ナタリー PowerPush - 鎮座DOPENESS

観ろ! 僕たちの「だいぶ気持ちいい」生き様を

実際なんにも考えてないっすよ

──では、鎮座DOPENESSさんは、今の日本のヒップホップシーンをどのように見ていますか?

鎮座DOPENESS なんというか、ヒップホップに適した環境になってきましたよね、日本が。それは若いラッパーとかを見てても思います。

──それはアンダーグラウンドな環境から出てきた日本人ラッパーが増えたということ?

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鎮座DOPENESS うん。いよいよアメリカナイズされたものではない音楽になってきたなという印象がありますね。それから、シーンが成熟したなって思います。

──ちなみに、鎮座DOPENESSさんは昨年末に環ROYさんとのユニットKAKATO名義で「KARA OK」を発表されました。この作品はかなりユニークなヒップホップアルバムでしたが、この作品がDOPING BANDの制作に及ぼした影響はありますか?

鎮座DOPENESS ありましたね。DOPING BANDが行き詰まってきたらKAKATOをやって、KAKATOが停滞してきたらDOPING BANDとセッションするみたいな感じだったんです。だから、いい意味で息抜きになったというか。

──KAKATOはどのように制作していったんですか?

鎮座DOPENESS KAKATOはDOPING BANDとは対照的にROYと週1で定期的に集まって、夏休みの勉強みたいに作ってましたね。「KARA OK」は最初洋楽をサンプリングした曲もあったんですよ。でも作っていくうちにだんだん“和”のテイストが多くなってきて、ROYくんが「鎮さん、外人の曲捨てよう」「“和”だけ集めたほうがマジ注目引くから」って言うんで、「そうなの? じゃあそれで行こうよ」って(笑)。

──鎮座DOPENESSさんはDOPING BANDをはじめ、KAKATO、KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S、近所のメンバーというさまざまな方向性のユニットで不定期に活動していますが、ユニットごとにコンセプトを分けてるんですか?

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鎮座DOPENESS いや、実際なんにも考えてないっすよ(笑)。ただ、自分の活動のベクトルを1つだけに絞ってないんですよね。そのときに自分が興味あることとか、関わってる人とか、そういうところからいろいろなプロジェクトが生まれているんです。だからその人とできる一番面白いことをやってる感じっすね。DOPING BANDはIZPONたちとできる一番面白いこと、KAKATOはROYとできる一番面白いこと、コチトラ(KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S)も、近所のメンバーも全部そう。

──なるほど。

鎮座DOPENESS ヒップホップの面白いところは自由なことだと思うんですよ。僕自身は基本的に何をするにしても、僕が気持ち良くなれるんだったらなんでもいいんです。例えば、リリックにしたってそう。メッセージも大事だけど、一番重要なのは、僕が気持ち良く歌えるかどうかってこと。だから、みんなもそれぞれ勝手に気持ち良くなればいいんですよ(笑)。

──それは先程の「モード」のリリックの話にも通じる、今の日本に響くメッセージだと思います。

鎮座DOPENESS だって、もう起こっちゃったことは仕方がないでしょ。それに対してあーだこーだ言って目くじらたてて文句言ってるよりは、みんながそれぞれ楽しくなるためにがんばったほうがいい。

IZPON 機嫌良くないことには、世の中何もいい方向に進まないしね。

DOPING BANDは世の中を信用してない集団

──ところで、昨年の東日本大震災や原発の問題がバンドに及ぼした影響はありますか?

鎮座DOPENESS ない(笑)。

IZPON うん、少なくともこのアルバムにはないよね。納期がやや遅れたとか、その程度。

鎮座DOPENESS そもそもDOPING BANDは世の中を信用してない集団なので、別に原発とかのことでも「国に裏切られた」って気は全然しなかった。

IZPON 「そんなもんでしょ」みたいな(笑)。でも、今、日本全体がシリアスすぎる気はするね。

鎮座DOPENESS だからこそ、今みんなが求めてるのは気持ち良くなることだと思うんですよ。僕らはこの作品で“だいぶ気持ちよく”なっちゃってるから「皆さんもどうですか?」っていう。

IZPON ジャケットからして、温泉入っちゃってるもんね(笑)。

鎮座DOPENESS このアルバムなら、うちの親も本当に楽しんで聴いてくれそうな気がする(笑)。

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ニューアルバム「だいぶ気持ちいいね」/ 2012年3月7日発売 / 2500円(税込) / EMI Music Japan / TOCT-23038

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CD収録曲
  1. INTRO
  2. カンパイ
  3. 朝起きて君は
  4. のうてんき野郎
  5. JUST A 友達
  6. OS
  7. もぐもぐ feat.Leyona & BUN BUN THE MC
  8. 鍋 feat.イルリメ & SABO from KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S
  9. はっする LIVE!!!!
  10. ヒップ ホップ IS ...
  11. モード -DOPING BAND VERSION-
  12. わかってないのに
  13. OUTRO
レコチョクにて着うた(R)、着うたフル(R)配信中! EMI MUSIC SHOPへ だいぶ気持ちいいね - Album - 鎮座DOPENESS & DOPING BAND
鎮座DOPENESS(ちんざどーぷねす)

1981年生まれ、東京出身のラッパー。独特な声質と巧みなスキルを駆使したラップで、フリースタイルMCバトルのシーンから頭角を現す。2004年にはカトマイラ、サボとともにKOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'Sを結成し、2008年にアルバム「HAGULIFE」をリリースした。ソロとしての1stアルバムは2009年発表の「100%RAP」。同年には、日本最高峰のフリースタイルMCバトルのトーナメント「ULTIMATE MC BATTLE GRAND CHAMPION SHIP」で優勝を果たす。2010年にはDOPING BANDを率いて「SUMMER SONIC 2010」に出演。そして、2012年3月に鎮座DOPENESS & DOPING BANDによるアルバム「だいぶ気持ちいいね」を発表した。また、環ROYとのユニットKAKATOやKOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S×近所のメンバー、鎮座DOPENESS & DJ UPPERCUTにも所属している。