BLACK DIAMOND インタビュー|世界で活躍するユニットへ、本気のパフォーマンスで示す偏見への“宣戦布告” (2/2)

「ギラギラ」と「キラキラ」

──さて、3月21日にデビュー曲「Super Duper」「hungry spider」が同時配信されました。ズバリ聴きどころを教えてください。

ANRI 「Super Duper」はとにかくキャッチーなので、もれなく誰でもノることができるはず。キュートというよりはクール&セクシーの要素が強く、エッジの立ったサウンドも特徴になっています。

L.V 謙虚さのない歌詞も個人的にはドハマりしています。最初から最後まで「ドヤ!」感が全開なので。

──セクシーではあるけど、男に媚びている感じは一切しないですよね。

MARY 「女性のエンパワーメントを高める」というのがBLACK DIAMONDの理念なんです。同性の方にも応援していただける存在になりたいと真剣に考えています。

ANRI 性に関することも含め、ライフスタイルも、体型も、私はすべてをオープンにして生きてきたんですよ。そこに対して共感してくれる同性の方も、少なからずいると思うんです。ダイバーシティを感じていただいて、同じような境遇の人に希望を感じていただきたいという気持ちはあります。

──そこもセクシー女優の海外受けの話と同様に、世間の理解が追いついていないところかもしれません。今のセクシー女優って、人気を左右するのは同性からの支持率だったりしますし。

L.V 国籍も、性別も、年齢も……すべてを超越していきたいんですよね、このBLACK DIAMONDでは。胸の大きさひとつ取ってもそうですけど、今の日本人が考える“普通”って世界基準からしたら普通じゃないかもしれないですし。どこの誰が見てもカッコいいと思うものを、楽曲面でも提示していきたいなと考えています。

MIIRO 「Super Duper」が女の強さやカッコよさを前面に打ち出した曲だとしたら、「hungry spider」には妖艶さが現れているはずです。衣装も2曲で全然違うんですよ。ひょっとしたら「hungry spider」のほうが女性の共感が集まるかもしれません。

ARIS それはあるかもしれない。歌詞も女性の気持ちを代弁していますし。

MIIRO どっちの曲もキャッチーではあるんですけどね。「Super Duper」が女性のギラギラした部分を表現しているとしたら、「hungry spider」が歌っているのは女性のキラキラ。「ギラギラ」と「キラキラ」というキーワードで2つの曲を覚えてください(笑)。

──振付やビジュアル面での注目ポイントはありますか?

L.V ダンスが激しいのは「Super Duper」かな。「hungry spider」は海外のパーティみたいな世界観なんですよ。ラグジュアリー感もありますし。でも、どっちも違った魅力があるのは間違いないと思います。

偏見に対する宣戦布告

──今後の活動は具体的にどのように進めていくんですか? 楽曲的には、アイドルフェスに出るような方向性とは違うイメージがあるのですが。

L.V そこはけっこうデリケートなところで、頭を悩ますポイントでもあるんです。セクシー女優というのは私たちの武器だし、もちろん隠そうとも考えていません。でも、そこをアピールするとイベントによっては出にくくなるんですね。どうしたってイロモノみたいに思われますから。

ANRI でも、それはイベント出演だけじゃなくてメディア露出でも同じことですよ。セクシー女優という肩書を持つだけで出られなくなる媒体は正直たくさんあります。

──我々もマスコミの端くれではありますが、いまだに偏見や差別が残っているということですかね。

L.V 極端な話、深夜放送のバラエティだったら、セクシー女優のままでも全然OKなんです。でも、それが主婦層も観る時間帯だったら厳しいかもしれない。同様にBACK DIAMONDとしてアーティスト活動をするときも、セクシー女優としての知名度が足かせになる部分もありまして。

L.V

L.V

ANRI こういう日本社会の体質は、外圧でしか変わらないかもしれません。海外で私たちが活躍できるようになったら、ようやく“縛り”みたいなものが減ると思うんですよね。

MARY 今後のことに関しては、とりあえず5月17日にZepp Hanedaでショーケースイベントを行います。

──いきなり大きい会場でお披露目されるわけですね。それぞれ人気のあるメンバー5人が集まったグループということで、ある程度、観客動員も見込めるということでしょうか?

