日本テレビ系の音楽番組「バズリズム」から誕生したバカリズムと秦基博による音楽ユニット・ハタリズムが、楽曲「『いくらだと思う?』って聞かれると緊張する(ハタリズム)」を8月26日に配信リリースする。このたび、バカリズムのメジャーデビュープロジェクト“バカリズムと”の第1弾として楽曲制作を行ったハタリズム。バカリズムが手がけた彼らのデビュー曲の歌詞には、好意を寄せる女性が「いくらだと思う?」と自身の持ち物の値段をクイズ形式で聞いてきた際の男性の思いがつづられている。
音楽ナタリーでは本日8月25日(金)深夜にオンエアされる「バズリズム」の収録スタジオで、バカリズムと秦基博による対談を実施。初のスタジオライブ収録を終えたばかりの2人に、グループ結成からデビューに至るまでを振り返ってもらうと共に、楽曲の制作秘話を語ってもらった。
取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 佐藤類
※本文中「『いくらだと思う?』って聞かれると緊張する(ハタリズム)」の正式タイトルは、二重カギカッコが一重カギカッコの「いくらだと思う?」って聞かれると緊張する(ハタリズム)。
何度も嫌な夢を見たスタジオライブ収録
──たった今ハタリズムにとって初のスタジオライブ収録が終わりました。今回「『いくらだと思う?』って聞かれると緊張する(ハタリズム)」のボーカルを務めるバカリズムさんは、収録前に「機材トラブルで中止になったらいいのに」と思うぐらい緊張されていたそうですね。
バカリズム プレッシャー的には本当にそれぐらいの気持ちで。とりあえず終わってホッとしました。今日に至るまで、何回か嫌な夢を見てるんですよ。
秦基博 あはは(笑)。
バカリズム 僕の声が出なかったり、歌詞が出なかったりして、何回も何回もやり直して収録が押していくっていう。でも、ゲストに出るミュージャンとしては一番スムーズな終わり方だったんですよね。リハーサル、ランスルー、本番を1回ずつやって、一発OKですからね!
秦 そうそう。素晴らしい。
バカリズム ねえ。もっとかかるアーティストの方もいらっしゃいますからね(笑)。ただ、「バズリズム」のスタジオに実際に立って思ったのは、引くほどカメラが動く。あの現場を目の当たりにしたときに「やっぱ音楽番組ってすごいな」って思いました。
──秦さんは今回の楽曲にはギターとコーラスで参加しています。スタジオで実際にハタリズムとしてパフォーマンスしてみていかがでしたか?
秦 普段だったら秦基博として出るので、ガッツリ頭から歌うじゃないですか。今回はギターを演奏するのと、途中からハモるだけだと思ってちょっと気が楽だったんです。だけどスタジオに立ったらバカリズムさんの緊張してる感が伝わってきて、「あ、俺も間違えちゃいけない!」って(笑)。
バカリズム あははは(笑)。緊張してたんですね!
秦 本番でぐっと緊張感が高まりましたね。でもバカリズムさん、いい歌でした。
めちゃめちゃいい曲だなあ
──ここからはハタリズムの結成から今に至るまでの動きを振り返っていきます。お二人の活動は2015年の「バズリズムライブ」でバカリズムさん作詞、小出祐介(Base Ball Bear)さん作曲のナンバー「AVを見た本数は経験人数に入れてもいい」を披露したところから始まったんですよね。そもそも、なぜこの曲をお二人で歌うことになったんですか?
秦 最初に2013年の「YANO MUSIC FESTIVAL」で、バカリズムさんと小出さんが「AVを見た本数は経験人数に入れてもいい」を披露してるのを観たことがきっかけですね(参照:Y! A! N! O!で大団円!「矢野フェス」3度目も大成功)。
バカリズム それがけっこういい曲だったんで、「バズリズム」でも何回も歌っていて……散々こすりまくってるんです(笑)。あんな歌なのにたくさん流してくれるんですよ、この番組(参照:三浦大知、バカリズムの“AV曲”の振付師&バックダンサーに)。
秦 「矢野フェス」のときも3回ぐらい歌ってましたよね。
バカリズム そうそう。出番15分ぐらいもらってたけどその曲しかなかったので、同じ曲を3回歌ったんです。
秦 そのライブを観て「めちゃめちゃいい曲だなあ」って。
バカリズム あ、そうだったんですか? 「矢野フェス」の大部屋の楽屋にいるとき、秦さん無表情な感じだったから、たぶん「出番前にふざけた曲やりやがって」って怒ってんだろうなって思ってました。
秦 あははは(笑)。大部屋で一番下のペーペーだったんで、ずっと緊張してたんですよ!
バカリズム そのとき挨拶はしたけど、深くはしゃべらなかったんですよね。それで、番組に出てもらったときに「AVを見た本数は経験人数に入れてもいい」を「バズリズムライブ」で一緒に披露することになって。でもこの曲は秦さんの曲ではないし、ライブは演奏のみの参加だったから、秦さん的には「やるんだったらちゃんと手柄を取りたい」と。
秦 どうせなら。
バカリズム 「どうせなら、ちゃんと自分の作った曲で一緒にやってみたい」って、(大きな声で)秦さんのほうから言っていただいて!
秦 (笑)。
バカリズム 「なるほど、すごい面白い話ですね」っていうことで、一旦持ち帰って。
秦 すぐには決めないっていう(笑)。
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小出祐介に対するライバル心が動機
- バカリズムと「『いくらだと思う?』って聞かれると緊張する(ハタリズム)」
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※配信は8月26日0:00から
- 収録曲
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- 「いくらだと思う?」って聞かれると緊張する(ハタリズム)
- バカリズムと
- 日本テレビ系の音楽番組「バズリズム」内でスタートしたバカリズムのメジャーデビュー企画。毎回さまざまなアーティストとコラボし、楽曲を作り上げる。第1弾は秦基博とのコラボユニット・ハタリズムとして「『いくらだと思う?』って聞かれると緊張する(ハタリズム)」を配信リリースした。第2弾では水野良樹(いきものがかり)とタッグを組み、ミズノリズムとして楽曲を制作している。
- 秦基博(ハタモトヒロ)
- 1980年生まれ宮崎県出身のシンガーソングライター。横浜を中心に弾き語りでのライブ活動を開始し、2006年11月にシングル「シンクロ」でデビュー。柔らかな声と叙情豊かな詞、耳に残るポップなメロディで大きな注目を浴びる。2007年9月に発表した1stフルアルバム「コントラスト」が支持を集め、2009年3月に初の東京・日本武道館公演を実施。2011年には自身3度目の武道館公演を全編弾き語りで成功させた。2013年10月に自身が選曲したセレクションアルバム「ひとみみぼれ」をリリース。そして2014年8月発表の3DCGアニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌「ひまわりの約束」は130万ダウンロードを超える大ヒットを記録した。2015年12月には全曲のアレンジを自ら手掛けたセルフプロデュースの5thアルバム「青の光景」を発表。2016年9月に行われたオフィスオーガスタによる野外ライブイベント「Augusta Camp」ではプロデュースを務めた。デビュー10周年を迎え、2017年5月には横浜スタジアムでワンマンライブを開催。6月には初のオールタイムベストアルバム「All Time Best ハタモトヒロ」を発売し自身初のアルバムウィークリーチャート1位を獲得、ロングヒットが続いている。