雑草魂でみんなの笑顔を守る
──確かにアイドルと戦隊ヒーローの組み合わせは鉄板で、BANZAI JAPANもその例外ではありませんでしたね。
安原 今のご時世、マイナスな気持ちになってしまうことが多いと思うんですよ。もちろん私たちも満足に活動ができなかったり、会いたい人と会えなかったりして暗い気持ちになることが多かったんですが、ヒーローに困難に立ち向かうイメージがあるように、私たちも正統派のヒーローでないながらも、雑草魂でみんなの笑顔を守るために必死にがんばるという思いを曲を通して表していて。出会ってくださった方々のこれからの日々を照らしていけたらいいなと思っています。ふざけてはいますが、全力でやらせていただいているので、これからの日本を盛り上げていくぞという気持ちでいっぱいです……(突然泣き出した藤崎しおりに向かって)ね、しおちゃん!
ふみ すぐ泣くやん!
しおり (涙を拭いながら)さっき愛美ちゃんが言っていた通り、落ちサビに「今日を生きる者たちよ 明日を照らす道しるべとなれ」という歌詞があるんですよ。今、アイドルを辞めちゃった人や、会えなくなってしまったファンの方が多い中で、私たちはちゃんと活動を続けられていて。去年の自粛期間を経て、その幸せを今すごく感じているんです。
安原 そのありがとうの気持ちもこの曲で伝えていこうね。
──やはり昨年春からの自粛期間はBANZAI JAPANにとっても苦しい時間だったんでしょうか。
ふみ そうですね。前作の「ジャンピン!なっぷ!JAPAN!」のリリースが2020年3月で、発売してすぐにライブができなくなってしまって。でもそれと同時に配信でのイベントをやり始めていたので、オンライン上で強く生き残ってこれたと思っています。「ジャンピン!なっぷ!JAPAN!」も王道で元気を届ける曲なんですが、それを生配信ライブで10回連続で披露したり、メンバーでリレーする形で47時間連続の配信をやったりして。ファンの方に会えなくて病んだときもありましたが、アイドルとして生きている姿を見せられただけでもよかったのかなと思います。その期間でパフォーマンス力やカメラアピールのスキルも向上しましたし。
──まさに雑草魂で進み続けていたと。
ふみ はい。こんちくしょうの精神です(笑)。
安原 ファンの方たちが思っている以上に、皆さんに会いたいという私たちの思いは強いんですよ。アイドルは応援してくださる方がいないと生きていけないので。こういう状況の中でも前向きに応援してくださる方がいたことにすごく救われましたし、だからこそメンバーと今できることを考えました。リレー配信の中で激辛料理を食べたり、虫を食べたり、私たちはNGがないので「なんでもやるぞ!」の精神でオンライン上の活動をがんばって。それによって日本各地や海外の方に知っていただくきっかけになったのはうれしかったですし、今後への活力になりました。
安堂 自粛期間中にBANZAI JAPANから離れていった人もいましたが、逆に新しくファンになってくださった方もいたので、今となってはこういう期間があってよかったのかなと思います。
ふみ 自粛ムードが漂っていた中で、こんなに前進していたグループはほかにいなかったんじゃないかな。新衣装を発表したり、新曲を2カ月連続でリリースしたり、海外の方に向けたサイトを開設したり。この期間にがんばったことが今プラスになって返ってきているので、世の中のムードに負けずに前に進むことができてよかったですね。
──最初の話に戻りますが、グループの一番の特徴はそのがむしゃらなところかもしれませんね。
笹川 正直、BANZAI JAPANはカリスマ的なメンバーがいるグループではないと思うんですよ。だからこそ1人ひとりの個性が光っていて、知れば知るほどメンバーのいいところがたくさん見えてくるんだと思います。……ちょっと私も泣きそうになってきちゃった(笑)。
朝日 何人泣くの(笑)。
笹川 (涙を流しながら)うまくできないことやもどかしさを感じることもあるんですけど、そんな中でがむしゃらにがんばって勇気を届けていくところがBANZAI JAPANのよさだと思います。
朝日 私たちが全力でアイドルをできるように、運営さんもいろんなことを考えてくださって。去年の自粛期間を乗り越えることができたのはBANZAI JAPANに関わってくださっているすべての人たちのおかげだったと思います。メンバーの人数が多いので分かれて活動できるのも強みですし、グループ全体が一致団結して一歩ステップアップできたなって。
BANZAI JAPAN史上最高難易度
──「BANZAI FIGHTER」以外のシングルの収録曲「縁起が良い街」「エールデリバリー」もBANZAI JAPANらしい前向きな楽曲になっています。
ふみ 「縁起が良い街」は歌唱面でのレベルが高すぎて……スキャットで始まるんですけど、そこのハモリが大変なんです。高低差が激しいのでピッチを合わせるのも難しいし、しかもかなり激しく踊るし、BANZAI JAPAN史上最高難易度の曲だと思います。
しおり 「BANZAI FIGHTER」には泥臭さがありますが、「縁起が良い街」には昭和の時代の控えめな女の子のイメージがあって。踊りもきれいな女の人が浴衣をなびかせているような感じで、BANZAI JAPANは元気な曲が多い中、少ししっとりとしていて新しい感じがあります。
朝日 この曲では「コノハナサクヤ姫」という曲と同じ振りを踊るところがあるんですよ。歌詞もリンクしている部分があって、ファンの方にとってエモいポイントだと思います。「コノハナサクヤ姫」を聴いたことがない人は、ぜひチェックしてもらいたいです。
笹川 あと、「縁起が良い街」は「最果ての雰囲気(ムード)は闇の中」という歌い出しで始まって、そのあとにお祭りをしてる明るい街を想像させる歌詞が多く登場するんです。今は闇の中でもこの状況を抜けたら明るい未来が待っている、という意味に捉えることができて、今の世の中の状況にも当てはまっていると思います。「もう一度声を聞かせて」「もう一度笑顔見せて」という歌詞もファンの方への思いと重ねることができて大好きです。
安原 「君と出会えたら 愛を届けましょう」という最後の歌詞のような気持ちでこの曲を歌っています。
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今のご時世に一番必要な曲