Cody・Lee(李)「ようこそ!すももハイツへ」インタビュー|4組の来客と作り出す“音楽×お笑い”の交差点 (2/3)

ダウ90000と満を持しての初競演

──続いては、1日目のもう1組のゲスト・ダウ90000です。

Cody・Lee(李)の魅力とは?

Cody・Lee(李)の魅力は距離感だと思います。昨日通った道の歌を歌っている時もあれば、まだ見たことのない場所に思いを馳せることができる歌も歌う。知らない場所でも知ってる場所でも、徒歩でも車でも一緒に行ってくれる身軽さに安心感が芽生えたりするんじゃないでしょうか。

ダウ90000

ダウ90000

高橋 詩的な表現。さすがの文才です。もともとダウ90000のことは大好きだったし、リノちゃん(Cody・Lee(李)の元メンバー・尾崎リノ)と大学が同じだということもあって出てほしいなと思っていたので、満を持して競演できるのはうれしいですね。

ニシマ お客さんからの待望の声もけっこうあったもんね。「次回はダウに出てほしい」って。

高橋 蓮見(翔)さんは音楽好きだし、そういう意味でも「すももハイツ」にぴったりなゲストだと思います。「Cody・Lee(李)の好きな曲」に挙げてくれてるのは、たぶん「異星人と熱帯夜」だと思う。

──えー、「キャスパー」ですね。

高橋 違うんかい(笑)。「異星人」を単独ライブのBGMで流してくれていたって聞いたから、好きな曲もそうだと思ったんだけどな。でも「キャスパー」を挙げるってことはちゃんと聴いてくれてるんですね。

力毅 だいぶ深くまで知ってくれてるね。

──個人的に意気込みがすごく印象的だなと思いまして。「お互い言われたいエモいも言われたくないエモいもくらってきてそうなので、他の語彙を引き出せる何かを混ざることによって生み出したいと思います。この対バンが10年後くらいにしゃばいもんの固有名詞として使われてしまえと思って臨みたいと思います」とのことです。「言われたいエモいも言われたくないエモいもくらってきた」という感覚はありますか?

高橋 めっちゃあります。めっちゃあるし、初めてダウのコントを観て感じた“かゆいところに手が届く感覚”ってそこなんだなと今思いました。いろんなものをちょっと腐してるというか。そういうところが心地いいんですよね。

力毅 同じベクトルの尖り方をしてるよね。

高橋 ね。だからこそお互いに手札を隠しながら接しそう。すべてをさらけ出すのは難しいかもしれないです(笑)。

Cody・Lee(李)

Cody・Lee(李)

──確かに、音楽とお笑いという表現形態こそ違えど、Cody・Lee(李)とダウ90000の作品に触れたときの手触りはかなり近いものがある気がします。同世代で、似たような景色を見て、似たような匂いを嗅ぎながら育ってきた人たちが生み出すものというか。

高橋 描こうとしてるテーマはほとんど一緒ですもんね。それをコントでやるか音楽でやるかの違いでしかない。

──ちなみに原さんはダウ90000にどのようなイメージを持たれていますか?

 僕はもともと知らなくて、響にオススメのネタを教えてもらったんですよ。なんだっけ、公園で終電を逃すやつ……。

高橋 「ピーク」かな?

 あ、そうそう。大人数のコントは観たことがなかったので、すごく新鮮でした。

高橋 大人数と言えば超新塾かダウ90000かだからね。今回も原ちゃんにハマるといいなあ。自分たちの好きな芸人が原ちゃんにハマるかというのも、「すももハイツ」の裏テーマの1つにしていきたいと思います(笑)。

サニーデイ・サービスはCody・Lee(李)のお手本になるバンド

──2日目のゲストであるサニーデイ・サービスからもコメントが届いています。

Cody・Lee(李)の魅力とは?

Cody・Lee(李)の魅力とはカッコつけずに等身大でそれでいてかわいくてかっこいいところ。

サニーデイ・サービス

サニーデイ・サービス

ニシマ これはうれしいですね……。グッとくる。

高橋 てか、本当に出てくれるのかな?(笑)

ニシマ レジェンドすぎて、まだちょっと信じられないよね。ライブとか何回も観てるし、グッズも普通に持ってるし。

高橋 俺とニシマさん、まったく同じTシャツ持ってるからね(笑)。

──昨年含め、ほかのゲストは同年代か少し上の世代の方ばかりですが、ここに来て大先輩であるサニーデイ・サービスにオファーしたのはどういった理由からなんでしょうか。

高橋 ずっと競演したいと思ってたんですよ。Cody・Lee(李)とサニーデイ・サービスどっちも聴くという人も多いし、自分たちがリファレンスとしている音楽でもあるので。サニーデイが「冷し中華」という曲を出されているんですけど、Cody・Lee(李)にも「冷やしネギ蕎麦」という曲があったり、言いたいこととか、目につくものの感覚が近いのかなって勝手に思ってるんです。「桜 super love」とか、自分が言っていてもおかしくない気がして。

ニシマ 言ってそう。

高橋 そういう感覚が自分たちに近いというか、お手本になるバンドだと思うので、「すももハイツ」に出ていただいても違和感ないのかなと。

ニシマ 「桜 super love」もそうだけど、曲を出すたびにちゃんと時代に沿って進化しているのがすごいんですよね。オールドスクールな曲だけじゃないから、下の世代のバンドとライブをやっても違和感がないし、そこがめちゃくちゃカッコいい。

