砂川さんのジャンプ、すげえ低いですよね
──では、武井くんがこのMVで好きなシーンは?
武井 ラスサビの日高くんの「3、2、1 Jump Up To The Sky」という掛け声と同時に日高くんが跳んでるんですけど、砂川(一黄 / G)さんもちょっと横で跳んでるところです(笑)。
SKY-HI そうなの、そうなの。あれ、大事(笑)。
武井 なんか負けじと跳んでるんですよね。
SKY-HI 現場でも話題になって。最初のテイクで砂くんも跳んでくれたので、「じゃあみんなで跳ぶ?」ってなって。やってはみたものの「やっぱり違うな」ってなって(笑)。
武井 砂川さんのジャンプ、すげえ低いですよね(笑)。
SKY-HI 俺もこのシーンはダントツで好きだな。あと、監督が最初から計算したのかなって思うのは、俺が最初のサビの後に「3、2、1」ってカウントダウンするときに背後の建物の壁にも“1”“2”“3”ってナンバリングされてあって。
──あれは絶対計算してるでしょ。
SKY-HI ロケハンから見つけていたのか、それとも撮影場所に入ってから見つけたのか、今度監督に聞いてみたいですね。
──撮影のパフォーマンスもSKY-HIが引っ張ったところが大きいんじゃないですか?
武井 本当に。ウジウジしてらんないなって思った。
SKY-HI 俺の動きは普段より多めだし、大きめです。俺だけ楽器を演奏してないから、大きめの動きでいかないと逆に浮いちゃうなと思って。あと、武井くんやマイちゃんが歌ってるときのスタンスをどうしようかという迷いもちょっとあったんですよ。日本語ラップのコラボレーション史上、“手持ち無沙汰ランキング1位”は三浦大知の「No Limit featuring 宇多丸(from RHYMESTER)」の宇多丸さんだと思うんですけど。間奏で大知くんとダンサーが踊ってる背後で宇多丸さんが所在なさげに歩いてるのが最高で。宇多丸さんはあのシーンを各方面からいじられまくって「ああするしかないだろ!」ってキレたというエピソードがあるんですけどね(笑)。そういう意味で「タイムトラベリング」もみんなが演奏してるときに動かなければ動かないで変な目立ち方をするし、かと言って自分が前に出すぎるのもイヤだし、そのバランスはすごく意識しました。
武井 絶妙な立ち位置でいてくれたと思う。
SKY-HI あと、チェコって武井くんもマイちゃんも華のあるタイプのボーカリストだから。そういう面ではやりやすいところがありました。
武井 恐れ多いです。
抱かれたい感じがしますね
──ちなみに、2人がレコメンドする他アーティストのコラボレーション曲のMVを1本ずつピックアップしてもらってもいいですか?
武井 僕はDaft Punk「Instant Crush ft. Julian Casablancas」ですね。これはもう、曲が相当いいです。
──2013年リリースの「Random Access Memories」の収録曲ですね。
武井 そう。でも、みんな「Get Lucky featuring Pharrell Williams」ばっかりフィーチャーするんですよ。
SKY-HI わかる。でも、あの曲は強力すぎたよね。
武井 俺が洋楽にどっぷりハマったきっかけはThe Strokesなので。そのボーカリストであるジュリアン・カサブランカスの起用の仕方が新しかったし、ちょっとAuto-Tuneをかけたファルセット寄りのボーカルも新鮮で。この曲くらいからジュリアンの外部に向けた動きがより活発になってきて。まさに今の日高くん的な感じで。
SKY-HI “ヒダブランカ”ね(笑)。
武井 あはははは(笑)。
──「Random Access Memories」で客演に招かれたアーティストはみんな幸福な仕事をしたと思うし、この1枚で世界の音楽的な潮流も決定的に変わったじゃないですか。ディスコティックなブラックミュージックがトレンドになって。その動きは今も続いてますけど。
武井 そうですよね。日本のバンドシーンにもかなり影響がありましたよね。
SKY-HI 確かに。
──そのうえでの話ですけど、「Instant Crush ft. Julian Casablancas」はこんなにいい曲なのにそこまで日が当たってない気はしますね。
武井 そうそう。でも、本当にいい曲なんですよね。MVにはジュリアンをずっと観ていられるうれしさがあります。ストーリー的にはちょっとシュールで切ないんですよ。あとは、さっき話したサウンドと映像のマッチングが見事だなと。
──SKY-HIは何をチョイスしますか?
