コスパ、ですね
──アーティスト写真もちょっと変わってますよね。このアイデアはご自分で考えたんですか？
ディレクターさんに相談していく中で、工場をバックで撮るってアイデアが出てきたんです。ただ船に乗っていろんな工場を見て回ったんですけど、なかなか写真映えする工場が見つからなくて……。
──自分の中でイメージした場所を探すのって大変ですからね。
一度はあきらめようとしたんですけど、スタッフの方がめちゃくちゃ粘り強く探してくれまして。それでやっと見つけたのがこの工場。これ、船の上で撮影してるんですよ！
──え、これ船の上なんですか？
そうなんですよ。すぐ後ろが海だし撮影の日は昼から夜まですごく寒くて、みんな鼻を赤くしながら撮影してました。それと足元にあるペットボトルのうち1つに、実はドライアイスを入れていて。
──なるほど。ドライアイスを入れて蒸気を出して、後ろの工場とシンクロさせてるんだ。
そうですそうです！ ドライアイスが溶けちゃうと、その都度スタッフさんが足してくれて……。おそらくそのスタッフさんが一番寒かっただろうから、ホント申し訳なかったです。
──今日も置いてあるけど、2Lのペットボトルはなんですか？
私のトレードマーク的なアイテムなんです。ライブの時のステージドリンクはいつも2Lの水なので。
──なぜ500mlじゃないんですか？
コスパ、ですね。
──コストパフォーマンスね。
コストパフォーマンスです！ 1カ所に長く滞在するときは絶対2Lのほうがお得なので、皆さんにもお薦めしてます。ちなみにライブのお土産としてお客さんに配ったことがあったんですけど、ほとんど持って帰ってもらえなくて……。
──まあライブの帰りに2Lの水を渡されてもねえ。
はい。みんな重いのが嫌だったんでしょうね。でもそのおかげで私の家にたくさん水がストックされているので、考えようによってはよかったかなって思ってます。
まずは売れないといけない
──それぞれの曲の中に伝えたいことは込められていると思うんですけど、アルバム1枚を通してましのみさんが伝えたいことはどんなことですか？
音楽をやるのに変かもしれないんですけど「価値観の押し付けをしたくないな」って思っていて。私は今二十歳で価値観もある程度形成されているんですけど、私が持っている価値観が人より優れているとか、素敵なものだとかは思っていないんです。みんなそれぞれの価値観を持っている中で、それを押し付けるのも、押し付けられるのもけっこうしんどいことだなって思っていて。
──なるほど。
今の私には音楽を通じてすごく発信したいものがあるって感じじゃなくて「私はこういうふうに思ってます」っていうのを提示してる段階なんです。せっかくアルバムを出させてもらうんだから、いろんな側面の私を観てもらいたいですね。
──メジャーデビューアルバムは自分の風呂敷を広げるためのアイテム、ということですね。
そうですね。「気になるものがあったらちょっと寄ってみて」くらいの価値観の提示、みたいな。
──僕はプロデュース業が本業なので、今のましのみさんの考え方はすごく理解できます。それぞれ好みが異なる中で「今回の案件ではこういう人たちにアプローチしたいからこういう曲を」というのがいわゆるプロデューサーの仕事ですから。だからましのみさんはアーティストでありながらも、プロデューサーとか音楽作家的な視点を持っている人なんだと感じました。
誰かのプロデュースをするのとかすごく面白そうですね！
──それこそさっき話していた“企画開発”に近いことですから。
なるほど。楽しそうだし、1回くらいプロデュースもやってみたいですね。
──プロデュースのほかにも今後やりたいこと、自分が実現したいことはありますか？
やりたいことは選べないくらいあるんです。レコーディングも早くやりたいし、曲を作るのも楽しいからどんどん作りたいし、ライブもインストアとワンマンが決まってるからそれぞれどんなふうにしようか考えるのも楽しいし……いろんなことに興味が湧いてくるので、もうそれこそ時間が足りないです。
──話を聞いていて、いろんなことに好奇心を持って突き進んでいくタイプだと思いました。今の感覚をすごく大事にしてほしいです。
ありがとうございます。それとやりたいこと、1つありました。
──なんですか？
メジャーデビューをすることになって、いろんな方にお世話になったので恩返ししなきゃいけないなって思っています。そのためにもまずは売れないといけないっていうのが今思っていることです。
- ましのみ「ぺっとぼとリテラシー」
- 2018年2月7日発売 / ポニーキャニオン
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- CD収録曲
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- プチョヘンザしちゃだめ
- ナンセンスに逆戻り
- 名のないペンギン空を飛べ
- エゴサーチで幸あれエブリデイ
- やりくりゲーム
- Hey Radio
- 灰かぶり姫
- ミスター
- ストイックにデトックス
- リスクマネジメント失敗
- チャイニーズ再履修 ※ボーナストラック
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 「プチョヘンザしちゃだめ」＆「ナンセンスに逆戻り」Music Clip
- Digest of 「ましのみフリーワンマンライブ@Shibuya WWW(2017.10.14)
- mashinoMISSion
- Making of 「ナンセンスに逆戻り」Music Clip ＆ Jacket Shooting
- ライブ情報
ましのみ「ぺっとぼとリテラシー～別途ほとばしるショータイムへようこそ～vol.1」 -
- 2018年3月11日（日）東京都 WWW X
- ましのみ
- 1997年生まれのシンガーソングライター。2015年1月に東京・下北沢LOFTで初ライブを行い、大学に通いながら都内で精力的にライブ活動を行う。2016年3月、音楽コンテスト「Music Revolution 第10回 東日本ファイナル」でグランプリを獲得。同年9月には東京・恵比寿天窓.switchで自身初のワンマンライブ「ましのみ 初ワンマンライヴ～サブタイトルなんてつけたくない～」を実施した。2017年10月、東京・ＷＷＷで行われたフリーライブでポニーキャニオンからのメジャーデビューを発表。2018年2月にメジャーデビューアルバム「ぺっとぼとリテラシー」をリリースする。
- Tom-H@ck（トムハック）
- サウンドクリエイター、プロデューサー。2009年に放送がスタートしたアニメ「けいおん!!」の楽曲を手がけ、注目を集める。作編曲家としてT.M.Revolution、でんぱ組.inc、ももいろクローバーZ、清 竜人25、SuG、ロッカジャポニカ、LiSA、マジカル・パンチライン、UROBOROSといったアーティストの楽曲制作に携わっているほか、映画やアニメなどの劇伴音楽なども多数手がけている。またOxT、MYTH & ROIDとして自身もアーティストとして活動している。2016年5月に総合エンタテインメント会社・TaWaRaを設立。TaWaRaではサウンドのみならずエンタテインメント事業全体のプロデューサーを務める。
