成長見守る父兄感覚に

──せっかくなので、アルバムのほかの曲の感想も聞かせてもらえますか？

渡邊　「びびび美少女」を作ってるヤマモトショウさんも今は作家活動をメインでされてるんですよね。“歌謡スカ感”があってメロディがよかったなあ。しかも、サビを「び」の1文字で押してたでしょ。

4106xxx　あれはびっくりした（笑）。

渡邊　サビ以外の部分も歌詞がよくできてるんですよ。あとみんなの歌い回しに色気があった。フレッシュネスからエロスを感じました。「これは新しいところにいったな」って思いましたね。

松田　「夢のスコール」の作曲が、吉田（哲人）くんでびっくりした。これもいいポップチューンだなって。

渡邊　僕的にはプリプリ（プリンセス プリンセス）的なオマージュを勝手に感じてグッときましたね。あと、「STORM!」の歌詞書いてるノマアキコさんは、元GO!GO!7188の方で、ばってん少女隊がインディーズ時代に発表した「夢のキャンバス」も書いてるんです。ノマさんの歌詞は普遍的なストレートさがあってすごくいい。

小野　アルバムタイトル曲の「ますとばい！」は、賑やかに始まってさわやかさもありますね。

松田　いわゆるアイドルの王道って感じがするよね。

4106xxx　こういう曲もあるのがバランスがいいなと。

渡邊　そうそう。これもAKIRASTARさんの曲だけど、AKIRASTARさんは本当にいろんな曲が書けるんだなって思います。サビの転調の仕方とか、ホント職人さんですね。

小野　「コトバテニス」は僕らと仲がいいフレデリックが作ってるんですよ。曲を書くって話も聞いてたんですけど、フレデリック節が曲にすごく出てて面白かったですね。

渡邊　「のびしろ行進曲」も最高だったよね。

4106xxx　これ作ってる中谷信行さんって、中谷ブースカさんですよね。

渡邊　そう、元アンジーのね。

松田　え、そうなんだ、ヤバ。日本のキャプテン・センシブルみたいな人だもんね。

4106xxx　歌謡ロックンロールで、ちょっとサンバも入ってて強烈でしたね。

渡邊　途中で演歌の山内恵介さんが入って来て、歌力がハンパなくて。

小野　これ本当にすごいなって思いました。

渡邊　あと「ばってん少女（ますとばいver.）」はインディーズ時代の曲で、再レコーディングしてるメンツが、ギターが田淵ひさ子さん、ベースがけんちゃん（中尾憲太郎）、ドラムがMASUOくん（BACK DROP BOMB）なんですよ。

松田　九州出身チームなんだ。それ、いい話だね。

渡邊　インディーズのときとは全然ニュアンス違うバンドサウンドになってるし、あとメンバーの声色も当時と全然違うんです。この年頃って、成長ぶりがハンパないじゃないですか。

松田　子供の声から大人っぽくなるもんね。

渡邊　そう。しかも、このアルバムを通してでも成長してるから。声が大人になったり色気が増えてたり面白いなって。

4106xxx　中高生は育ち盛りですからね。

渡邊　だからファンが追っかけたくなる気持ちって、こういうところにもあるのかなって。一緒に成長してくところを見る、みたいな。

松田　父兄感覚だよね（笑）。

いつかは“紅＆白”へ

──では今後の彼女たちに期待して、皆さんからエールを送っていただければと。

松田　いつか大みそかにテレビで見たいよね。

渡邊　紅＆白！ いいっすねえ。ばっしょーって、6人それぞれの伸び代がすごい、未開の軍団って感じですよね。大勢の中から厳選された一番茶葉がギュっと集まってるわけですから。

松田　まだまだ成長しているところだもんね。

渡邊　だから僕らなんかが「がんばれよ」みたいなことは言えなくて。しかもとっくにがんばってるし。彼女たちは命の削り方がすごいんじゃないかな。すごい削り節のダシが出てますよ。だってイベントでライブ2公演とかやって、その間に握手会して写真撮ってとか……全然バンドマンより大変なことをやってるし、精神的にも肉体的にも強いですよ。これから、もっと強くなると思ったらヤバいですよ。

松田　ここからどんどんすごくなるでしょ。

渡邊　なるよね。彼女たちは見えない筋肉がすごいと思うんだよね。僕らなんかよりも精神的なマッチョ感がある。逆にね、僕らもそれを見て、付いていきたいって気持ちですね。勉強したい、みんなの精神力を。

4106xxx　みんなで付いていくのありだなー。いつか紅＆白に出てるのを、我々4人で観るとかね。

渡邊　もうこの際、会場に関係者面して行っちゃうよ。「僕この曲書いてるんで」って（笑）。

一同　（笑）。

小野　あと、僕は彼女たちと対バンしたいですね。ばってん少女隊 vs KEYTALK、熱いアイドルとロックの異種格闘技戦的なツーマンをいつかやってみたい。

渡邊　今、バンドとアイドルとの垣根もないしね。この際ね、みんなでバックバンドやっちゃいましょう。