これ以上のアルバムがこの先できるのか

──そして2ndアルバム「ROCK "N" ROLL IDLE」が完成しました。今回は前作よりもさらにバラエティに富んだ楽曲ラインナップになってますね。

ウイカ　もしかして1枚目であまり引っかからなくて去ってしまった人たちも、たぶんこれを聴いたら帰ってきてくれるんじゃないかと思っています。2枚目ではこんなこともできますよ、っていうかまだまだ引き出しありますよっていうのを見せたかったんですよ。だから今回は意図してロックナンバーを多めだったり、ほかにもダンスミュージックやアカペラにも挑戦してるんですけど、大きく「ネオ80's」っていうテーマからは外れていなくて。

──挨拶代わりの「IDLE GOSSIP」でしたけど、2枚目は1枚目の挨拶が届かなかった人たちに違う一面も見せてみましたという感じなんですね。

ウイカ　そこはすごく意識しました。若い方にはもしかしたら「古臭い」の一言で片付けてられてしまうかもしれないんですが（笑）。ただファッションもそうなんですけど、懐かしくて一瞬ダサいと思うものでも逆に新しい、みたいな。やっぱり80年代育ちのNIGOさんが90年代に裏原宿のカルチャーを作ってきて、それを今の時代で私たちがやってるっていうのもすごいことだなって思うし、それが今新しいんだと思います。

──今回も作詞をメンバーが担当してますが、それぞれの個性が出てますね。

ウイカ　前回、モモセさんはほとんど歌詞を書かずにボツばっかりで終わっちゃったんですけど、今回は3曲の歌詞をがんばりました。

モモセ　そうなんです。

ウイカ　対してヤスイさんは1曲に対して5パターンの歌詞を書いたりして、すごい熱量で取り組んでいたものの、採用されたのは1曲のみ（笑）。

ヤスイ　いろいろ考えたんですけどね……。たくさん言葉が浮かぶ曲もあれば全然浮かばない曲もあって、調子の波がどうにも。

──採用されたのがアルバムの2曲目「彼方に…。」。いいポジションに収録されてますね。

ウイカ　これは私、今回のアルバムの中で一番好きな曲ですよ。そりゃ2曲目だよなって感じで私も納得しました。

ヤスイ　いやあ、うれしいです。

ウイカ　そして今回、のんちゃんが作詞した「be-bop tu-tu」のMVを作りました。80年代のドラマのオープニングを意識して作り込んでるので、その世代はすごく懐かしさを感じるんじゃないかと。

──モモセさんはすごく悩み抜いたうえで言葉をひねり出しているんだろうなって感じで、ヤスイさんはあふれ出るものを寄せ集めたけど1曲にしかならなくて（笑）。そしてヒラノさんも言葉のチョイスが独特でらしさを出してますね。

ウイカ　前作と比べても1枚のイメージが固定されないというか、挑戦的な曲が多いです。ロックナンバーは多いですけど「ロックな1枚です」とも言い難い。なんかいろいろ詰まったアルバムになりました。

──仕上がりとしてもベストなものになったと？

ウイカ　一応BILLIE IDLEってこれからも続けていくつもりなんですけど、もうこれ以上のアルバムがこの先できるのかなってくらいのものにはなってます。自信作ですね。

モモセ　うんうん。すごくいいです。

BILLIE IDLEという揺るぎないものを見せていきたい

──元BiSの2人は、なんだか憑き物が落ちたような清々しい表情をしてますね。

ウイカ　あー、それはあるかも（笑）。解放された感じはありますね。

──そんな呪縛から解き放たれた2人にとってもBILLIE IDLEは新たなスタートですね。

ウイカ　個人ががんばって大きくなるというよりは、みんなで1つの作品を作って「これ超面白いよね」って言い合いながら大きくなっていけるユニットにしていきたい。私たち、誰かにやらされているわけじゃないので、みんなで褒め合って伸びていけるような活動をしていきたいです。あ、ちょっとアーティストっぽいこと言っちゃった。ナタリーさんっぽい？

ヒラノ　ぽいぽい。あはははは（笑）。

──では最後にBILLIE IDLEとして今後の目標をお願いします。

ウイカ　近いところだと10月10日にワンマンライブがあるんで、そこはがんばって満員にしたい。そのあともけっこういろいろとアクションを起こしていこうと思っていて、たくさんの人たちに観ていただける機会をもうちょっと増やしていくつもりです。まだ私たちに対して謎が多いというか、よくわからない人たちも多いと思うんですよ（笑）。だからいろいろと仕掛けていきながらもBILLIE IDLEという揺るぎないものを4人で見せていきたいです。