BILLIE IDLE「LAST ALBUM」NIGO&渡辺淳之介インタビュー|悩めるプロデューサーが語る“NOT IDOL”の理想と現実

余裕かましてるほうがカッコいい

──今回は、今後の活動方針がまだ見えない状態でインタビューを受けていただいてます。お二人が悩んでいる現状をそのまま伝える内容になるわけで、これを読んだらファンもメンバーも相当戸惑うと思うんですが、そのあたりはいかがですか?

NIGO そうですよね。たぶんメンバーも僕らがここまで悩んでるとは思ってないはずです。

──メンバーともこういう話はするんですか?

NIGO 話をしてもメンバー的に「こうなりたい」っていう意志はそこまで強くない気がしてます。

渡辺 「グループをこうしたい」みたいなことは確かにあんまり言ってこないですね。

──こちらの勝手な印象かもしれないですけど、BILLIE IDLEの4人を見ていると「もっと売れたい」「もっとやりたい」みたいな貪欲さがあまり感じられなくて。NIGOさんと渡辺さんが守ってくれて、道を示してくれるという安心感があるように見えるんですが。

NIGO そうかもしれない。危機感はないでしょうね。でも自分が若いときに苦労したから、彼女たちにはそんな思いをさせたくないっていう気持ちもあって(笑)。もっとスパルタのほうがいいのかな?

渡辺淳之介

渡辺 いや、僕も必死にやらざるを得なかったタイプですけど、BILLIE IDLEにはやっぱり余裕かましててほしいなって思ってますよ。そっちのほうがカッコいい。だってSex Pistolsが「売れるためならなんでもします」とか言ってたらちょっとイヤじゃないですか。

──ロックスターはスカしてるくらいがいい?

NIGO そうですね。

渡辺 でも僕的にはこの3年でやっと輪郭が見えてきた気はしていて。その輪郭を固めていくのか、もう1回ぶっ壊すのかっていうところなんでしょうね。

来年の活動予定は白紙

──最後に確認ですが、このまま終わるつもりはないんですよね?

渡辺 わかんないですね(笑)。

──わかんないんですか?

渡辺 まあビジョンはあると思うんですよ、NIGOさんの頭の中には。

NIGO 名前を変えてみるとかね(笑)。

──えっ?

NIGO そこも悩みです(笑)。難しいな……まあでも名前変えて仕切り直すの、けっこうカッコいいかもね(笑)。

──とりあえず12月10日の「LAST TOUR」東京公演以降のスケジュールは、現時点では白紙になっていますね。

NIGO 「来年どうします?」みたいなことはずっと話してますけどまったく答えが出てこなくて。来年の活動予定が決まってないから来期のファンクラブの募集もできないです。

渡辺 いろいろ考えてはいるんですけど、まだいろんなものがモヤッとしたままなので。僕としては「LAST ALBUM」とこのインタビューを経て、BILLIE IDLEは確実に変化していくだろうし、さらに面白い展開になると思ってるんですけどね。

NIGO そうなるといいですね。

左からNIGO、渡辺淳之介。
BILLIE IDLE「LAST ALBUM」
2017年11月22日発売 / オツモレコード
BILLIE IDLE「LAST ALBUM」

[CD2枚組] 3000円
DDCZ-2179(OTSUMO-011)

Amazon.co.jp

収録曲
  1. MY WAY
  2. さよならロマンティック
  3. ライダー
  4. 東京マリールー
  5. それって偶然!
  6. ひっくり返して
  7. Lesson Time
  8. 愛 SUNSUN
  9. STAY
  10. ラストソング
  11. 神様ヘルプ!(※チェッカーズのカバー曲 / iTunes Store限定)

BONUS DISC

  1. be my boy
  2. anarchy in the music scene
  3. be-bop tu-tu
  4. by
  5. 泣きそうサンデー
  6. 彼方に・・・。
    (RECORDED LIVE AT SHIBUYA WWW, 2017.5.20 BILLIed IDLE TOUR FINAL)
BILLIE IDLE「LAST TOUR」
  • 2017年11月26日(日)
    福岡県 THE Voodoo Lounge
  • 2017年12月2日(土)
    大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE(※ソールドアウト)
  • 2017年12月3日(日)
    愛知県 HeartLand(※ソールドアウト)
  • 2017年12月10日(日)
    東京都 WWW(※ソールドアウト)
BILLIE IDLE(ビリーアイドル)
BILLIE IDLE
ファーストサマーウイカ、ヒラノノゾミ、モモセモモ、アキラの4人からなるガールズユニット。NIGOと、BiSやBiSHを擁する音楽プロダクション・WACK代表の渡辺淳之介の共同プロデュースにより「ネオ80's」をテーマにしたサウンドとビジュアルイメージで独自の世界観を追究している。2015年4月に1stアルバム「IDLE GOSSIP」でCDデビューを果たし、9月に2ndアルバム「ROCK"N"ROLL IDLE」を発表した。12月には主催ライブイベント「BILLIE IDLE presents Brand-new Idle Society」を催し、かつての盟友と競演。2017年4月にベストアルバム「BILLIed IDLE」とライブアルバム「LAUNCHING OUT」、8月にシングル「MY WAY」を発表した。リリースにあわせて全国ツアーを行ったほか、多くのライブイベントに出演するなど精力的なライブ活動を展開。11月にニューアルバム「LAST ALBUM」をリリースし、11月末から全国ツアー「LAST TOUR」を開催する。
NIGO(ニゴー)
クリエイティブディレクター。裏原宿系ファッションの火付け役となったファッションデザイナーである傍ら、1989年よりDJとしても活躍。2002年にVERBAL(m-flo、PKCZ)、RYO-Z(RIP SLYME)、ILMARI(RIP SLYME)、WISEとともにTERIYAKI BOYZを結成し、アドロック(Beastie Boys)、The Neptunes、Daft Punk、マーク・ロンソン、DJシャドウらがプロデュースを務めたアルバム「BEEF or CHICKEN」をDef Jam Recordingsからリリースした。その後もTERIYAKI BOYZはコンスタントに活動を続け、2007年にはカニエ・ウェストがプロデュースを手がけたシングル「I STILL LOVE H.E.R. feat. KANYE WEST」が話題に。2009年1月にはファレル・ウィリアムスが運営するSTAR TRAKレーベルから2ndアルバム「SERIOUS JAPANESE」を発表した。2015年より元BiSのメンバーを含むガールズユニット・BILLIE IDLEのプロデュースを渡辺淳之介と共同で行っている。2016年以降はNAOTO(EXILE、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)、VERBAL(m-flo、PKCZ)、SWAY(DOBERMAN INFINITY)、MANDY(関口メンディー / GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILE)と共にユニット・HONEST BOYZとしても活動している。
渡辺淳之介(ワタナベジュンノスケ)
BiS、BiSH、GANG PARADEらが所属する事務所・WACKの代表取締役として各グループのプロデュースを担当。前例のないプロモーション施策を次々と実施し、2014年にはBiSの神奈川・横浜アリーナ公演を成功させた。現在はWACK所属アーティストのほかに、NIGOと共にBILLIE IDLEのプロデュースも手がけている。2017年7月に千葉・幕張メッセイベントホールにてBiSHの単独公演を成功に収め、8月にはWACKとエイベックス・エンタテインメント株式会社によるプロジェクト「Project aW」で新グループ・EMPiREを始動させた。