「パパ活」は大人の女性や男性にも刺さるドラマ

──そんな2人の対談は飯豊さんが出演するドラマ「パパ活」の主題歌をBeverlyさんが担当されるということで実現したわけですが、まずは飯豊さん、「パパ活」という言葉は知っていましたか？

飯豊　いえ、このお話をいただくまで知らなかったです。でもネットで調べたら、「パパ活」という言葉がバーッと出てきて、テレビの情報番組とかでも取り上げられてることがわかって。社会現象にも敏感な（脚本の）野島（伸司）さんはさすがだなって、まずは思いました。

──野島さんの脚本を読んだ印象はどうでしたか？

飯豊　私が演じる女子大生の杏里は、恋人ができた母親に家を追い出され、ネットカフェを転々とするんです。そんな中で「パパ活サイト」を通じて知り合った年上の男性の航（渡部）と出会って少しずつ運命が変わっていく……と言うお話です。全体的には、大人の魅力ある男性との恋が描かれているので、女の子がちょっと憧れてしまうようなストーリーだなって思いました。あとは杏里と航だけじゃなく、その周りの人たちの思いもいろいろ絡み合っていく中で、愛の形や大切な人との絆は人それぞれなんだということに気付かされました。私と同世代の女の子はもちろん、大人の女性や男性にも刺さるドラマだと思います。

──演じる杏里は“ザ・イマドキ”な女子大生ですが、役作りはどんなところを意識しましたか？

飯豊　杏里は言葉遣いがちょっと乱暴と言うか、本当にザ・イマドキって感じなんですよ。「マジで？」とか「つか（て言うか）」とか使ってて、私は普段そういう言葉遣いをしないので、そこはけっこう難しかったです。で、「どう演じよう？」と思っていたら、たまたま6年ぶりに会った小学校の友達がけっこうなイマドキ言葉を使っていたんですよね。その後も何回か会って、話し方を観察させてもらいました（笑）。

──イマドキ言葉のセリフはかなり自然でしたよ？

飯豊　よかったです。マネージャーさんにも「意外とハマってたよ」って言ってもらえたので、ちゃんとなりきることができていたみたいです。

──Beverlyさんもひと足先に「パパ活」をご覧になったそうですが、どうでしたか？

Beverly　面白くてどんどん引き込まれました。それに日本語もたくさん勉強できました。

飯豊　日本語、わかりましたか？

Beverly　たまに詩的な表現が出てくると難しかったですが、大体はわかりました。わからなかったら1回巻き戻します。

飯豊　すごく勉強熱心ですね。

Beverly　ちゃんと理解して観たいので。あと私はもともとラブコメが好きなんですが、このドラマの中にもコミカルなシーンがあって楽しく観させてもらいました。2話の杏里さんと航さんが思わぬ再会をするシーンとか、すごい好きです。

飯豊　なかなかインパクトのあるシーンですよね。

Beverly　杏里さんの目が驚いてガッと大きくなってました！

「Unchain My Heart」は、恋に一直線のイメージ

──Beverlyさんが歌う「Unchain My Heart」は、ドラマのエンディングを切なく彩るバラードですね。

飯豊　私、この曲が最後に流れるとなんかドキドキするんです。何か大変なことが起こりそうでソワソワするというか。だから「Unchain My Heart」が入ったアルバムを聴いてても、この曲が来ると少し落ち着かないんです。

──ちょっとわかる気がします（笑）。Beverlyさんは「Unchain My Heart」の制作エピソードを教えてもらえますか？

Beverly　この曲はもともとあったもので、それを「パパ活」の主題歌として採用していただきました。恋に一直線というイメージで、大好きな人に思いを伝えたいけど伝えられない……そんな恋心を歌っています。

飯豊　「パパ活」の物語にピッタリですね。「全てモノクロに見えるの」とか「こんなに苦しいと知っていたなら出逢いたくもなかった」とか、歌詞がそのままですもん。私は撮影が全部終わったあとに聴いたんですけど、できれば撮影中に聴きたかったなと思うし、初めて聴いたときは鳥肌が立ちました。お芝居していたときの杏里の感情が一気によみがえってきたんです。

──それくらいシンクロするものがあったということですね。Beverlyさん、レコーディングはいかがでしたか？

Beverly　日本語の発音が難しくて何回もレコーディングしました。作詞家さんに歌詞の意味を説明していただきながら、できるだけ歌に感情を込められたらなと思ってがんばりました。

飯豊　レコーディングのときって日本語の歌詞を見ながら歌うんですか？

Beverly　いえ、今は日本語の歌詞の上にローマ字で発音を1つひとつ書いて、それを見ながらです。ひらがなも漢字もまだ勉強中なんです。

──そんな「Unchain My Heart」も含むBeverlyさんのデビューアルバム「AWESOME」についても聞かせてください。まず作品全体のコンセプトは？

Beverly　タイトルの「AWESOME」は、日本語だと「すごい」とか「ヤバイ」、そして私の好きな「さすが」といった意味なんです。これは私とプロデューサーさんで考えて付けたんですが、日本に来れたこと、そしてこのアルバムを作れたこと……すべてがAWESOMEだなって。楽曲もそれを提供してくださった方々も本当に素晴らしいので、まさにこのコンセプトがピッタリだなと思いました。

──（隣で大きく頷いている飯豊に）激しく同意！ な感じですか？

飯豊　はい。さっきも言ったんですけど、私、今ずっと聴いてるんですよ。明るい曲もあれば、ゆったりしたおしゃれな曲もあって、最近はお風呂でもよく聴いてますね。振り幅がすごいです。

──ちなみに、お風呂で聴いているのはどれですか？

飯豊　8曲目の「Nowhere to go...」です。これ、一番好きなんですよ。

Beverly　（「Nowhere to go...」をアカペラで歌う）

飯豊　カッコいいー!!

──間近で生歌が聴けちゃいましたね。

飯豊　最高です！ 私、いろんな人に「聴いて！」って薦めてて、そしたらみんな「めちゃくちゃ歌うまいね」って言ってくれるんです。今、私の周りはみんなBeverlyさんを知ってます（笑）。

Beverly　本当にありがとうございます。

飯豊　こんな素敵なアーティストがいるって、多くの人に知ってもらいたいんですよね。