BoA 日本デビュー20周年連載 第2回|フレンズおかもとえみ×眉村ちあき×POLY / Klang Rulerやすだちひろが語る「BoAの変わらない魅力」 (4/4)

神々の遊び“GOT the beat”

──5月29日には東京・国立代々木競技場第一体育館でBoAさんの日本デビュー20周年記念公演「BoA 20th Anniversary Special Live -The Greatest-」が開催されます。生粋のBoAファンである3人が、ライブでBoAさんにしてほしいこと、歌ってもらいたい曲などはありますか?

眉村 私はスニーカーを履いて踊ってほしいです。最近の大人っぽいBoAさんも素敵で大好きなんですけど、ガンガンに踊ってる姿も観たい!

一同 あーっ、確かに!

──昔のBoAさんってスニーカーを履いていた印象がありますね。

やすだ どの曲を聴いてもテンションは上がるだろうけど、私は「コノヨノシルシ」を歌ってほしいな。やっぱり人生で最初に買った「BEST OF SOUL」に入っている曲を生で聴きたいんですよね。今K-POPにハマっているからこそ、余計に小学生の頃にハマっていた曲を聴いて共通点があるのか確かめたい。

やすだちひろ(POLY、Klang Ruler)

やすだちひろ(POLY、Klang Ruler)

おかもと その感覚はアツいね。聴きたい曲はいっぱいあるけど、私は「LISTEN TO MY HEART」や「Rock With You」のような当時私がハマってた曲と、最新のBoAさんの曲を織り交ぜたセットリストのライブが観たいですね。あえて新旧ごちゃ混ぜにして私をパラレルワールドに連れていってほしい(笑)。あと今のBoAさんのダンスにも注目したい。BoAさんが参加しているGOT the beatのダンスが本当にすごかったので!

──少女時代のテヨンさんとヒョヨンさん、Red Velvetのスルギさんとウェンディさん、aespaのカリナさんとウィンターさん、そしてBoAさんという豪華さが異常なメンバー(笑)。

おかもと もはや神々の遊び。GOT the beatのことは、ちひろちゃんが教えてくれたんです。

やすだ メンバーがエグすぎて、これはチート(笑)。パフォーマンスビデオだけでこんなに満足感があるなんて!

──GOT the beatつながりだと、BoAさんは昨年aespaの「Dreams Come True」をプロデュースしましたね。

やすだ 「Dreams Come True」の制作ドキュメント映像も観ました。そこでBoAさんがプロデュース業をやっていることや、この曲がカバー曲だということを知ったんです。映像を観てまず思ったのは、指示や意見が具体的で的確で、知的な方なんだなって。例えば制作プロデューサーと編曲の打ち合わせをするときに「原曲のイメージではなくaespaらしさを出したい」「ヒップホップっぽく」とか「ドロップ(サビ)とラップを追加」とか。BoAさんの頭の中に明確なイメージがあるんだと思いました。「自分がプロデューサーだ」といういつもとは違った角度のプロ意識を感じて、この動画はステージ上では見られない、今のBoAさんを見られるという面でも面白いと思いました。

おかもと うんうん。ドキュメンタリーもちひろちゃんと一緒に観たんですけど、私が印象に残ったのは、MV撮影のシーンですね。ジゼルちゃんのシーンを撮影しているときに、監督に「ほかのメンバーと比べて、セット的に色が寂しいし、動きにくいから、もっと見栄えのするところに変えてほしい」と直接言うんですよ。もし、私が同じ立場だったとして、そこに用意されたセットがあったら、演者を動かすことで解決しちゃいそうだなって思ったけど、BoAさんは常に全体が見えてる。ずっとBoAさんの色彩感覚は独特で面白いなと思ってたんですけど、このシーンを見て納得したというか。さっき話したキラキラで真っ赤なステージ衣装とかも、セットも含めた全体の中でどう見えるかまで踏まえてるんだと思う。

おかもとえみ(フレンズ)

おかもとえみ(フレンズ)

強くてかっけえ女性・BoAに伝えたいメッセージ

──こうして皆さんのお話をうかがっていると、BoAさんのいろんな面が見えてきました。改めてBoAさんはご自身にとってどんな存在ですか?

おかもと BoAさんは私にとって理想のお姉さんですね。年齢も4つしか変わらないし、オンニって感じ。私は今年、ナチュラルな自分のままで生きることがテーマなんです。BoAさんはそれを「ID; Peace B」の頃からずっと実行されてると思います。さっきのメイクの話然りですけど、楽曲に関しても、前提となる自分のスタイルはあって、そこに時代ごとのトレンドを取り入れてる気がするんです。だからどの映像を見ても印象が変わらないんじゃないかなって。

眉村 私にとってBoAさんはプリンセスですね。私はディズニープリンセスが好きなんですけど、中でも「美女と野獣」のベルみたいな自分で幸せをつかみ取りにいくキャラクターが好きなんです。自分で人生を変えていく……みたいな。白雪姫なんて寝て待ってるだけじゃないですか(笑)。

一同 (笑)。

眉村 寝てんじゃないよって思うんですよ(笑)。BoAさんも寝て待つタイプではない。ビヨンセやレディ・ガガと並ぶ、強くてかっけえ女性なんです。グループじゃなくてソロでやっているところもにも共感できます。

