BANZAI JAPANがトリプルA面シングル「BANZAI FIGHTER / 縁起が良い街 / エールデリバリー」をリリースした。

BANZAI JAPANは「日本が持つ素晴らしい魅力」を世界に発信するために2014年に結成されたアイドルグループ。メンバーは「日本を元気に世界へ発信！47都道府県天下統一アイドル」をコンセプトに、各担当都道府県の魅力を発信する伝道師として活動している。ニューシングルにはコミカルな戦隊モノ風のミュージックビデオが印象的な「BANZAI FIGHTER」をはじめ、コロナ禍の世の中に元気を届けることをコンセプトにしたポジティブな楽曲3曲を収録。音楽ナタリーでは朝日珠莉愛、安堂舞花、笹川ささ、春川愛美、藤崎ふみ、藤崎しおり、安原めいの7人にインタビューし、新曲やグループの持つ強みについて話を聞いた。

取材・文 / 近藤隼人　撮影 / はぎひさこ

恩着せがましく踊る

──BANZAI JAPANは今年で結成7周年を迎えますが、「名前は聞いたことがあるけど、どういうグループなのか詳しく知らない」というアイドルファンもまだいると思います。ぜひこの機会にグループの特徴を紹介してもらえますか？

藤崎ふみ　「日本の魅力をおもてなしの心とエンタテインメントの力で世界に発信していく」というコンセプトなので、楽曲もジャパニーズサウンドのものが多いんですよ。和楽器の音が入っていたり、和ロックのような曲もあったり。扇子を持ってライブすることもあって、音楽やビジュアルで世界の方々に日本らしさを伝えています。

安原めい　衣装にも注目していただきたくて、見ての通り和のテイストが入っているんです。今日着ているのは新衣装なんですけど、日本のかわいいポップな文化と和の要素が融合していて、見る人の印象に残りやすいデザインになっています。

──活動にまつわるものすべてに和の要素が共通していると。

安原　はい。2021年の活動のテーマは「日本満喫」で、今後の世の中がどうなってくかはわからないですが、配信などを通じて日本全国、世界の方々に私たちの存在、そして日本のよさを知っていただけるようにアピールしてきたいと思っています。

ふみ　活動は関東が中心で、今は特にSNSがメインにはなっているんですけど、各メンバーが愛すべき自分のホームタウンのことを発信しています。

笹川ささ　メンバーによってはその地域のゆるキャラや企業さんとコラボしている子もいるんです。

──和というコンセプトがかっちり固まっている分、表現の幅が狭くなるというデメリットはないんですか？

ふみ　逆にコンセプトが固まっているからこそ自由度が高いグループだと感じています。どんな新しいことをやっても帰って来られる場所のような強いコンセプトがあるので、ほかのアイドルと比べてもできることの振り幅が大きいんです。メンバーの数が多いですし、それぞれ配信で変な企画もやってますし、グループへの入り口は多いんじゃないかな。

笹川　地方に住んでいる方にも配信を通して知ってもらえることが多いです。同じ出身地のメンバーがいることがきっかけでファンになってくれる方もいて。

藤崎しおり　コンセプトがしっかりしているので印象に残りやすいというか、覚えてもらいやすいんだと思います。

──確かに初見の人にとってはインパクトが強いかもしれませんね。

笹川　曲も和の要素が共通していながらも、音楽のジャンルとしては幅広いんです。カッコいい系の曲もあれば、かわいらしいアイドルソングやバラードもあって。

安堂舞花　私は曲が好きでBANZAI JAPANに入ろうと思ったんですよ。いろんな曲があることによって表現の幅も広がっていると思います。

春川愛美　ライブパフォーマンスも、カッコよく魅せるときもあれば、面白いコミカルな面を出すときもあります。

安原　メンバーの人数が多いので、基本的に全員がステージに立つことがないんですが、誰もがセンターになれるのも魅力の1つですね。連日ライブがあったとしても同じポジションに入ることがほとんどなくて、毎回違ったライブを届けられるので、メンバーのいろんな面を観ていただけると思います。

