ナタリー PowerPush - Czecho No Republic

新世代ポップマジックを 初アルバム「Maminka」に詰めこんで

「かいじゅうたちのいるところ」で泣きそうになった

武井優心(Vo, B)

──アルバムの中身についても訊かせてください。ラストに置かれた「ハッピーメリー」は、実際に誰かの結婚式のために作った曲だったんですか?

武井 これは親友が結婚して「1曲歌ってよ」って言われて、前日に作ったんです。最初は「先に結婚しやがって!」みたいな、全然祝ってない曲を作ってたんですけど、そういうブラックジョークは一周回ってサムいなって思い直して。こういうのはちゃんと祝福するところに意味があるんだろうと思って、家に帰って作り直してできたのが、この曲。ハッピーな感じで、リフもオルゴールっぽいかわいいものにして。ほんとに一番仲がいい友達だったんで、ガチンコで泣かしたいみたいな(笑)。

──「レインボー」と「ハッピーメリー」が最初と最後にあることで、アルバムに筋が通ってるような気がするんですよ。大きく言うと「家族になること」というテーマを感じられるというか。子供時代が終わる、というモチーフ。そういうのはありました?

武井 直接この作品を作ってるときにそれを意識していたところは別にないですけれども、日々生きてる中で、そういう感情になることはありますね。「かいじゅうたちのいるところ」という映画があるじゃないですか。ちょうどチェコを始めたときくらいにそれを観たんですよ。映画の中で、タイプしている母親の足元に子供がしがみついてちょっかい出してるシーンがあって。そこにグッときたんですよね。俺、そのシーンで泣きそうになっちゃって。子供の切なさもわかるし、親の切なさもわかる。そういう感情が好きなんだと思うんで、そこを受け取ってもらえたなら、すごくうれしいですね。直接狙ってやろうという意識で作ってるわけじゃないですけど。

──ほかに泣きそうになるものはあります?

武井 なんか、別に作者が狙ってないところでウルッときてる気がするんですよ。晴れてるシーンとか、男の人と女の人がいるだけ、とか。具体的に挙げろって言われると難しいけど。季節の移り変わりとか、夕方とか、涼しい風とか、そういうので「うわあ」ってなる。

──そういう感じって、チェコの音楽にもありますよね。楽しそうなんだけど、それが失われることをあらかじめわかってる、みたいな。

武井 それを感じ取っていただけるのはうれしいですね。人間的には自慢できるポイントかどうかわかんないんですけど(笑)。

ジャケットは「母の愛」をテーマに描いてもらった

左から武井(Vo, B)、吉田(G)

──アルバムタイトルは「Maminka」という、チェコ語で「お母さん」という意味の言葉です。これはどういうところからつけたんですか?

武井 最初の候補は「Maminko Papinko」だったんですよ。これがチェコ語で「お母さん、お父さん」だって聞いて。

山崎 ネットで誰かのサイトをたまたま見たときに、それを知って、「これはやべえ!」と思ってみんなに教えたんですけど、ちゃんと調べてみたら嘘だった(笑)。ママは「Maminko」ではなく「Maminka」、パパは全然違う言葉で。

武井 でもまあ、「Maminka」という言葉が、アルバムのタイトルっぽいと思ったんで、これにしましたね。

──ちなみにジャケットはどういうふうにしてできていったんですか?

武井 これ、相当いいジャケなんですよ。今回はちゃんとプロの人と仕事をしてみたらどうですか?という話があったんで、STOMACHACHE.という2人組のイラストレーターの方にアルバムを聴いてもらって、頼んだんです。「母の愛」みたいなものをテーマにして描いてくださいと言って。そうしたら、ああいう宇宙っぽい暗めのテイストになった。俺らの中から出てくるカラーだったら、あそこにはたどり着かないと思ったから。そこにグッときましたね。

──今までのミニアルバムやシングルのジャケットもイラストですけれど、あれは誰が?

武井 今までのはジャケットからTシャツからバッジから、全部アディムが描いてるんですよ。こいつ、元々絵を描きたくて上京してきたやつなんで。

吉田 イラストレーター志望で、就職できずに高円寺でぶらぶらしてて、捕まえられたという。

武井 捕獲しました(笑)。

──アディムさんのイラストもいいですよね。キュートな感じで。

武井 そうなんですよね。……(アディムに)はにかんでる? もしかして。

吉田 ……うれしい。喜んでます(笑)。

──わかりました(笑)。では最後に。この先、どんなふうにバンドを進めていきたいと思ってます?

武井 この音源が、キラキラしてるとか、おもちゃ箱みたいとか言われたりして、それはすごくうれしいことなんですけど。自分としては、今作っているものはもうちょっと大陸的な、大きい感じにしたいですね。洗練されて、より緻密になった感じというか。全貌はまだ見えないんですけれど、次はもっと冒険していきたいと思ってます。

Czecho No Republic

1stアルバム「Maminka」 / 2011年10月5日発売 / 2300円(税込) / mini muff records / MDMR-2017

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CD収録曲
  1. レインボー
  2.   
  3. RUN RUN TIKI BANG BANG
  4.  
  5. Call Her
  6.  
  7. Don't Cry,Forest Boy
  8.  
  9. レッティオ
  10.  
  11. 絵本の庭
  12.  
  13. Good Bye
  14.  
  15. ショートバケーション
  16.  
  17. バラード
  18.  
  19. ノンストップ
  20. DANCE
  21.  
  22. ハッピーメリー
  23.  
1st Album "Maminka" Release Czecho No Republicの「母なる大地ツアー」
  • 2011年11月4日(金)
    宮城県 仙台PARK SQUARE
  • 2011年11月11日(金)
    愛知県 池下CLUB UPSET
  • 2011年11月12日(土)
    広島県 広島ナミキジャンクション
  • 2011年11月20日(日)
    栃木県 宇都宮HELLO DOLLY
  • 2011年11月22日(火)
    大阪府 心斎橋CLUB DROP
  • 2011年11月23日(水)
    福岡県 福岡Kieth Flack
  • 2011年12月2日(金)
    東京都 渋谷eggman
Czecho No Republic(ちぇこのーりぱぶりっく)

武井優心(Vo, B)、山崎正太郎(Dr)の2人を中心に2010年3月結成。その後吉田アディム(G)、八木類(G)を加え、4人編成となる。2010年11月にタワーレコード限定でリリースした「erectionary」が高い評価を受け、The Mirraz全国ツアーのオープニングアクトを担当。2011年6月発売の1stシングル「Casually」が話題を集め、同年10月に初のフルアルバム「Maminka」をリリース。