理想のショーはホールで

──ちなみにほかのメンバーのお二人もアニメとかゲームが好きなんですか？

実はそうでもないんです（笑）。

──じゃあ、楽曲の世界観を共有するのは大変じゃないですか？

ああ、でもそこは逆にクラシックの曲とかで説明したりします。「『NARUTO』の何期のオープニングっぽく」みたいな感じで、「今回はがっつりオーケストラじゃなくて、葉加瀬太郎さんが軽くポップに弾いた感じで」みたいな（笑）。

──なるほど、その共通言語は大きいですね。もうライブも重ねているんですか？

今はまだインストアイベントでモールを回らせてもらったりしている程度なんですけど、3人共リラックスしてライブができるようになった気はします。通りすがりの人に「元気ですか？」って声をかけてみたり、お客さんが帰っちゃいそうになったら、アドリブで季節に合った曲を弾いてみたり。ノリノリでクリスマスソングを弾いてたら、カップルが集まってきてくれたりするんです（笑）。

──すごい！ NormCoreさんの音楽だったらホールとかが似合いそうな感じはします。

ホール公演はいつかやってみたいなって思います。例えば僕たちが担当したアニメの劇中音楽とかを、そのアニメの映像を流しながらオーケストラと一緒に演奏したり。そういうエンタテインメントショーみたいなものは理想ですね。

──いいですね。しかしFümiさんは落ち着いていると言うか達観していると言うか、プロデューサー的な側面がありますよね。

いやいや、ただのオタです。

──（笑）。でも将来アニメの主題歌だけじゃなくて、脚本だったりキャラデザインだったり、作品の世界観から考えていくお仕事も向いてそうですよね。

ぜひやってみたいです。何かあったら教えてください（笑）。

──じゃあ逆に、そのときは声優として使ってくださいね（笑）。

お願いします。妖怪役じゃないとダメですかね？

──妖怪以外でもオッケーです！（笑）

好きでいることが大事

僕からも質問したいんですけど、長く楽しく芸能活動をやっていくための秘訣ってありますか？ もちろん、楽しいことだけじゃないということは重々承知なんですが……。

──なんだろう。やっぱり、好きでいることって大事だと思います。結果的にずっと役者をやっているのでこれしか知らないとも言えるんですけど、お芝居をするってことがずっと好きだし、好きだからこそ責任が取れると言うか。今ってSNSとかを通じてなんでも耳に入ってくる時代ですけど、僕はけっこう他人の声を気にしちゃうんですよ。

そうなんですね。

──それこそ、舞台版「NARUTO」で我愛羅を演じたことがあるんですけど。

存じてます。重要なポジションですもんね。

──僕自身も普通に好きで観ていた作品だったから「え、あのエピソード削るの？」といった葛藤が、やっぱりあったんです。でも、その制限の中でどう表現するのか考えていくのはやりがいもあって……って、僕の話はいいんです（笑）。

貴重な話が聞けてうれしいです。

──最後に、今後の目標を聞かせてください。

NormCoreとしては、今後もアニソンはもちろん、ゲーム音楽とか映画の劇伴だったり、いろいろなプロジェクトに関わっていきたいです。その中で自分たちの強みであるクラシック的な要素だったり、僕たちらしい音楽をより多くの人に知ってもらえたらと思います。