各地でバカ受けだったガンズカバー
mabanua アメリカツアーには「SXSW」のあとに?
竹内 はい。「SXSW」に出演した日本人アーティスト10組のうちの5組くらいで7都市を回ったんです。都市によって雰囲気も反応も違って、ニューヨークはみんな腕を組んでライブを観ていました(笑)。
mabanua 東京みたいな感じ?(笑) 去年、僕はアジアツアーをやったんですよ。台湾や北京のお客さんはわりとノリがいいんだけど、上海や韓国ではみんな腕を組んで観ていて。日本でも地方では盛り上がるけど東京ではクールに観てることがあるし、それと似てるのかな。
竹内 ツアーでは各地でカバー曲をやったんですけど、Guns N' Rosesの「Sweet Child O' Mine」がどこでもバカ受けだったんです。ニューヨークでも「私の声聴こえないよ」ってくらいみんなでサビを大合唱して(笑)。この曲の持つパワーを感じました。
mabanua 僕は今34歳なんですが、もうちょっと上の世代の曲ですよね。
竹内 お客さんの年齢層は幅広かったんですけど、全員一緒に歌ってくれて感動しました。ツアーではそれぞれの土地に縁のあるアーティストの曲をカバーしたんです。テキサスだったらスティーヴィー・レイ・ヴォーンとか。それでロサンゼルスではガンズをセレクトして。
mabanua そしたらLA以外でも受けたんだ。
竹内 初日のテキサスの公開リハで練習がてらに歌ったら、大合唱が起きて。結局全公演でやっちゃいました(笑)。
BUMP OF CHICKENのおかげでJ-POPの素晴らしさに気付いた
──竹内さんの音楽のバックグラウンドはどのへんにあるんですか?
竹内 母親が音楽好きな人で、ジャンル、年代、邦洋ごちゃまぜのプレイリストをいつも車の中で流していて。昔からずっと好きなのがEarth, Wind & Fireで、私の1つの原点になっています。そのあとにBUMP OF CHICKENの影響でギターを始めました。
mabanua そうなんだ!
竹内 「音楽でこんなに感動できるんだ!」と思ったんです。それまでは「私は洋楽しか聴かん」っていう生意気でませた子供だったんですけど(笑)、BUMP OF CHICKENのおかげでJ-POPの素晴らしさに気付いて音楽をやる側になりたいと思い、ギターを始めました。それでライブ活動をしていくうちに、今度は高校生のときにジョン・メイヤーの音楽に出会って。ジョンの歌やギタープレイに衝撃を受けて、今までの自分はぬるかったと感じ、さらに音楽にのめり込んでいきました。
mabanua スラッピングを取り入れたプレイスタイルはジョン・メイヤーの影響?
竹内 そうなんです。ジョンの「Neon」のライブ映像を観て、自分も弾けるようになりたいと思いました。
mabanua 弾けるようになったんですか?
竹内 えっと……がんばってます!(笑)
mabanua 実は僕、ちょうど1カ月前に「Neon」を弾いてみたんですよ。でもジョンの映像を観ても速すぎてどう弾いているかわからなくて、YouTubeにいくつか上がってるスローで弾いてる映像を観たんですけど、どれもやり方がちょっとずつ違うんですよ(笑)。
竹内 私もそういうチュートリアル動画みたいなのを観ながら練習するんですけど、手が小さいから左手の親指でうまく弦を押さえられなくて。
mabanua あー、そうか。ネックが細いギターを買うか、違う方法で押さえるしかないですよね。あと、竹内さんからはアラニス・モリセットやミシェル・ブランチあたりのアメリカの女性シンガーソングライターのテイストも感じたんですけど、そのへんの音楽も聴いてました?
竹内 細かく意識をして聴いてはいませんでしたが、女性シンガーソングライターではカントリーをやっていた時代からテイラー・スウィフトがずっと好きです。
mabanua 竹内さんの曲は日本語の歌詞と英語の歌詞で全然違う雰囲気があって、英語で歌っている部分からはそのあたりの女性シンガーソングライターのテイストを感じました。日本語と英語をミックスさせるやり方はいつ頃から?
竹内 初ライブに向けて曲を作ったときからミックスしていたと思います。私、まずデタラメな英語で曲を作るんですよ。そこに音がハマる英語を当てて、それが合わなかったら日本語を当てるんです。割合を決めずに、耳障りのよさを優先してパズルみたいに音をはめています。
mabanua それってすぐにできるようになったんですか? それとも試行錯誤して?
竹内 うーん。わりと自然にできるようになったかもしれないです。
mabanua そうなんだ。この間ハナレグミに会ったときに、英語で歌うときと日本語で歌うときでオケに対しての声の溶け具合が変わるので難しいという話を聞いたんですが、竹内さんは日本語と英語で歌い方を変えることはないんですか?
竹内 私はまだそういう歌い分けをしたことはないですね。
mabanua それはすごいですね。そこで悩んでいる人は多いと思うので。
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1作目とは全然違うものを作りたかった