眉村ちあき

眉村ちあき

──今回の企画でBoAさんの年表を制作したんですが(参照:BoA 日本デビュー20周年連載 第1回)、もしもBoAさんがいなかったら、日本の音楽シーンはまったく違うものになってたなと改めて感じて。おそらく東方神起も、BIGBANGも、少女時代も、KARAも、そしてBTSですら、BoAさんがいなければ、まったく違う活動スタイルになっていたと思う。K-POPはもちろん、J-POPにもとてつもない影響を与えているんですよね。しかもBoAさんは韓国に活動拠点を移した2009年以降も、作品をコンスタントに日本でリリースし続けているんです。このことも非常に大きいんですよね。今日皆さんのお話を聞いて、BoAさんが日本に撒いた文化の種は確実に今芽吹いていると確信しました。

おかもと BoAさんから脈々と文化がつながってるってことですよね。私、作詞家の康珍化さんが大好きなんですけど、康さんのことをBoAさんの曲で知ったんです。BoAさんの声で康さんの言葉を聞いて好きになれた面が大きくて。歌詞を自分に落とし込んでから、歌として言葉にするBoAさんのスタイルにはすごく影響を受けました。

──最後に、今日はせっかくBoAファンの皆さんが一堂に会したので、BoAさん本人にメッセージを送るっていうのはどうですか?

おかもと ええー、緊張するなあ(笑)。私はBoAさんを聴いて育ったので、自分が作る音楽にもBoAさんのエッセンスが自然に入っています。先ほど康さんの話をしましたが、私の夢は自分が書いた言葉をBoAさんに歌ってもらうことです。ぜひ作詞させてください。

眉村やすだ おおー!

眉村 私はいずれワールドツアーをやるので、そのときに必ずBoAさんをゲストでお呼びします。そのときは「あ、日本の、あの記事のあの子かも」と思ってください。こっちからちゃんとリマインドもさせていただきます(笑)。実現したらステージで手押し相撲をして遊んでください!

やすだ BoAさんが練習生になって、デビューが決まって、日本で活動するとなったときどんな気持ちだったんだろうとか、気になることがたくさんあります。きっといっぱい大変なことがあったと思うけど、本当に本当に日本に来てくれてありがとうございますと伝えたいです。私は最近K-POP文化にハマったけど、その原点を実は小学生の時に体験していた。そんなことを気付かせてくれるアーティストは世界にただ1人、BoAさんだけです。きっとこれからの私の音楽人生にも大きな影響を与え続けると思います! なんだか「ありがとうございます」ばっかりになっちゃったけど、本当にそういう気持ちなんです。

一同 最後に一同より20周年おめでとうございます!

左からおかもとえみ(フレンズ)、眉村ちあき、やすだちひろ(POLY、Klang Ruler)。

左からおかもとえみ(フレンズ)、眉村ちあき、やすだちひろ(POLY、Klang Ruler)。

BoA公演情報

BoA 20th Anniversary Special Live -The Greatest-

2022年5月29日(日)東京都 代々木第一体育館

プロフィール

おかもとえみ

東京都板橋区出身のシンガー、ソングライター、ベーシスト。ソロシンガーとして活動する傍ら、フレンズのメインボーカルを務める。2014年からソロ活動を本格的に始め、2015年にミニアルバム「ストライク!」、2021年8月に1stフルアルバム「gappy」をリリースした。2015年からはフレンズのボーカルも務めており、2022年2月には初のBillboardツアー「La notte」を開催した。作家としても活躍し、Sexy ZoneやTEAM SHACHIらに歌詞を提供。ABEMA「Music 水曜TheNIGHT」のアシスタントMCやblock.fm「おかもとえみのピーチクパーチク」のDJも務める。

眉村ちあき(マユムラチアキ)

アイドル、シンガーソングライター、トラックメイカー、実業家。“弾き語りトラックメイカーアイドル”を自称している。グループアイドルとして活動を行ったのち、2016年に眉村ちあき名義でソロ活動を開始。2017年に株式会社会社じゃないもんを設立し、自身が代表取締役社長を務めることを発表した。2019年にTOY'S FACTORYからメジャーデビューを果たし、2020年には東京・日本武道館でワンマンライブ「日本元気女歌手 ~夢だけど夢じゃなかった~」を開催。2022年2月にはニューアルバム「ima」をリリースし、3月から5月にかけて全国ツアーを開催中。

やすだちひろ

2013年7月に雑誌「Zipper」の専属モデルオーディションファイナリストに選ばれ読者モデルとしての活動を開始。2016年3月には、宝島社より自身のスタイルブック「やすだちひろと。」出版した。2019年よりファッション、音楽、アートなどさまざまなカルチャーをミックスして作品を発表するソロアーティスト・POLYとしての活動をスタート。2021年7月にKlang Rulerに加入し、POLYと並行して活動している。

BoA(ボア)

1986年生まれ、韓国出身の女性シンガー。2000年8月に韓国で歌手デビューを果たし、翌2001年5月30日にはシングル「ID; Peace B」で日本デビュー。2002年1月発売の4thシングル「LISTEN TO MY HEART」でブレイクして日本でもトップスターの仲間入りを果たす。その後も「VALENTI」「奇蹟 / NO.1」「JEWEL SONG」「Shine We Are!」「メリクリ」「Everlasting」など多くのヒット作を送り出し、2009年3月にはベストアルバムと全米デビューアルバムを1つにした“2in1”アルバム「BEST & USA」を発表した。2021年に日本デビュー20周年を迎え、彼女の誕生日である11月5日にデジタルシングル「Me Dear」をリリース。同年12月よりフィルムコンサート「BoA 20th Anniversary FILM LIVE~BoA THE LIVE EDITION~」を、2022年2月から3月にかけて「BoA 20th Anniversary FILM LIVE ~TOUR EDITION~」を5都市で開催した。5月には日本デビュー20周年を記念して、東京・代々木第一体育館にてコンサート「BoA 20th Anniversary Special Live -The Greatest-」を開催し、アルバム「The Greatest」をリリース予定。

2022年4月8日更新