朝日珠莉愛　会場によってフォーメーションも変わってくるんですよ。ステージが狭いところだと7人、広いところだと9人、11人というように立てる人数が変わってくるので。あと振りを真似しやすい曲が多くて、最近は声出しのライブができない分、一緒に踊ってくれる方が増えています。

──パフォーマンスでの魅せ方も幅広いとのことですが、お祭りのように盛り上げにいくのが基本姿勢なんですかね。

ふみ　特に扇子を使う曲ではお祭り騒ぎになりますね。BANZAI JAPANは圧が強いというか（笑）。ダンスの先生から「恩着せがましく踊れ」と言われていて、初期の頃から必死に踊る泥臭さがあるんです。

顔面も振り付けの1つ

──ニューシングル「BANZAI FIGHTER / 縁起が良い街 / エールデリバリー」の楽曲も恩着せがましく踊る感じですか？

ふみ　特に「BANZAI FIGHTER」は表情で煽るところがありますね。うざいくらいに何か求めるような顔をしていたりするので、ぜひ顔面にも注目してほしいです（笑）。顔面も振り付けの1つになっています。

しおり　1つひとつの動作をじっくり見てほしいです。私たちは間奏のダンスを激しく踊ることが多いんですが、今回はただ真顔で横揺れするだけで、そういうところも面白いと思います。

春川　振り付けは面白いんですけど、歌詞は真面目で、普通にいいことを言っているんですよ。私が一番好きなのは「明日を照らす道しるべとなれ」というところで、今の世の中の状況に合った歌詞だと思います。メッセージ性があるので曲を聴きながら歌詞もしっかり見てほしいです。

朝日　この曲の音源が送られてきたときは正直、「えっ、マジ？ これでいくの？」と思ってしまったんですけど（笑）、聴けば聴くほどハマるスルメ曲だと思います。

──「えっ、マジ？」と思ったのは具体的にどういうところに対してですか？

朝日　このタイミングでリリースする曲が面白系だと思ってなかったんですよ。でも、レコーディングに向けて聴いていくうちにどんどんハマっていく自分がいて。MVの公開後にはファンの方も同じようにハマってくれていたのでうれしかったです。

安原　MVはメンバーが半分くらい誰だかわからない映像になっていて（笑）。いろんなコスチュームを着ていたり、金髪になっていたり……アイドルと戦隊モノの組み合わせは王道ではあるんですけど、このMVは王道ではないんですよね。でも、BANZAI JAPANとしての王道は貫いていると思います。全編を通してアイドルらしい描写は10秒くらいかもしれませんが、1人ひとりが役を演じる撮影は楽しかったです。MVを観て少しでも笑ってもらえたらうれしいですね。

朝日　私たち7人はヒーローチームだったんですけど、私が撮影当日に衣装を破いてしまって（笑）。急遽新しいのを買ってきてもらったんです。

──朝日さんはMVの中で黒のラバーキャットスーツを着ていますね。本来はどんな衣装だったんですか？

朝日　真っ赤なスーツだったんです。でも、着るときにお尻の部分が破けてしまって（笑）。

春川　私はアラビアンの衣装を着ていて、その衣装に合わせてベリーダンスという特技を身に付けました！ MVでもその腰を振る踊りをやっているシーンが使われているので注目してほしいです！ ぜひ流行らせていきたい。

安原　本来、この曲にそういう振りはないんですよ（笑）。最後のBANZAI JAPANの衣装で踊るシーンでもアラビアンが抜けてなくて、その踊りをやっちゃってるんです。

ふみ　そのシーンを使ってしまうのが今のBANZAI JAPANの面白いところだと思います（笑）。曲にもMVにも今の私たちの等身大の姿が反映されていますね。