超特急×高田漣|異色の交わりが生んだ新しいダンスミュージック 高田漣の“実験”と超特急の“挑戦”

超特急インタビュー

年齢に追いついてきたと言いたいし、追いつかなきゃいけない

──今回「ソレイユ」がエンディングテーマになっている「フルーツ宅配便」はシリアスな側面もあるヒューマンドラマで、超特急がこれまでテーマ曲を担当してきたドラマとは少し趣が違いますね。

ユーキ すごく深いテーマがあるドラマですよね。高田さんは、暗い面もある物語の中で「ソレイユ」が明るく存在しているから物語自体の捉え方が変わる、ということをおっしゃってもいたので、「僕らの楽曲ありきで1つの作品になっているのかな」とも思えて。その感覚は今までにない、新鮮なものでした。テレビ東京の「ドラマ24」はエッジの効いた面白い作品が多いので、そこに「超特急」という、また異色なものが入っていくのも楽しいなと思います。

超特急

タクヤ うれしいですよね。超特急って、ライブを観ているとメンバーの年齢を感じないだろうなと僕は思っていて。言ったら、若く見られがちだと思うんですよ。だけど今回の「ソレイユ」ではそういったイメージが崩せるんじゃないかなと思っています。ドラマのテーマも今までにないものですし……だからこそのプレッシャーも間違いなくあるんですけどね。「果たして僕らでふさわしいのか?」というような。でも最強の高田さんがいるから、そこは自信につなげて。なんだかんだで僕らも今年で25歳ですからね!(笑)

リョウガ 年齢に見合った表現や活動、というところだよね。

タクヤ 年齢に追いついてきたと言いたいし、追いつかなきゃいけない自分たち自身へのプレッシャーもあります。

──「ソレイユ」でまた超特急が表現するジャンルの幅がぐんと広がったと思いますが、今後やってみたい音楽のジャンルなどはありますか?

ユースケ メタル!

カイ スケがデスボイス出すんでしょ。

ユースケ メタルフェスでも通用するようなゴリゴリのメタルとか、やりたいです。ここまで来たら超特急、もうすべてのジャンルをやったほうがいいと思うんですよ。

カイ 演歌とか?

リョウガ タカシは絶対中高年の皆さんの心つかめるぞ。

タカシ あと「ソレイユ」をきっかけに僕が思ったのは、1980年代とかのポップスを思わせるような楽曲に挑戦してみたらいいんじゃないかなって。流行は巡るものだし、単純に僕が山下達郎さんやナイアガラ・トライアングルが好きっていうこともあるんですけど……そういったテイストの曲でしっかり踊る、みたいなものもあまり見ないから。そこに超特急が挑戦したら面白いなと思ったんですよね。

初心に返るような超特急の姿

──ここからは昨年11月にアルバム「GOLDEN EPOCH」をリリースされてからの活動を少し振り返っていけたらと思うのですが。まずは12月のアリーナツアー「GOLDEN EPOCH」で、初めてさいたまスーパーアリーナでワンマンを開催しましたよね。

ユースケ

ユースケ 1つの目標にしていた初めての場所で、自分たちにとって意味のあるセットリストでライブができたと思います。この「GOLDEN EPOCH」というよいタイミングでアリーナツアーができてよかったなって。“超特急のダンス”というものに特化したライブの内容で、登場の場面もいつものようなオープニング映像を使わずに照明の演出だけ。初心に返るような超特急の姿だったけど、一方で大きなスロープのセットを使わせてもらったりもして。なんだか“豪華になって帰ってきた超特急”みたいな感じで、めちゃくちゃ楽しめたライブになったなって思います。

リョウガ 今までで一番大きなステージで、乗車してくださった方の人数も一番多くて。昔から応援してくださっている方々がさすがに距離感を感じてしまうんじゃないかな?という心配だったり、そもそも客席が埋まらないんじゃないか?とか、いろんな不安があったんですけど……いざ幕が開いてみたら、そういったことはまったく問題なくて。まあ、不安も解決できるような演出を(総合演出の)ユーキが付けてくれたという面もあったと思うんですけど、ホントにいい意味で、ユースケが言ってくれたように昔と変わらないスタイル、スタンスでライブができたと思います。これからさらに大きなステージへ……まだ立てるかわからないですけどね、進めたとしても。ずっと僕らと8号車との関係性は変わらないままライブができるんだろうなと、今回のツアーで感じることができたんですよね。

──そうだったんですね。

ユーキ 結成7周年にして、超特急の今までをいい意味で振り返ることができたと思います。人によっては懐かしさを感じてくれたんじゃないかな?とか、自分たちらしさが伝わっていたらいいな、とか。とにかく2018年という1年と、今までの超特急の軌跡をしっかりと振り返るようなライブができたんじゃないかなと思います。

──そして、さいたまスーパーアリーナ公演の直後にはアジア最大級の音楽授賞式「Mnet Asian Music Awards(MAMA)」で「Favorite Dance Artist Japan」という賞を受けるという大きなトピックスもありました(参照:圧巻BTSにフレッシュなIZ*ONE、“日本代表”超特急も!たまアリ熱狂の「MAMA」終幕)。

ユースケ あの、本番までずっと違和感ありました(笑)。

ユーキ あったよね、違和感!

ユースケ 「なんで僕らが?」みたいな。

ユーキ もう、よくわかんないまま当日を迎えた感じ。

カイ 「MAMAで受賞しました、ハイ出ますよ!」みたいな感じだったんですよ。でも、いちK-POPファンとしてはうれしかったですけどね。今回で10周年の歴史ある賞だし、ずっと授賞式の放送は観ていたし。

引っ掻き回すなら「バッタマン」でもよかった

──ワンマンの5日後に、違う形で同じさいたまスーパーアリーナのステージに立つことになって。

ユースケ MAMAのステージすごかったよね! 上に付いてるビジョンはハイテクだし、床も……。

リョウガ 床自体が液晶モニタでね。

ユーキ

ユーキ ポップアップも全自動でした(笑)。感覚、全然違いましたよ。

──そんなステージで披露した「need you」はいかがでしたか?

ユーキ 気持ちがすごい入りました。

リョウガ 確かにね、あのときは相当。集中力がハンパなかったです。

ユーキ 披露できるのが1曲だけだったから、余計にね。

カイ 1曲だけなのにすごい消耗したもんね。

ユースケ 超気合い入ってたよ。

──会場の上のほうの席で観ていたんですけど、6人の気迫はめちゃくちゃ伝わってきました。

ユーキ だって同じステージ上で(受賞アーティストが)観てるんですよ? そこにいるんだもん。

──パフォーマンスをしながら、視線を感じた?

ユーキ 感じましたね。

──またユーキさんは自分が振りを付けた「need you」を披露することに、一層の思いがあったのでは?

ユーキ そう、感慨深かったです。「『need you』か」って。自分で作ったものだから「ホントによかったのかな?」とちょっと不安になったところもあるけど、そこはポジティブに捉えてます!(笑)

カイ

カイ いや、毎年「MAMA」を観てる自分的には、この曲しかなかったと思うよ。

──ユーキさん的には、ほかにも披露したい曲があったんですか?

ユーキ 引っ掻き回すなら「バッタマン」でもよかったし。

ユースケ 授賞式引っ掻き回しちゃダメでしょ(笑)。

ユーキ そういうパフォーマンスを求められている可能性もあるじゃないですか。それか逆に、「霖雨」のような“どバラード”もやってみたかったです。ただ、まだK-POPの土壌が完璧には把握できてないから!

リョウガ いつか思い切り引っ掻き回すようなパフォーマンスができるようになりたいね。