ARIS いやあ、そんな甘くはないと思いますよ。求めているものもそれぞれのファンで違うでしょうし。

L.V 現場に足を運ぶって大変なことですからね。実際、お金も時間もかかるじゃないですか。だからまずは無料で観ることができるミュージックビデオをチェックしていただき、いい意味で驚いてもらいたいんですよ。「おやおや? 想像していたより、はるかにカッコいいじゃん」という感じで。卑下するようなことはあまり言いたくないけど、やっぱり世間からは「しょせんセクシー女優でしょ?」と冷笑する声もあるんです。

MARY 「Super Duper」と「hungry spider」はそういった偏見に対する私たちからの宣戦布告でもあるし、世間からの偏見に負けたくないという気持ちは強いですね。私たちが本気でやっている姿を見たら、それに共鳴してくださる方も出てくるでしょうし。

ANRI 特に日本においては、音楽ファンとアダルトファンってあまり被っていない印象があるんですよ。自分としては、音楽シーンに対して新人の気持ちでイチから勉強させてもらうつもりです。最悪なのは「セクシー女優が片手間でやっている」という見られることで、こうなるともう音楽好きな人からのアレルギー反応も避けられなくなると思うんですね。ミュージシャンの方は、みんな命懸けで音楽に取り組んでいるわけですから。でも少なくともこの音楽ナタリーの記事を読んでいる方は、私たちが真剣にこのプロジェクトに取り組んでいることだけはご理解いただきたいです。

──かしこまりました。最後にファンや読者に向けてメッセージをお願いします!

MARY 多くは望まないので、とにかくMVを観てほしいです。それで私たちの本気度が伝われば、まずはいいかなと考えています。全力でがんばりますので、応援よろしくお願いします!

L.V レコーディングとMV撮影を終え、自分たちでもカッコいいものが作れたという手応えが今はあります。でもデビューがゴールではもちろんないし、ここから伸びしろしかありません! 今後、BLACK DIAMONDがビッグになったとき、「俺、デビュー当時から推していたんだぜ」と古参の人が自慢できるような存在になりたいですね。

ANRI この記事を読んでいる人の中には、海外に住んでいる方もきっといると思うんです。そこでお伝えたいのは、このBLACK DIAMONDが盛り上がれば海外でのツアーも絶対にできるということ。コロナの問題もあって海外公演ができる日本人アーティストが少なくなっている中、なんとしても私たちのチームは海外でのライブを成功させたい。今はBLACK DIAMONDの歴史的なスタートアップを目撃できるチャンス。ぜひ一緒にムーブメントを作っていきましょう!

MIIRO 私の場合は「世界に飛び出したい」というより、単純に「もっと歌いたい」という気持ちが強くてオーディションに参加したんですよ。なのでまだ始まったばかりの段階ではありますが、夢が叶ったという気持ちが率直にあります。ぶっちゃけ、ここに来るまでバカにされたこともあったんですよ。

MIIRO

MIIRO

──それはやはり、「セクシー女優に何ができる?」という世間からの偏見ですか?

MIIRO いや、同業者からです。「なんかしょぼいユニット作るみたいだね」とか「またAVの子を集めて何かやるんだ」みたいな温度感で。私が「世界に行けるプロジェクトらしいんですけど」と言ったときも、「は? 行けると思っているの?」って鼻で笑われて、「いつか見てろよ」と思いましたね。でも、それは私にとって大きなモチベーションになっているので結果的には感謝です。

──なにくそ精神みたいなものがBLACK DIAMONDのベースには確実にありますね。

ARIS 最近、私は所属していたアイドルグループ・マシュマロ3d+を辞めたんですよ。7年在籍していたし、リーダーもやっていたんですけど。辞めた理由は、片手間でBLACK DIAMONDをやっていくのは無理だと思ったから。生半可な覚悟じゃ無理なのかなって。つまり、それくらい本気でこれに取り組んでいるということです。やるからには本気で上を目指したいので、ぜひ温かく、かつ熱く応援してください!

プロフィール

BLACK DIAMOND(ブラックダイヤモンド)

ANRI、ARIS、MARY、L.V、MIIROの5人からなるダンス&ボーカルユニット。メンバーは現役のセクシー女優もしくは元セクシー女優であり、全員のSNSの総フォロワー数は950万人を超える。トータルビジュアルのクリエイティブは五十嵐LINDA渉が担当。「女性のエンパワーメント」というテーマのもとグローバルな活動を視野に入れて始動し、2023年3月にデビューシングル「Super Duper」「hungry spider」を同時配信した。