左から力毅(G, Cho)、ニシマケイ(B, Cho)。

左から力毅(G, Cho)、ニシマケイ(B, Cho)。

──サニーデイ・サービスは、あれだけのキャリアがありながら、ライブでここ数年の曲もちゃんと待ち望まれているのがすごいですよね。往年の名曲ももちろん盛り上がるけど、「春の風」(2020年リリース)がちゃんとハイライトにくるという。

高橋 いやあ、本当にそうなんですよね。そういう点も含めて、バンドをやるうえでの姿勢はかなり参考にしています。

ニシマ だいたいのバンドはキャリアを重ねるにつれて徐々におとなしくなるけど、サニーデイはまったくそうならないからね。曽我部(恵一)さんとか、いまだにギターをぶんぶん振り回してる(笑)。

──ちなみに曽我部さんは、Cody・Lee(李)の好きな曲に「我愛你」を挙げています。

力毅 意外だ。

高橋 確かに意外だね。サニーデイの雰囲気に近い曲が選ばれるのかなと思ったけど、まったく逆の方向に行くの、いかにも曽我部さんって感じがするな。“逆の人”だもんね、曽我部さんって。

──反対に、皆さんが特に好きなサニーデイの曲は?

高橋 僕は「桜 super love」の歌詞が大好きです。「きみがいないことは きみがいることだなぁ」の1行にこの世のすべてが詰まってる。「東京」の曲はどれも好きだし、サニーデイはもちろん、曽我部さんのソロ曲とかも大好きですね。

力毅 わかる。僕は「愛のかけら」という、ソロの曲が大好きで。イベントで競演したときに歌ってらっしゃったんですけど、聴いているうちに涙が出てきたんですよ。それぐらい曽我部さんの曲は聴き込んでます。

高橋 サニーデイだと「セツナ」とかも大好きですね。ライブでのやたら長いアウトロがめちゃくちゃ好きで。YouTubeに上がってる映像を観ると、15分くらいある(笑)。

ニシマ 最近のサニーデイのライブ、本当に激しいからね。

高橋 それを「すももハイツ」で観られるのが楽しみだし、自分たちも気合いを入れて演奏しないとなって思います。ちゃんといいところを見せないと。

ロングコートダディは「すももハイツ」にうってつけ

──そして最後は、サニーデイと同じく2日目に出演するロングコートダディからのコメントです。

Cody・Lee(李)の魅力とは?

Cody・Lee(李)の魅力とは耳心地の良さからくる中毒性と、みんなそれぞれ別の髪型をしているところである

ロングコートダディ

ロングコートダディ

高橋 だいたいそうじゃないですか?(笑) この飄々とボケてくる感じ、ロングコートダディの色が出てていいですね。うれしいです。

──お二人の出演は、どなたかの推薦で決まったんですか?

高橋 メンバーみんな、呼びたいと言っていて。前回も候補に入っていたんですよ。今回オファーしたのは「M-1」の予選の最中だったので、お忙しいタイミングだったと思うんですけど、ダメ元でお声がけしたら快諾していただいて。「M-1」の敗者復活戦を観ながら「この人たちが出てくれるのかあ」と思ってました。

──ロングコートダディはいわゆる寄席とか営業っぽいネタのイメージがあまりないので、「すももハイツ」の舞台でどんなことをするのか楽しみです。

高橋 そうですよね。漫才とかもカチッとしているイメージがあるので、こういう場でどんなネタをやるのかすごく気になる。どのネタも構成がしっかりしていて美しいので、それを長尺で観られるとしたら、すごく贅沢な時間になるんじゃないかなと。

──堂前(透)さんは音楽もすごくお好きな方なので、そういう点でも「すももハイツ」にぴったりですよね。

高橋 そうなんですよ。「すももハイツ」では、音楽と接点がある芸人さんだったり、お笑いと接点があるミュージシャンだったりをなるべく呼びたいと思っているので、そういう意味でロングコートダディは“来客”にうってつけの存在なのかなと。

──当日来るお客さんの中には、ロングコートダディのネタを観たことない人もいるかもしれません。そういう人にお二人の魅力を伝えるとしたら、どのようにプレゼンしますか?

高橋 ロングコートダディは2人ともキャラが立っててポップなんですけど、日常にいるちょっと痛い人とかおかしな人をいじる、みたいなシリアスさが根本にはあると思ってて。ちょっとした会話のおかしさだったり、細かい部分をつまんでネタにする感じが心地いいので、そういう部分に注目してほしいですね。

力毅 かと思えば、ファンタジーっぽいネタも意外とあるしね。リアルなネタもファンタジーなネタもどっちもいける。そういう幅の広さはCody・Lee(李)の音楽とも似てるんじゃないかなと思います。

高橋 確かにね。というか、ロングコートダディのネタは初見の人でも絶対に好きになると思います。2人のネタを生で観て笑わない人がいたら逆にすごい。

力毅 一昨年の「M-1」でやってたマラソンのネタとか、面白すぎてマジで泣いたもんなあ。

高橋 料理番組のネタとかも最高だよね。

力毅 あれを「すももハイツ」で20分間ずっとやられたらヤバいね(笑)。

高橋 当日どんなことをやってくれるのか、イチ観客として楽しみです。