれないですけど、今作の本編10曲とカバーを聴いてもらうと「COUNTLOSTはジャンルに縛られていないんだ」っていうことを感じてもらえると思うんですよね。COUNTLOST節の入った曲ばかりなので、いろんな面を見てもらえたらと思います。
masaru sasaki(Dr) 今までのミニアルバムは1枚を通してのストーリー性よりも曲のよさを打ち出していく感じだったんですけど、今回は初めてのフルアルバムだし、1曲目からラストまでを通して聴いたときに1つの映画みたいに、楽しめる作品をきちんと作れたかなと思うんです。PVになっている曲だけを楽しむんじゃなくて、1枚まるごと聴いてもらいたいアルバムですね。
takuto 今回はCDのブックレットにすべての歌詞と僕なりに意訳した日本語詞が載っていて。英語だからなんとなく雰囲気で聴いてもらってもいいんですけど、日本語訳を追いながら曲を聴いたら僕がイメージしているストーリーがよりつかみやすくなると思うんですね。なので、ぜひCDを買ってもらってゆっくり楽しんでほしいです。
- ニューアルバム「HUMANGEAR」/ 2013年9月11日発売 / MEBIUS RECORDS / MBUS-10003
- [CD] 2100円 / MBUS-10003
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収録曲
- DREAMERS & BELIEVERS
- INNOCENT LIARS
- D.N.A.
- SICK FAKE LOVE
- RUNAWAY
- SAILING SHIPS
- SURVIVORS DAY
- SPIN OF EARTH
- ONE LAST LIGHT
- SAME WORDS
- Born Slippy
COUNTLOST(かうんとろすと)
takuto maeda(Vo)、kazuya fukuda(G)、yusuke kai(B)、masaru sasaki(Dr)からなるロックバンド。オーストラリア、香港、マレーシア、日本で育った4人で結成し、ライブ活動をスタートさせる。キャッチーな美メロとエモーショナルなサウンドが魅力で、音源発表前にも関わらず「SUMMER SONIC 07」に出演した。2010年には自主レーベル「MEBIUS RECORDS」を設立。2011年には台湾にて初の海外公演も行った。2013年にはmaximum10のコンピレーションアルバム「MAYDIE!!」に参加。同年9月に初のフルアルバム「HUMANGEAR」をリリースする。