SKY-HI ヒップホップだとコラボレーションが多すぎて迷いますね。久保田利伸 meets KREVAの「M☆A☆G☆I☆C」も大好きだったし、最近の海外の曲だとフライング・ロータスの「Never Catch Me ft. Kendrick Lamar」がMVも含めて一番好きかも。あと、異色のコラボで言えば、Linkin Park ft. Jay-Zの「Numb / Encore」とかもあるし、 あと少年時代にすごくやられたのは、スヌープ・ドッグの「Drop It Like It’s Hot ft. Pharrell Williams」だったり。いろいろありすぎて選べないな……何にします?
──他アーティストのMVだと選べないなら、ご自身が参加したコラボレーション作品をチョイスするのはどうですか?
SKY-HI そうしましょうか。今一度再評価してほしいという意味では、KEITAくんとの「Slide ’n’ Step-Extended Mix-feat. SKY-HI(AAA)」かな。
──2013年2月リリースですね。やはりKEITAくんは同志という意識がありますか?
SKY-HI この曲でコラボレーションしたときに「今後きっと私たちは同志になるのであろう」ってお互い感じたと思うんですよ。お互いの立ち位置も含めて、まさに最近そういう関係性になってきて。その始まりですね。KEITAくんがこのとき呼んでくれなかったら、もうちょっと線が交わるのが遅くなっていただろうし。俺はまだソロとしてメジャーデビュー前だし、よく呼んでくれましたね。
──今、このMVを観るとSKY-HIはギラギラしてますね。
SKY-HI ね。なんか尖ってますね。
武井 確かにギラつきがすごい。
──当時はパブリックイメージをひっくり返してやろうという意識が強かった?
SKY-HI マインドとしてはもうちょっとラフだったかもしれない。確かに誰にも負ける気がしないみたいな意識は強めにあったと思いますけどね。メジャーデビュー直前で「やってやるぞ」という滾り方をしていたと思いますね。
武井 このとき知り合ってたら声もかけられないな(笑)。肉食感がすごい。抱かれたい感じがしますね。
SKY-HI マジっすか。それは今でも構わないけど(笑)。曲に関するエピソードを言うと、「染めやしない涙の色に」というフレーズは「LOVE涙色」(松浦亜弥)をちょっとサンプリングした、みたいな。
──本当に?(笑) 曲を通して奥さんにメッセージを送ったっていう。
SKY-HI そういう遊び心(笑)。
武井 すごいな(笑)。
SKY-HI あと、「格が違うKT&Me」というラインは自分で気に入っていて。それはジャスティン・ティンバーレイクの「My Love(featuring T.I.)」でT.I.が「眠てぇこと言ってんじゃねえぞ、JTと俺が来たぜ」みたいなノリで「JT and me」ってラップしてるんですけど、そのオマージュですね。MVの雰囲気もティンバーレイク感があったし、ハマるなと思って。
シブいダンスミュージックを
──最後に今後2人がどういう付き合いをしていくか、あるいは一緒に実現させたいことがあれば語ってもらえたら。
武井 とりあえず飲みの誘いをいつくれるんだろうと思っていて(笑)。昨日、一昨日とかめっちゃチャンスあったんだけどなあ。
SKY-HI 確かに(笑)。
武井 日高くんが俺と共通の友達と飲んでいて、なんならその席で俺の名前も出てたらしいんだけど。
SKY-HI そう、ガンガン出てた。
武井 なのに呼ばれない!
SKY-HI 自分の中で、大人数で酒を飲む文化があまりなくて。今日、このあと一緒に酒を飲む仕事があるから、そのあと誘うかもしれない。
武井 誘ってください(笑)。
──音楽的に何か一緒にやりたいことはないですか?
