BiSニューシングル制作陣の中野雅之&小林祐介も登場|新体制で再スタート切った第3期BiSの現状 (4/4)

今のBiSはバラバラだけど

──BiSに入って大変なことは?

シオン コミュニケーションが大変。でもBiSのメンバーだからとかじゃなく、そもそも人と話すことがあんまりないから。

トギー ちょっとまだコミュニケーションが難しいこともあるけど、聞けば答えてくれるので、話を振るようにして、質問しにくい空気にならないように心がけてます。

ナノ3 あとライブをやっていく中で気になることが増えてきたのか、わからないことは自発的に聞いてくれるようになりました。

シオン 不安なことも多いし、確かめたいことも普通にあります。

──今のそのメンバーのちぐはぐ感みたいなところも面白いですが、新メンバー3人がますますキャラクターを開花させて、さらに既存メンバーにパフォーマンス面で追いついたときにBiSが進化を遂げるのかも楽しみです。

ヒューガー 今はけっこうバラバラ感があると思うので、もっといいものを見せられるようにがんばりたいです。「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」ではメンバーが3人、トライアングルになってパフォーマンスするんですけど、イコとは目が合うのにシオンとは目が合わないし、必死こいてるのがわかる。そのうちそういう細かいところも変わっていくだろうなとは思っているので、ライブのたびにそのパートを披露するのが楽しみです。

ナノ3 お披露目のときはすごかったけど、最近のライブだとシオンからあんまり苦しそうな悲鳴は聞こえないの。それはすごいなって。踊ってるときに手はまだ上がってないけど。シオンもクレもイコもライブのたびによくなってると思うから、ファンの方にはその成長過程も見てもらいたいです。今しか見られないバランスなので。

ナノ3

ナノ3

トギー シオンが必死の顔になってるところとかも、お客さんの視線がシオンに釘付けだもんね。

シオン え、ウソ? 私なんて誰も観てないと思う。

トギー そんなことないよ。すごく目立ってるよ! みんな見てるから!

BiSの荒波に揉まれるヒューガー

──ヒューガーさんは昨年11月に加入して日が浅いですが、BiSとしてメンバーの変動が最も激しい時期を見てますよね。

ナノ3 ヒューガーは大変だったと思います。必死こいて加入したと思ったら、お披露目からバタバタで、今年1月に2人(ネオ・トゥリーズとイトー・ムセンシティ部)が脱退して3人体制になってまたバタバタ。でもいろんな状況に揉まれながら、目の前のやるべきことを必死にやって、BiSの活動に食らいついてきてくれました。私とトギーも大変ではあったけど、ヒューガーのがんばりがあったから、乗り越えてこれたと思います。

ヒューガー 私が加入したときは、そのときにもともといた4人の中で悩みがあったと思うんですけど、その中に私が入って、受け入れてもらう必要があったんです。私はBiSに入ったばかりだからまっさらな気持ちだけど、4人は4人なりの苦悩があって。しかも2人が脱退するって話になったのはお披露目のホントすぐあとだったんですよ。でもトギーとナノ3が私を受け入れてくれたので、すごくありがたいことだなと思って、追い付くためにとにかくがむしゃらにやってました。

ヒューガー

ヒューガー

ナノ3 ヒューガーが入った去年の11月から今年1月まで5人体制でした。その期間、ヒューガーは(1人で)全国のタワーレコードを挨拶回りしてたから、一緒に練習する時間もあまりなかった。でも、5人から3人になったことで、メンバー同士でより密にコミュニケーションを取れるようになったんです。お互いダメな部分もあればいい部分もある。それが3人での活動期間でよくわかったし、得たものは大きかったなって。それでダメな部分を全部直せたというわけではないですが、パフォーマンスに対しても、活動へのスタンスについても、改めて考え直す時間になっていたのかなと思います。

特大ホームランを打ちます

──BiSはなぜかいつも大変な印象が……。

トギー ……“BiSの呪い”ですかね。そのひと言で片付けちゃいけないと思うんだけど、だんだん「でもやっぱりこれって……」ということが次々に起きていくという。

──でもトギーさん的には「今のほうがよっぽど大変だ!」ということはない?

トギー メンバーが不動だったときのほうが、不安は大きかった気がします。今はメンバー増員という形になったことで、ワクワクした気持ちが勝っているんです。今の私は教えたり、リードしたりする立場でもあるけど、それが大変とは感じてないです。

──ちなみに振付は誰がメインで担当してるんですか?

トギー 新メンバーが入る前は、ヒューガー、ナノ3、トギーですね。今後の曲ではイコ、クレ、シオンがチャレンジしてもいいだろうなって。

イコ やってみたいです! もともとダンスをやっていたというわけではないんですけど、小さい頃からとにかく何かを真似して踊るのが大好きで……あ、でもフラダンスは6年くらいやってました。ちょっとだけですけど。

イコ・ムゲンノカナタ

イコ・ムゲンノカナタ

ナノ3 6年はけっこうちゃんとやってるよ(笑)。

クレ 私は歌も踊りもやってなくて、音楽を聴いたり、ライブ映像を観たりするくらいだったので、ほぼ未経験です。

クレナイ・ワールズエンド

クレナイ・ワールズエンド

──オーディションに合格するために練習し始めたという感じですね。シオンさんはカラオケとか行くんですか?