SKY-HI 次は打ち込み色が強いサウンドで一緒にやりたいですね。
武井 確かに。俺もやりたい。シブいダンスミュージックを一緒に作りたいな。
SKY-HI ダンスミュージックいいね。さっきのDaft Punkじゃないけど、ああいうハイブリッドなダンスミュージックを作りたいね。BPM100前後で。本当に作ろう。
- Czecho No Republic × SKY-HI
「タイムトラベリング」 - 2017年9月27日発売 / 日本コロムビア
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初回限定盤 [CD+DVD]
1800円 / COZA-1377~8 -
通常盤 [CD]
1000円 / COZA-17371
- CD収録曲
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- タイムトラベリング
- For You(Acoustic Arrangement)
- MUSIC(チェコと12人の仲間たち)
- 初回限定盤DVD収録内容
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- タイムトラベリング MUSIC VIDEO
- Czecho No Republic × SKY-HI密着ドキュメンタリー
- 「タイムトラベリング」【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】

- Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)
- 武井優心(Vo, B)と山崎正太郎(Dr, Cho)を中心に2010年3月に結成。現在は武井、山崎、八木類(G, Syn, Cho)、タカハシマイ(Cho, Syn)、砂川一黄(G)の5人で活動している。2010年11月に初のCD作品「erectionary」をタワーレコード限定でリリース。同作が高い評価を受ける中、2011年10月に初のフルアルバム「Maminka」を発表した。2013年10月に2ndフルアルバム「NEVERLAND」で日本コロムビアよりメジャーデビューし、2014年10~12月にはフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマとして「Oh Yeah!!!!!!!」が全国でオンエアされた。2015年9月に3rdアルバム「Santa Fe を、2016年7月には4thアルバム「DREAMS」を発売。2017年9月に、SKY-HIとのコライトシングル「タイムトラベリング」をリリースした。
- Czecho No Republic「リリースツアーじゃないツアー」
- 2017年9月30日(土)北海道 札幌KRAPS HALL
- 2017年10月14日(土)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
- 2017年10月22日(日)福岡県 BEAT STATION
- 2017年11月25日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
- 2017年12月14日(木)大阪府 BIGCAT
- 2017年12月22日(金)東京都 EX THEATER ROPPONGI
- SKY-HI(スカイハイ)
- ラッパー、ソングライター、歌手など幅広く活動を行うアーティスト。2005年にAAAのメンバーとしてデビューし、同時期からSKY-HIとして都内クラブで活動をスタートさせる。さまざまなラッパーとのコラボレーション企画「FLOATIN' LAB」を2011年に始動し、翌2012年に同企画のコンピレーションアルバム「SKY-HI presents FLOATIN' LAB」を発売。2014年3月には1stアルバム「TRICKSTER」をリリースした。2016年に初のホールツアー「SKY-HI HALL TOUR 2016 ~Ms. Libertyを探せ~」を行い成功に収める。2017年1月に3rdアルバム「OLIVE」をリリースし、5月には東京・日本武道館で単独公演を開催した。9月27日には初の映像作品「SKY-HI Tour 2017 Final "WELIVE" in BUDOKAN」をリリースした。
- SKY-HI
- SKY-HI(AAA日高光啓)(@SkyHidaka) | Twitter
- SKY-HI(日高光啓)オフィシャルブログ「SKY'sTHE LIMIT」Powered by Ameba
- SKY-HIの記事まとめ
- SKY-HI「SKY-HI Tour 2017 Final "WELIVE" in BUDOKAN」
- 2017年9月27日発売 / avex trax
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初回限定盤 [2DVD+2CD]
10800円 / AVB1-92580~1/B~C -
初回限定盤 [Blu-ray+2CD]
10800円 / AVX1-92584/B~C -
通常盤 [2DVD]
5832円 / AVBD-92582~3 -
通常盤 [Blu-ray]
5832円 / AVXD-92585