シオン 行きません。

ヒューガー じゃあどこで歌うん?

シオン 歌いません。

ヒューガー いや! 歌う仕事してるから!

シオン オーディションを受けるまで歌ったことなかったです。合唱コンクールとかでも私1人だけ口を開きませんでした。

──WACKに入った動機が気になります……。

シオン アイドルになりたかったんです。というよりも、「渡辺さんと一緒に働きたい」という思いが強かったので、「アイドルを目指すのがその近道か」って。

シオンエピック

シオンエピック

ヒューガー そういう動機でも今こうしてBiSに入って活動できているシオンって面白いなと思う。歌わないと言ってるわりに歌もうまいし、音感もいいし。

ナノ3 ピアノやってたんだよね?

シオン やったけど、そんなうまくないです。

ナノ3 まだ入って日が浅いけど、最初の頃と比べても、とってもうまく歌えるようになってるよね。

──無垢な状態からのアイドル人生がスタートしたシオンさんの姿は、まさに「BiS=新生アイドル研究会」の象徴とも言えそうです。そしてグループの活動に目を向けると、今のBiSは、昔登った階段を駆け足で登って、過去を追い越そうとしている段階のように感じます。東京・LIQUIDROOMで迎えるツアーファイナルも新体制のBiSが飛躍するためのステップになりそうですね。

トギー どうしても過去のBiSと比べられてしまうことがあるかもしれないけど、過去にあまりとらわれず、私たちなりのLIQUIDROOMでのツアーファイナルを楽しんでやりたいです。リキッドもBiSにとって大切な場所なので。ただ気負いすぎることはなくて、めっちゃ楽しくなると思います。

ナノ3 そうそう。LIQUIDROOMはフロアが後ろに向かって高くなっているから、お客さんの顔がバーッと並んでよく見えるんですよね。

トギー 景色的には日比谷野音をコンパクトにしたイメージかな。お客さん全員の顔が見えるライブってめちゃくちゃ楽しいんですよ!

トギー

トギー

──LIQUIDROOMといえば、コロナ禍が起きる直前の2020年2月にワンマンライブをした会場でもありますよね。

トギー 第3期BiSは2019年8月に初ライブをしてから半年くらいでコロナ禍になっちゃったので、前回のLIQUIDROOMが声出しできる最後のライブだったんですよね。そういうタイミングだったこともあって、私にとってはすごく思い入れのある会場なので、3期BiSとしてまたあのステージに立てるのが楽しみです。

──今のBiSは「3 balls and 2 strikes TOUR」というツアータイトルの通り、ピンチだけどまだチャンスもあるといった状況でしょうか。

ナノ3 最後にホームラン打ちますよ!

ヒューガー 私たちはマジでビッグになりたいです。「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」という、私たちにとって強力な新曲を携えて、特大ホームランを打ちます! 楽しみにしていてください。

BiS ライブ情報

「3 balls and 2 strikes TOUR」ファイナル

  • 2023年7月18日(火)東京都 LIQUIDROOM

プロフィール

BiS(ビス)

トギー、ナノ3、ヒューガー、シオンエピック、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンドからなるアイドルグループ。もとは2010年にソロアーティストとして活動していたプー・ルイを中心に結成された。2期BiSが2019年5月に解散し、同年6月に第3期BiSが始動。2021年12月に初のカバーアルバム「BiS DiVE into ROCKS」を発表し、同月にナノ3をお披露目した。2022年2月にシングル「DA DA DA DANCE SONG」を発表し、シングル発売後には東北の各地を回るワンマンツアー「ARABAKI×BiS GiP! -GREAT iDOL PURiTANS- 2」を行う。7月にニューシングル「Hey boy hey girl」をリリース後、チャントモンキーが脱退。5月から7月に「BUiLD our STRENGTH TOUR」、8月から11月にかけて「ROAD of EVOLUTiONS TOUR」を行い、11月にヒューガーが加入した。2023年1月に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)でのワンマンライブをもって、ネオ・トゥリーズとイトー・ムセンシティ部が脱退。同年3月にシオンエピック、イコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンドの加入が決定し、5月に新体制をスタートさせた。7月に中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES、THE SPELLBOUNDS)プロデュースによるニューシングル「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」をリリース。

THE SPELLBOUND(スペルバウンド)

BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之とThe Novembersの小林祐介によって結成されたロックバンド。2019年に行われた中野のボーカリスト募集オーディションを経て、2021年1月に活動をスタートさせた。同月から5カ月連続で新曲を発表し、7月には東京・LIQUIDROOMでバンド初のライブとなるワンマン「THE SECOND CHAPTER」、12月には東京・USEN STUDIO COASTにて2度目のワンマン「A DEDICATED CHAPTER TO STUDIO COAST AND YOU」を開催。2022年2月に1stフルアルバム「THE SPELLBOUND」、11月にはテレビアニメ「『ゴールデンカムイ』第四期」のエンディングテーマを収録したシングル「すべてがそこにありますように。」をリリースした。

2023年7月12日更新